北朝鮮経済制裁 2005.03.20
この文がすぐに時代遅れになり、風化することを望んでいると冒頭に記す。

国会でも、社説でも、ネットでも、北朝鮮問題で経済制裁せよ・するなという論が発言され、それぞれ反論もされている。私は経済制裁については即実施を求める者だが、その周辺について思うことを書く。
何事も目的があって手段がとられるのであって、手段がまずあるのではない。
経済制裁というひとつの手段の採否はまったくの結果であって、目的を忘れてあるいは目的を気づかずにいては仕方がない。

まず、確認しておくが、北朝鮮というのは大問題である。
なにが? 存在そのものが問題なのだ。
あのような性格を持つ集団(国家とは呼べそうもない)が存在していることに当惑しているのである。人権無視とか食糧危機による餓死者というのは北朝鮮の国内問題かもしれない。しかし、日本人誘拐(拉致)、核兵器開発、あるいは国内で食えないからと国外脱出者がでるのは国際問題であり、迷惑を受けているのは日本をはじめとする近隣諸国である。
中国は北朝鮮をうまく操ろう、利用しようとしていることは間違いないが、現時点では北朝鮮を扱いかねているのではないかと思う。
韓国は祖国統一という理想はあるものの、現実に貧乏な同胞が押し寄せてきたら崩壊だろう。
まず北朝鮮が存在するという問題について、我々はどうすべきかというビジョンを持たねばならない。私はお勧めする案を持ち合わせていないが、とにかく現状を変えないとならないことは間違いない。
この国の政治体制を崩壊させてもその後の処理が大変だという説も強力である。北朝鮮が崩壊すると韓国も中国も日本も迷惑を受ける、だから金独裁体制を維持すべしという説を語るお方もいる。そういったお考えを批判するつもりもないし批判するだけの根拠もない。
しかし、それが唯一最良の策であることについては同意しない。
たとえば北朝鮮崩壊後、ある程度の期間、国連の信託統治領とする選択肢もあるだろうし、6ヶ国ならず5カ国共同管理とすることも無きにしも非ずであると思う。
ドイツが東西統合したときの(現在でも引きずっている)問題の大きさを考えると韓国がその負担を懸念して、太陽政策云々語るのも分かる気がする。東アジアの安定を考えると統合の負担を韓国だけに負わせることは経済的にもできないし、日本など取り巻く国家にとっても最善の選択肢ではない。
誤解ないように申し上げておくが、それは日本に責任があるからという理屈ではない。日本の国益のため、より具体的に言えば日本のトータルの費用負担を少くするためである。
しかしなんですね、
かって北朝鮮は地上の楽園とか金日成を称えた人は、その責任をとって公の立場から立ち去るべきだ。
今でも<九条の会>などと称してごたいそうな発言をしているロートルサヨクどもはいったい良心とか恥というものを持っているのだろうか?
私は持っていないと思う
私の論はまずこの北朝鮮が存在することが問題であるということを私たちの共通認識として、その問題を取り除くためにいかなる手段を検討し、それらをどのように組み合わせて運用していくか、そしてフィードバックをかけていくかということを論じなければならないということだ。

そういう観点から見ると、経済制裁というのは大局的なものでもないし戦略でもない。戦術でさえないのかもしれない。
そしてまた重要なことは、外交とか交渉においては手の内を見せてはいけないのは当然である。マージャンで相手の牌は分からずに自分の牌は相手に見られている状態では絶対に勝てるはずがない。日本国内において経済制裁する・しないと議論していては相手が動ずるわけがない。 bird.gif
交渉相手にはタカ派を選ぶことを最善とし、ハト派を次善、烏合の衆は相手にしないのが鉄則である。
パレスチナとイスラエルの交渉が成り立たないのは、パレスチナに統一した政権がないのだから当然である。

だから「経済制裁をするべきでない!」と叫ぶこと自体北朝鮮を支援していることになる。
KABU先生は朝叩きに同様のことを書いておられた。もっとも彼は私と違い英語に堪能なのでエンカレジと書いていた 

独裁政権あるいは挙国一致内閣が強力な施策を行えるのはフリーハンドを持つからである。 政党政治、まして与党が多数を占めていない日本の状況ではレイムダックどころかデッドダックである。固い意志に基づく行動はとれない。

それと経済制裁というのが最終手段と思われている方が多いが、それは間違いであって、外交交渉においては序の口であると言うことだ。
過去、経済制裁というのは数多く行われている。
  イラク、イラン、リビアなどなど
あるいはまたスポーツや文化交流の中止などという、ある意味の制裁行為もある。
  モスクワオリンピックボイコットが有名だ。
経済制裁は追いつめる前の小手調べ、意思表示のレベルなのである。
もちろん制裁という行為は、相手に対して被害を与える必要があり、そうでなければ制裁ではない。

日本では北朝鮮を追いつめるななどという発言をする人がいる。
以前、テレビでピーコがあまり北朝鮮を追いつめてはいけないと語った。
なぜ北朝鮮を追いつめてはいけないという発想をするのだろうか?
追いつめられているのは日本ではないのか?

追いつめてはいけないという発想は北朝鮮を思いやっているのではなく、「日本は北朝鮮より上位である。偉いんだ!」というお考えではないのか?
それは北朝鮮にとっても失礼な話だし、間違ってもいる。
日本も北朝鮮と同じ行動基準で動いてもいいのだし、そうでないと歯車がかみ合わないのだよ。

経済制裁すると、北朝鮮が暴走するのではないか?という懸念を抱く人も多い。
悲観論は核ミサイルを持っている、怖い、北朝鮮が戦争をはじめたら日本は全滅してしまうという。
他方、楽観論はアメリカが黙っていないから大丈夫とか日本まで来る飛行機も舟もないといっている方もいる。
baikin.gif 現実はもちろんその中間にあるのだろう。実際にどうなるかは菌将軍に聞かないとわからないが、それを怖れては経済制裁に限らず、外交はできないよ。それができないなら、もともと国家ではない。
北朝鮮を追いつめるなと叫ぶ人は、日本が一人前の国家になってはいけないと語っていることなのだ。
話し合いで解決しようと叫ぶ人も団体も新聞社も、その意味するところは
「日本よ国家になるな!」と叫んでいるのだ。
櫻井よしこさんの講演で何度も「日本よ国家たれ」と語っていたのを思い出す。
ところで経済制裁を受けると、その国は武力反攻をするものだろうか?
先ほど例に挙げた、イラン・イラク・リビアなど国々は暴発したか? 経済制裁した国々に対して武力攻撃したか?
オリンピックをボイコットされたソ連は自由主義諸国に武力侵攻したのか?
tepodon.jpg
北朝鮮の誇るテポドン
経済制裁で暴走したケースはあるのだろうか?
かってハルノートを示された日本は堪忍袋の緒が切れて宣戦布告した。日本人だからいうわけではないが、このときの日本がおかれた状況と北朝鮮の現状はまったく異なる。
あのときの日本は食い詰めていて、国家とか天皇だけでなく国民全体が疲弊していたのである。そして国家の存在さえ危なかったわけだ。
他方、北朝鮮は単に金正日とその取り巻きの権力集団とその政治体制が問題であって、国家滅亡とか国民をどうするという問題ではない。北朝鮮国民を思いやっているのは日本人をはじめとする外国の国家国民であって、皮肉なことに金正日ではないのだ。
なにしろ外国からいただいた食糧支援物資を外国に売り払い、その金を武器弾薬に費やしていると聞く。
日本は武力行使、経済的行使、文化・スポーツ交流などのすべての側面においていかなる手段も選択でき、どのようなレベルの行動も可能であるというフリーハンドをまず持つことが大事である。
その上で、北朝鮮を目的とする状態に持ち込むためにどのような手を使うかを考えて、実行を検討しなければならない。
日本国憲法が武力行使を禁じているというのは国内問題であって、明日にでも憲法改正して武力行使をすると決めても国際法上は問題ない。北朝鮮問題が起きたから憲法改正しても事後法ではない。
だいたい、北朝鮮が「経済制裁は宣戦布告とみなす」とのたまわっているとき、こちらも戦争を覚悟しなければならないのは当然である。
戦争がいやなら経済制裁しないことになり、それは北朝鮮の核開発を許すことであり、日本人拉致を許してしまうことなのである。
国家とは国民の命財産を守る機関であるならば、そのような道は選択できないはずだ。
話をまとめる。
まず我々は北朝鮮をどうするかというビジョンを持たねばならない。そのビジョンは日本だけでは作れない。
そのビジョンはアメリカ、ロシア、中国そして韓国の支持を得ないとならない。関係する諸国の利益のMAXMAX化を図り、WINWINの関係を作るよう進めなくてはならない。
私は、五カ国で北朝鮮崩壊後について具体的に、政治体制、暫定統治方法、経済的支援などを堂々と論議し、韓国を北朝鮮崩壊後の経済的負担の不安から開放し、中国にもロシアにも北朝鮮崩壊後の軍事的バランスとアメリカとの緩衝地域の確保などについて話し合い納得してもらうことが重要であると考える。
北朝鮮にそういった動きを見せ付けることそのものが北朝鮮の崩壊、つまり東アジアの安定化を早めることになると思う。


実は私はこの会談をヤルタで行ってはどうかと思っている。
いや、ちょっとした皮肉なアイデアですがね 
あるいはポツダムで行ってポツダム宣言と称したらどうだろう

関係する国が共通のビジョンを共有しなければならない。そして、そのビジョンを具体化していかなくてはならない。

何もせずに、拉致された人の寿命をかの地で尽きさせてはならない。
それは拉致された人だけの問題ではない。
日本が国家であるのかそれとも町内会なのかの分かれ目である。
国際社会から日本は国家ではなく町内会であると見られたら あっというまに食いつぶされてしまうのだ。
150年前のアヘン戦争の再現ですよ
だからこそ、中国は日本の値打ちを推し量っているのだろう。



さあ、あなたはどうするかね?






r-ib様からお便りを頂きました(05.03.21)
北朝鮮経済制裁について
はじめまして。r-ibと申します。
数日前から拝見させていただいております。基本的に貴方のご意見には大賛成です。
しかし北朝鮮経済制裁について以前より疑問に思っていることがありましたのでメールいたしました。
経済制裁によって、北朝鮮が崩壊したり、大量の餓死者が発生したとしても自業自得(というかその効果を狙っている)だと考えておりますので、制裁発動自体は反対ではありません。
しかし、現時点での優先課題は「生存している拉致被害者の救出」であり、経済制裁によって「救出」が可能なのか判断つきかねております。というのも北朝鮮の出方がまったく読めないからです。経済制裁によって何が起こるか、北朝鮮の可能行動とそれへの対応についてどのようにお考えか、あるいは一助となるサイトでも教えていただければ幸いです。
擁護するわけではないですが、北を礼賛していた人たちも人間であるからには恥はあると思いますよ。ただ、北礼賛は手段でしかなかったので恥とか反省に結びつかないのだと思います。ほとんどは電波な人ではないでしょうから実態を知っていたはずです。
駄文失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
お便りありがとうございます。
市井のジジイとしてのコメントですからあまりあてにはなりません。
まず、前提
問題点は北朝鮮が日本に多大な迷惑より正確に言えば危険であるから、これに対処しなくてはならないということだと思います。北朝鮮からの危険は拉致問題だけでなく、核開発もありますし、脱北者の問題、そのた海洋汚染あげればきりがありません。
確かに拉致被害者救出は最優先課題ではあるでしょうけど、それだけではありません。
拉致されたご家族には冷たい言い方ですが、金正日政権を保証してあるいは問題の責任を不問として拉致被害者を取り戻しても真の解決になりません。核兵器はどうなのか?人道支援はどうなのか?北の崩壊は?などの対策にはならないからです。
論点1:経済制裁によって拉致被害者を取り戻せるか?
経済制裁によって救出が可能かどうか私には分かりません。いずれにせよ、経済制裁は小手調べなのです。経済制裁といっても政府内部で4段階とか5段階とか検討されています。当然、経済制裁後の次の段階も用意しておかなければなりません。既に北朝鮮は経済制裁を宣戦布告とみなすといってますから、向こうからの軍事行動を想定しておかなければならないでしょう。
私は個人的には経済制裁を即すべきだと明言しました。しかしそれ以外の手段も検討すべきなのです。
しかし何もせずに手をこまねいていては、拉致問題も核開発問題も悪化していくだけは間違いない。
論点2:過去に北朝鮮を礼賛した人について、
北礼賛は手段であったとの説、そうかどうか本人ではないので私は分かりません。手段ではなく真に信じて宣伝していたかもしれません。
実態を知って己の活動の手段として電波を撒き散らしていたならば、その行為を反省しないことはそれなりの人格であろうと推察します。実態を知らずに北賛美の発言していたならば、その無知を反省し、以降の行動に反映すべきです。 いずれにせよ、恥を知り、名誉を重んじた過去の日本人(侍ばかりではなく百姓や町人も)とは相当異なる人種と思います。
論点3
北問題の関するサイトはたくさんあります。まず政府をはじめとする各政党をご覧になるべきです。それだけで相当な情報量といいますか、どんな団体が何を考えているかがわかります。





水城先生からお便りを頂きました(05.03.24)
こんばんは。
水城平四朗という者です。
そちらの記事を読んで、いろいろと思うところがあるんですが……
まあその、今回は捨て置けないな、と感じたのでメールしました。

そもそもの話、経済制裁に効果があると思います?
私としては、これは非常に疑問ですね。そりゃまあ、効果が皆無って事は、ないでしょう。しかし、決定打には絶対にならない。中国が、そうはさせないだろうからです。
いつぞや、確か平沢議員だったと思いますが、「経済制裁に効果はない。しかし日本の断固たる決意を示すために行うべきなんだ」と、テレビで発言していました。
その結論には私は反対ですが、判断としては妥当なものと思います。

あとまあ、いつぞやテレビでも放送してましたが、経済制裁というのは、ほとんど最終手段ですよ。
つまり、それで相手が「参った」と言えば良し。しかし、そうならなかったら、あと残る手段は軍事侵攻だけです。(もしくは、いつ決着がつくかも分からない長期戦となるか)。
そして、日本にそんな能力はありません。まあ、今から軍を整備していくことは可能でしょうが……、それには何年かかるでしょうね?
(補足。段階的な経済制裁という意見もあるでしょうが、それも本質的には同じ事だと私は判断します。つまり、最初のレベルの経済制裁で相手が参ったと言わなかったら、次のレベルにエスカレートさせるしか手はありますまい。そして、それでも駄目だったら、次のレベルに……ということになり、すぐに最後のところへ来てしまうでしょう。同じ事です)。

で、結局、経済制裁に成果は期待できない。
それを行っても、結果は北朝鮮の態度を硬化させ、交渉を決裂させるだけでしょう。
つまりは、全てをぶちこわしにしてお終いだろうと、私は思うんですね。

そして、佐為さんの記述でも、経済制裁で何を期待するのか、このあたりが全く触れられていません。
いや、別のところで触れるつもり(あるいは、すでに触れている)のかもしれませんけど。
しかしそれにしても、経済制裁しろというのなら、それによりいったいどのような効果を、あるいは結末を、期待するというのか?このあたりは、きちんと記すべきではないでしょうか?

そして、佐為さんは現状を「何もしていない」と見ておられるようですが、それも考え違いです。
つまり、今の日本は、対話と圧力によって、北朝鮮を、日本の意図する方向へと誘導しようとしていると、見るべきです。 それはすなわち、孫子の兵法で言うところの「戦わずして勝つ」を実現しようとするものであり、非常に高度な戦略であると思います。

それから、もし目的が「北朝鮮の脅威を除きたい」ということなら、別に北朝鮮を崩壊させる必要はないということも、指摘できます。
北朝鮮という国を、国際協調路線へと変更させれば事足ります。
にもかかわらず、何が何でも崩壊させなければならないと考えるのは、手段と目的の取り違えに類することでしょう。

そして、仮に北朝鮮が崩壊するような状況ができあがったとして、北朝鮮が大人しく滅んでいくと思います?
私はそうなるとは思いません。おそらくは蜂の一刺しで、最後の報復を試みるだろうと思います。そしておそらくは、それは軍事施設への攻撃ではありません。
民間人を狙うテロでしょう。他ならぬ、この日本においての。

つまり、北朝鮮を崩壊させるには、この日本の民間人の血を代償として差し出さなければならないって事です。平凡なサラリーマンやOLや学生や老人や生後間もない赤ん坊の血を。

佐為さんには、それだけの覚悟があるんでしょうか?それとも、そうはならないとお考えなんでしょうか?

ちなみに私は、北朝鮮を崩壊させることなど論外だと考えてます。理由はすでに述べたとおり。そうする必要はないって事と、そうするために支払う代償があまりに大きすぎるって事です。
そしてそれは、決して北朝鮮を思いやっての判断ではありません。このあたり、佐為さんはどうも、思い違いしているように見えます。

また、戦略というものについても、指摘できる部分があります。
つまり、敢えてこちらの手の内を明かすのも、戦略のうちなんですね。このあたりも、色々ややこしい話になるわけですが。
したがって、「だから「経済制裁をするべきでない!」と叫ぶこと自体北朝鮮を支援していることになる」というのは、勘違いというべきです。

それから、そちらの歴史の知識なんですが、少々間違ってます。

つまり日本は、ハルノートを突きつけられる前に、「対米交渉がまとまらなかったら戦争」と決定しています。ハルノートで戦争を決意したわけではないんです
ね。それどころか、日本陸軍に限って言えば、アメリカが石油の禁輸を行った直後、早々と対米戦を決意しています。
また、その時日本の国民は確かに疲弊していましたけど、その最大の原因は泥沼の日中戦争でしょう。つまり、日本自身の誤判断が諸悪の根源と言うことになるかと思います。
あとまあ、別に国家の存続自体は、当時は危ぶまれていないはずです。私の知識としては、そういう心配をしていた要人は、まったく思い浮かびません。

ちなみに、ちょっと別な話ですが。
当時のアメリカには、「日本は、アメリカとの戦争には決して踏み切らない」と判断する人間がいました。「なぜなら、アメリカとの戦争を始めた場合、日本は確実に敗北するからだ。自ら自滅の道を選択するはずがない」という論拠なんですが。
ところが日本は、「いや、なんとかなる」という判断をねつ造し、戦争を始めてしまうわけですね。そして、惨憺たる敗北を喫することに。

そして同様のことが、北朝鮮にも考えられるわけです。
それは確かに、もし北朝鮮が暴発したら、それは北朝鮮自身を滅ぼす結果になるでしょう。
しかし、もし今の北朝鮮が、過去の日本帝国と同様に、まともな判断能力を失いかけているとしたら?
まあなんにしても、もし佐為さんが、「絶対に北朝鮮は暴発しない」とお考えなら、それは甘いと私は思います。
そして、問題は更に複雑なものとなるわけです。正常な判断能力のない相手を、いかにすれば、こちらの思う方向へ誘導できるか?という。

えーと、それでは、また後ほど。
もう少し付け足す必要があるかな?と思いますので。
水城先生 お便りありがとうございます。
拙文が先生のホームページへの書き込みとそれに対する先生のコメントに端を発したことはいうまでもありません。
私は先生が北朝鮮経済制裁に対して反対のご意見でしたので、その理由をお聞きしました。
その時、先生は経済制裁は戦術レベルであり、戦略を考えないといけないという論でありました。確かにそれはそのとおりでしょう。でも私はフラストレーションを感じました。正直言えば、先生のコメントで、私は無力感を感じたといいますか落ち込んでしまったのですよ。
さて、では戦術ではなく戦略を考えよという論法であるならば、戦略ではなく政治を考えよという論も成り立つと言うか、それが優先するわけですし、更に政治ではなく国民の思いを把握せよというのがより上位の階層となるはずです。

先生は政治として日本国民の願いをどう実現するビジョンをお持ちなのでしょうか?
だって自分が北朝鮮に誘拐されたり、殺されたりしたいと思う人はいないでしょう。拉致された人々やそのご家族にむかってテレビドラマの水戸黄門のように「もう少し様子を見てみましょう」と言えるのでしょうか?
北朝鮮による犯罪は拉致だけではなく覚せい剤、贋金など多々あります。
この国民の思いにどう応えるのか政治が考えなくてはならないはずです。
おっと、私は政治でどうすべきと論じているのではないのです。
私の主張は、最後の一文、「あなたはどうするのかね?」がすべてです。
私は何もせずにいることを認めないと断じています。ここは耐えるところだなどという論は認めません。
先生に限らず話し合いをしようという政党、市民団体があります。
でもご覧ください。
二国間話し合いは進展がありません。
6カ国協議は北朝鮮のご機嫌が悪く頓挫しています。
国連での・・・進展がありません。
軍事行動はともかく、とりあえずなにか行動が必要です。
なんのために・・・・国民の期待に応えるためにです。
もっとも数日前の日経新聞によりますと、経済制裁論議が起きてから日朝間の貿易額は六分の一に激減したそうです。数日前の日経新聞では実質的経済制裁は始まっていると書いていましたね。
先生のおっしゃることももちろんです。日本だけでは完全ではないでしょう。北朝鮮と韓国の貿易額が増えていると昨日韓国が広報していました。といっても月数億のオーダーでしたが。利益あるところ人間は動くでしょうね。日本から盗品の自転車とか家電リサイクルから横流しとか北朝鮮だけでできるはずがなく、金に目がくらんだ日本人が悪事を働いているわけですし。
北朝鮮も語るところが日々変り、核開発を進めるといったり、北朝鮮が核開発は停止したにもかかわらず日本が長距離ミサイルを開発をしているといったり、わけがわかりません。

私はアジテーターです。
先生は兵法家です。ぜひ北朝鮮を二国間協議や6カ国協議にでてくるような作戦を授けてください。
それができなければ兵法家ではなく、評論家ではないでしょうか?





水城先生からお便りを頂きました(05.03.26)
こんばんは。
兵法家ではなく評論家の、水城平四朗というものです。
それでは始めますが。
失礼ながら、佐為さんは、私の言うことを全く理解していないように見受けられます。

例えば、「戦略的な思考」について。
それについては、私の方の掲示板で、ちゃんと説明していたはずです。

<以下、再掲>
まず第一に、目先のことだけを考えていてはいけないって事です。
広く大局を見、そして先々のことを考えて行かなくては。
第二に、自分のことだけを考えていてはいけません。
相手は、高度な知能を持っている連中なんです。相手は何を考えているのか、ということは常に意識しておかないと。
そして第三には、自分の願望だけを考えていてはいけないと言うことです。
何をしたいのか、ということの他に、何が達成可能なのか、しっかり足を地につけて考えなければ。
<以上。ただし、実行可能→達成可能と訂正>

ここでは、たいして高度なことを論じているんではなく、もっとも当たり前な話をしているわけです。
つまり、もし北朝鮮に経済制裁を行うなら、
  その目的は何か?
  その効果はどのようなものか?
  成功の見込みは?
  失敗した場合にはどうするのか?
などなどを、きっちり考えておかなければならないって事です。そしてもちろん、他の手段より有効なのか?ということも。
とにかく、ここでの「戦略」という言葉は、「戦術」と区別されるものではありません。
そして、こちらは常識ですけれども、そもそも「戦争とは政治の延長であり、政治とは戦争の延長である」以上、政略と切り離された戦略もあり得ません。

そして私の意見ですが、これは既に記しています。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1217/se_10_02.htm
また、こちらとか。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1217/se_10_01.htm
こちらにも(ここは色々書いてますけど)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1217/se_08_01.htm
これを読んでいるのであれば、さらに説明する必要など無いと思うんですが。
とはいえ、色々説明の不足とかあるとは思いますし、その結果として誤解が生じているところもあろうとは思いますけど……

そして、これも以前言ったことですが。
要するに私はこういっているわけですね。「経済制裁が成功する見込みはない。
だから、それよりも『対話と圧力』路線を続けるべきだ」と。そして、これはちゃんと説明しています。なぜそうなのか、ということは。
これに対して佐為さんは、説明自体を行っていません。なぜ経済制裁すべきなのか?ということについて。そりゃまあ、アジテーターにそんなものは不要でしょうけど。

ですけどね……
もし佐為さんが、私の論が間違っているとお考えなら、「これこれこの部分が、このように間違っている」と説明してみせるべきです。
それが出来ないのであれば、議論としては、佐為さんの負けですよ。「ワシは納得出来ん!」と叫んだところで、それは負け惜しみです。
でもま、机上の空論に属する議論でしょうけどね。

あとそれから。
北朝鮮は、おそらく六カ国協議には出てくるでしょう。中国がそうさせるでしょうから。
とはいえ、その後どうなるかは分かりませんけど。

拉致事件の方は、ですね。
こちらは、たとえ経済制裁したとしても、進展しないでしょう。
する可能性があるとすれば、六カ国協議がなんらかの合意に達した後だろうと私は読みます。現在の状況ではね。
それから、これも私のホームページに記したことですが、もしかしたら北朝鮮自身にも解決できない状況となっているのかもしれない。この点も、考慮しておく必要があるかと思います。

そして、もうひとつ。
私は、「『対話と圧力』で北朝鮮に当たれ」と言っているわけですよ。そして、「戦争という事態も覚悟しておく必要がある」とも述べています。

それは、「なにもしない」とは決定的に違うんです。
「ただ耐えるだけ」ともね。

いいかげん、理解していただけません?
兵法家の水城先生、ご指導ありがとうございます。
正直言いまして、先生の戦略が見えません。

北朝鮮は、おそらく六カ国協議には出てくるでしょう。中国がそうさせるでしょうから。
とはいえ、その後どうなるかは分かりませんけど。


それが戦略なのでしょうか?
先生は戦略とおっしゃっているのですから、あらゆる可能性を考慮し、それに対する方策をお願いします。

私は、「『対話と圧力』で北朝鮮に当たれ」と言っているわけですよ。そして、「戦争という事態も覚悟しておく必要がある」とも述べています。

つまり何をどうするのでしょうか?
頭の出来が悪くてすみません。

ひとつだけ、
経済制裁の効果があるか・ないか?
北朝鮮があれほど経済制裁に負けないぞ!と大声で叫んでいるところを見ると、ありそうですね





水城先生からお便りを頂きました。
(05.03.28)
こんばんは。兵法家だか評論家だか分かりませんが、水城というものでございます。

それでは、とりあえず質問ですが。
いやその、私には本当に分からないんです。
佐為さんが、何をどのように考えて、北朝鮮に経済制裁しろと言っているのか。
先にも書きましたが、例えば平沢議員の意見は非常に明確でした。
「経済制裁に効果はない。しかし日本の決意を示すために行うべきなんだ」という。
しかし佐為さんの場合、言っているのはただ「経済制裁しろ」という結論だけです。
そちらのホームページの『北朝鮮経済制裁』も、良く読むと冒頭と結末がまるで食い違っています。これでは何が言いたいのか、さっぱり分かりません。
で、次にちょっと文句なんですが。
前回、佐為さんは、「どうやって北朝鮮を六カ国協議に出させるのか」なんて質問したはずです。
その質問に、私は答えたわけです。「中国がそうさせるだろう」と。
こういう話の流れだったでしょうに、それを「それが戦略なんですか」はないですよ。
それから、私の意見ならば、それは既に記しています。それを読んでいれば、もうお分かりのはず。
経済制裁にしたって、「効果はあるだろう」とは私も言っています。
ただし「それは決定打にはならず、問題の解決にも役立たない。逆効果になるだろう」ってことで。
それに反論したいのなら、ちゃんと論拠をあげて説明してくれないと、分かりません。

こんばんは。
何者だかよく分かりませんが、水城というものでございます。
まあその、とりあえず、経済制裁についてまた拙文をしたためてみましたので。
よかったら、見てやってください。ぱぱっと書いてしまったので出来は?かもしれませんが。
佐為さんの方の記事で、最後の方にヤルタとかポツダム宣言とかいう文言が出てきますけど。
しかし実は、現状がまさしくそのような状況であると、私は見ます。
まあ要するに、今の北朝鮮は、もう破綻しているわけですね。しかも、それを立て直す見込みはない。
だから北朝鮮にとっては、喉から手が出るほど外国からの経済援助が欲しい。それが得られなければ、破滅あるのみでしょうから。
逆に外国(まあ、ここでは「北朝鮮と非友好的な国」ってことですが)にしてみれば、今は北朝鮮の脅威を除く絶好の好機ってことになるわけですね。
「そうかい、経済援助が欲しいのか? じゃあ、かわりに牙を捨てなよ」ってこと。
だから素直に行けば、落としどころはひとつしかないわけです。
つまり、北朝鮮は国際協調路線に変換し、諸国にとっての脅威ではない存在へと生まれ変わる。その代償として、諸外国は経済援助を行う。
と、そういうところに。
佐為さんは、「このまま何もしなければ事態は悪化するだけだ」なんて言っていますけど、それは誤りだと私は思います。 つまり、事の始まりから今まで、もっとも根本的な状況は、全く変化していないんです。
また、今後変わるとも思えません。それはすなわち、北朝鮮が自力で立ち直る場合にのみ、起きることですから。
そして諸般の状況から判断するに、上記の落としどころを目指すのが、日本にとって最善であると考えられます。
故に、「対話と圧力」をもって、北朝鮮をそこへ誘導するよう努めるべきだ。
というのがまあ、私の基本的な考えです。
ところが、ここが現実の難しいところ。ここに紛れが存在するわけです。
つまり北朝鮮にとっては、瀬戸際外交ですね。
ま、ここもやたらとややこしい話になるわけですが、要は北朝鮮の恫喝って事です。「このまま行くと戦争になるぞ」という。
「ああ、そりゃもちろん、戦争になったら北朝鮮は破滅するさ。だが、その時にはおまえさんたちだって、無傷じゃ済まないんだぜ。そんなことにはなりたくないだろ?な、だからちょこっと譲歩してくんなよ」とまあ、こんな脅しですね。 そして北朝鮮がそういう戦略をとった場合、反北朝鮮陣営にとっては、取るべき戦略はふたつにひとつなんです。つまり、北朝鮮に譲歩するか、あるいは北朝鮮同様の瀬戸際戦略で対決するか。
それでまあ、譲歩なんかは論外でしょ? となれば、とるべきは北朝鮮との対決って事になる。
だから、「北朝鮮との戦争も覚悟して事に当たるべきだ」と、私は既に言っていますね。それは、こういう意味なんです。ま、虎穴に入らずんば虎児を得ずってとこですか。
ただし……
両者がそういう方針で進んだ場合、その結末はたったひとつしかありません。戦争です。当たり前ですね。
そしてそうなった場合、これも以前に書きましたけど、日本の一般国民がその犠牲になる。何にも悪いことをしていないサラリーマンやOLや老人や子供が。
だから、できればそのような事態は回避したい。
というわけで、ここで非常に高度な戦略が要求される訳なんです。
北朝鮮には妥協せず、敢えて戦争の危機にぶつかっていく。しかし、なおかつ実際の戦争は回避したい。と、そういう。
まあもっとも、別に難しい話ではないんですね。
まあ要するに、北朝鮮の意志をくじけば良いんだって事です。
つまりは、「対話と圧力」ですね。
すなわち、「北朝鮮を滅亡させる意志はない。我らの間の諸問題が解決した後には、北朝鮮の経済援助を行い、北朝鮮は存続させる」ということを明確にし、そのメッセージを北朝鮮に送り続けること。
しかし同時に、不当な脅しには絶対に屈しないことも宣言し、備えを固める。
これが基本となります。それにより、北朝鮮の意志をくじこうというわけです。
(余談ですが、だから日本は自衛隊をイラクに派遣しなければならなかったわけですね。対北朝鮮戦略を考えれば、どうしても日米関係を密接なものとし続ける必要があったと言うことで)。
また、この意味において、北朝鮮を追いつめてはいけないって事になります。
だって、「どのみちこの先には破滅しかないんだ」なんて事態になったら、やっぱ、やけくそで最後の報復攻撃に出るでしょ?違います?
そしてこれは、孫子の兵法で言うところの、「囲む師は欠く」なんですね。
まあようするに、逃げ道がないとなれば、人間は必死になって戦う。そんなやつを相手にしては、自軍の損害も大きい。だから、敵を完全に包囲することは避けろ。必ず逃げ道を空けておけ。と、そういうことです。
そしてこれは敵のことを思いやってのことではないんですね。あくまで、自分の被る損害を減らし、効率よく勝利すること。これが目的なんです。
ただし……
そのような手段を講じれば、確かに戦争の危機は減少するわけです。少なくとも北朝鮮が正しい判断を下すなら、絶対に戦争にはならない。
しかし難しいのは、そうなる保証はないって事です。北朝鮮が誤った判断を下してしまう可能性は、決してゼロにはなりません。
このあたり、人間業ではどうしようもないことなんですが。

(05.03.31)
それでは、日本は現在、どんな手段を取るべきか?
ま、それを考える前に、現在はどんな状況なのかと言うことを、再確認しておく必要があるでしょう。
それでまあ、ここで話は冒頭に戻るわけです。すなわち現状は、ポツダム宣言当時の状況に近いと言える。
つまり、当時の日本が連合軍の攻撃によって破滅に瀕していたのなら、今の北朝鮮は自らの失政によって破綻している。
当時の日本に与えられた選択肢は、降伏か、最後まで戦うかの、ふたつにひとつ。
そして今の北朝鮮の場合も、要求を受諾して更生するか、蜂の一刺しで最後の報復攻撃を行って滅びるか、ふたつにひとつ。
とまあ、そういう状況にあるといえるでしょう。要点だけを押さえれば。
ちなみに、日本の場合、国体護持にこだわって、なかなか降伏しようとはしませんでした。そして今の北朝鮮は、体制の保証にこだわっているわけですね。このあたりも、なんだか似通っているように思います。
と、ちょっと話がずれかけましたが。
なんにしても、次は北朝鮮が選択する番であり、日本など反北朝鮮陣営は、その選択を待っているという状況と言えるだろうと思います。 別に焦る必要はない。北朝鮮が逆転の一打を放つ可能性など、ゼロなんですから。
そして、ここで考えなければならないのは、北朝鮮がどちらを選ぶかは分からないって事です。
もちろん、「降伏」を受諾するのが、北朝鮮にとっても最善でしょう。しかし、その最善を選択するという保証は、どこにもない。そして、北朝鮮が戦争の方を選んだ場合、被害は日本にも及ぶ。
だから、北朝鮮が「降伏」を受諾しやすいよう、し向けてやる必要はあるだろう。
そう、私は思うんです。
だから結論としては、北朝鮮に経済制裁はすべきでない。
なぜなら、それは北朝鮮へのメッセージとなるだろうから、です。「北朝鮮の存続は認めてやる」と、そういう。もちろんその後に、「そのかわり、こちらの要求は飲むんだぞ」が続くわけですが。

水木先生、ご教示ありがとうございます。
出歩いておりましてご返事が遅くなりすみません。
私は先生のように長い文章が書けませんので短い文章ですみません。
対話と圧力とおっしゃいますが、圧力としてなにを行うのでしょうか?
先生の戦略は対話と対話のように思えます。

それといかなることにおいても時は金なりです。

2005/03/31(木)朝鮮中央通信
北朝鮮外務省報道官は31日、談話を発表し、同国核問題を巡る6か国協議について「我々が堂々たる核兵器保有国になったからには、6か国協議は当然、参加各国が平等の姿勢で問題を解決する軍縮会談とすべきだ」と主張した。 核保有の既成事実化を図って米国と対等の交渉力があると強調しつつ、一方的な核放棄には応じない立場を改めて示す狙いと見られる。
北朝鮮は、2月10日の外務省声明で6か国協議の無期限中断と核保有を宣言。
中国などが協議に復帰するよう説得を続けているが、北朝鮮は譲歩せず、協議再開のメドは立っていない。
これがブラフなのか真実なのかわかりませんが、事実ならもはや6カ国協議の前提が崩壊しています。放っておけば北朝鮮の核開発は今より更に進むことは間違いありません。
北朝鮮の核開発に韓国の企業から金が流れていたという報道もあります。韓国とアメリカの疎遠な関係を考えると、時間がたつほどに北と南の連携も強くなるでしょう。

論点を改めて確認します。
私は戦略家とか兵法家を自称しておりません。私の北朝鮮経済制裁論を水木先生は稚拙であるとおっしゃいました。そのとおりでしょう。反論はしません。
しかし、先生にお聞きしたいのは、このような北朝鮮の動きに対応した戦略を示してほしいということです。
 戦略というならば、
北朝鮮が核兵器の実戦配備をしたときどうするのか?
テポドン発射実験を再開あるいは核ミサイルの実戦配備をしたときどうするのか?
ありとあらゆる可能性について対応を考慮するのではないですか?
そしてその戦略に応じて兵器も軍の組織編制も基地の配置も変わってきます。
ホリエモンはやせ我慢かもしれませんが、交渉が思わぬ方向に動いても「織り込み済み」「想定内」と語っていました。
私は戦略とはそういうレベルのものかと思っただけの話です。

水城先生からお便りを頂きました(05.04.03)
こんばんは。
水城というものでございます。
それでは続きです。長くなりますので、分割してメールします。
では、失礼とは思いますが、最初に批判から入らせていただきます。
佐為さんは、「何もやらないよりは、やった方がマシだ」と主張されてます。
しかしそれは、理屈の上では完全な誤りです。
つまり、それがとんでもない愚行であるなら、何もしない方がまだマシってもんでしょう?
ですから、「何もしないくらいなら、経済制裁した方が良い」なんていう佐為の論は、そもそも成り立たないんです。
「これこれこういう論拠がある。だから、やるべきなんだ」という説明がない限りはね。
しかし佐為さんは、そういう説明を全くしていません。
先にも書いたかと思いますが、現状をどう分析するかという洞察もない。
この先、事態はどう推移していくのか?という予想もない。
現実に達成可能なのはどのようなことか、そしてそれを実現するために経済制裁はどう有効なのか?これらも全く記述していない。
上辺だけはもっともらしい文言を並べ立て、いかにも説明しているかのように偽っているだけです。
そりゃまあ、佐為さんは、ご自分をアジテーターだと言っておられます。
無知な大衆の情動に訴えて扇動してやろうというのなら、理屈も説明も何もいらないわけですけどね。
しかし、それは真摯に天下国家を論じようという人間の態度じゃ、ないですよ。

これまた失礼と思いますが、前回の批判に続いて、今回は不満です。
そもそも私は、戦争論だけでホームページを作っているような人間です。
お忘れかもしれませんので、一応リンクを紹介しておきますね。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/1217/
http://members.at.infoseek.co.jp/h_mizuki/

そして、これらのホームページは、いずれも理詰めの記述を旨としています。
ええ、それはもう、理路整然と、きっちり筋道たてて、説明しているはずですよ。
自分で言うのも何ですけども。
で、そのようなホームページを作っている人間が、「まだ、北朝鮮に経済制裁すべきでない」と、言っているわけなんですよ。
ということはつまり、「今回もちゃんと論拠があって、そう言っているんだろうな」とは、察しがつくことでしょう。 そして、全くその通りなんです。
私は、何の根拠もない思いこみを並べ立てているんじゃありません。
あくまでも理詰めの考察を、述べているんです。
ところが佐為さんは、それを頭ごなしに否定しようとしていますね?
いや、筋道たてた反論なら、私だって拝聴しますよ。
しかし、佐為さんのは、そうじゃないです。
ただの思い違いに過ぎないんです。
この点、私は非常に不満です。
などとまあ、大口をたたいてしまいましたけど。。
けれど、私も人間である以上、過去に色々誤りも書いており、あんまりエラソーな事を言えた身分でもありません。
この点、割り引いてくださいますよう、お願いします。
今回もまた誤りかもしれないわけですから。

以前、戦略的思考とはどういうものか、説明しましたね?
そのひとつとして、「現状を正しく分析する」というのがあったと思います。
それでは、今現在の北朝鮮を巡る状況はどうなのか? 例の北朝鮮の宣言の前と後で変化したのか?
というと、本質的には全く変化していないと、私は見ます。
まず、北朝鮮の核兵器なんざ、初めから想定内だって事です。
前回のメールでも説明しているでしょう。「北朝鮮は、瀬戸際戦略をとってくるだろう」なんて。忘れましたか?
今回のことは、本質的には、「戦争」という文句が「核兵器」に変わっただけのことです。そしてアメリカは以前から、「当初から想定している」なんて声明しているでしょう。
つまり、これにより状況は何一つ変わってはいません。(ま、アメリカが密かに方針転換している可能性も、万に一つはあるでしょうけど……)
では、その本質的状況とは何か?
というと、これは北朝鮮の苦境でしょう。もはや破綻しており、外国からの援助がなければどうしようもない。
しかし、素直に詫びを入れて経済援助をもらえばいいものを、北朝鮮は敢えて強硬に出ようとしている。ま、前回も説明した瀬戸際戦略というやつですね。
では、これに対する反北朝鮮陣営が進むべき道は?
というと、これも前回説明したとおり。
第一に、北朝鮮には妥協しない。(その結果戦争になっても、やむを得ない)。
第二に、しかし出来ることなら戦争は回避したい。だから、そのような方向へ北朝鮮を誘導したい。
とまあ、そういうことですわ。
たとえて言うなら、ですね。
戦争を始める前に、もはや勝負はついてしまった。そして今、北朝鮮の有条件降伏交渉を行っている。
しかし北朝鮮は、その交渉を有利に進めるため、殊更に強硬姿勢を取って見せている。
適切な例えか分かりませんが、そんなところだろうと、私は見ています。

そして、このゲームの結末は二つにひとつだろうと、私は考えます。
ひとつは、北朝鮮が「すんませんでした」と詫びを入れて終わる。
もうひとつは、戦争です。
そのどちらになるかは、まだ分かりませんが。(それを間違いなく予測できる人物は、たぶん、この世にはいません)。
そして戦争になった場合、火の粉が日本にも飛んでくることは、間違いないでしょう。だから、それは可能な限り回避したい。
では、日本はどうするべきなのか?
というと、「対話と圧力」でしょう。
とはいえ、ここは説明が足りなかったですね。思えば。
つまり、殊更に圧力をかける必要なんざ、ないでしょう?北朝鮮は、そうでなくても自滅寸前なんですから。
そして日本は、その北朝鮮に、経済援助を約束していたでしょう(たしか)。ただし、日朝間の諸問題が解決した後に。
全然適切な例えじゃないと思いますが、例えば三日三晩何も食っていない北朝鮮の前に、カユをもった日本が立っているようなもんじゃないですかね。「おお、そうか、このカユがほしいのか、じゃあ、この要求を受諾しろ」ってとこで。
しかし北朝鮮はそれを拒否するかもしれない。拒否して、四日目の断食にはいるかもしれない。
しかし日本は、あわてず騒がずカユの用意をして待っていればいい。「ほら、ちゃんとカユは用意してあるんだ。そちらが素直になってくれさえすれば、振る舞ってあげられるんだよ」ってね。
そして、ここでも北朝鮮は拒否し、五日目の断食にはいるかもしれない。そして次の日も。……しかし、あと何日耐えられるでしょうね?

ただし、ですね。
そういう状況におかれた北朝鮮は、そのまま大人しく屈服するとは限らないわけです。窮鼠猫を噛むで、なんらかの手段は講じてくるでしょう。
つまりは、このまま行くと戦争だぞという脅迫ですね。あるいは実際の行動を伴う。
それにはどう対処すればいいのかというと、ひとつは日米同盟の堅持でしょう。
それにより、「日本を攻撃した時には北朝鮮は破滅だぞ」という状況を作っておく。
とはいえ、瀬戸際戦略というゲームの特性上、それだけでは完全に北朝鮮の暴発を防ぐことは出来ません。
もうひとつ、やらなければならないことは、メッセージを送ることです。我々は北朝鮮を滅ぼそうとは思わない、問題が解決した後には経済援助も実施する、ということを。だって、どのみち逃げ道がないとなれば、これはやっぱり「窮鼠猫を噛む」になっちゃうでしょう。

で、ずいぶんと長くなってしまいましたが、経済制裁すべきでないと私が思うのは、それが理由です。
つまり、あえてやらないことが、北朝鮮へのメッセージになるだろうって事なんです。それにより、北朝鮮を誘導できる見込みが高まるだろう。すなわち、戦争への可能性を減少させ、我々の目的を達成する可能性を増大させることが出来るだろう。
と、そういうことです。

そして、改めて言いますが、それは北朝鮮のことなんか、全く思いやってはいないんです。ええ、もう、これっぽっちも。 また、それはあくまで「現在の状況を考える限り」ってことです。あるいは、この先、経済制裁すべき状況に変わるかもしれません。それがどういう状況かは、以前に述べたとおりですが。

では改めて説明しますけど、現状での「対話と圧力」とは、どういうことか?
私が思う限り、現時点での「圧力」とは、「北朝鮮の脅しには屈服せず、北朝鮮と安易に妥協しない」ってことです。
破綻状態の北朝鮮に対しては、これだけで十分な圧力となります。
そして「対話」とは、実質的には「これこれの条件が満たされたなら、我々は経済援助を行う。ある程度は、そちらの話も聞く。だから、さっさと屈服しろ、北朝鮮!」ってことです。
すなわち北朝鮮にとっては、有条件降伏交渉に近いだろうと、私は見ています。
ただし、無条件ではない以上、北朝鮮の言い分もある程度は聞かなくてならないわけです。これは、やむを得ないこととして。だから、何らかの形で体制の保証はしてやる必要があるかもしれないと、私は思います。

こちらもなんだか疲れてきましたが、それでも続きです。
まあその、いろいろ書いてきましたけど……
私には、佐為さんは、考えるべきポイントを見失っているように思えます。
自分自身の思いこみにとらわれ、広く大局を見ることを忘れているかのように。
あるいは、上辺だけ見て、物事の本質を見抜くことを忘れているかのように。
佐為さんは、北朝鮮の核を心配していますね。
では、北朝鮮が核兵器を配備したら、北朝鮮の経済は復活するんですか? するわけがないでしょう。北朝鮮が「すんません」と詫びを入れて経済援助を得なければならない状況は、まったく変わっていません。
それとも、北朝鮮が核兵器を脅迫に使うとでも? 「日本に対する攻撃は、アメリカ本土への攻撃と見なす」ですよ。そしてアメリカが、北朝鮮ごときの脅しに屈するはずがないです。
そして、北朝鮮が核兵器を持っていたとしても、それを実用段階に持って行くには、まだまだ時間が必要でしょう。果たして北朝鮮の現体制は、その時まで存続しているのか?こうまで国家が破綻した状況では、軍のクーデターも心配しなければならない状況のはず。
逆に質問しますが、佐為さん。経済制裁を行ったら、北朝鮮の核開発を止められるとでもお考えですか?だとしたら、それはちょっと甘いですよ。
ニュースで流れていたのを見ませんでした? 「北朝鮮軍部の強硬派は、日本の経済制裁を口実として、核実験に踏み切るかもしれない」なんていうのを。
つまり、経済制裁こそが、北朝鮮の核配備を促進するかもしれないんです。すなわち、日本が経済制裁することこそ、実は彼らの思うつぼなのかも。

ずいぶんと長くなってしまい、読むのもお疲れだったでしょう。どうもすみません。
いや実は、書いている私も疲れました。なので、ひょっとして意味不明の箇所など有るかと思います。
けど、とりあえず、今回はこれでお終いです。

まあ、なんですね。
いろいろと、ややこしいことを書いてきたわけですが……
まあ要するに、状況は、北朝鮮との戦争も考えなければならない事態にあると、私は見るわけです。
そうなればもちろん、日本人の血が流されますね。テロやミサイルによって、この日本本土で、多くの犠牲者が出ることに。
そうなっても構わないのか?
と、まあ、そういうことですね。
だから戦争は回避したい。
しかも、単純に回避するのではない。北朝鮮を屈服させ、こちらの目的を、完全ではなくとも十分に達成した上で。
だから、話は複雑になっていくんです。それこそもう、やたらめったらと複雑に。
そして、北朝鮮に経済制裁すべきか否か?なんてのは、実はたいして重要なことではありません。。
真に重要なのは、その複雑さを十分認識し理解することの方です。
それでは、なにか疑問がありましたら、また質問してください。
佐為さんの質問には全て答えたと思いますが、「これについては、まだ説明してないぞ」というのがありましたら、どうか指摘してください。

それはもちろん、私だって、とんでもない間違いをしているかもしれない訳ですから。
というところで、ひとつ書き忘れに気がつきました。
佐為さんは、「いかなることにおいても時は金なりです」なんてメールに書いてましたね。
しかしそれは、真実の半分に過ぎません。
残りの半分は、「急いては事をし損じる」です。
繰り返しますが、この世というものはやたら複雑です。
その複雑さを十分に理解していないと、人を納得させるような議論は出来ませんよ。
水城先生、ご指導ありがとうございます。
先生は北朝鮮経済制裁について微に入り細に入り大いに論じられていますが、私の文章をよく読んでいらっしゃらないのではないかと懸念します。
私は自説が稚拙であると認めています。先生のように深く広く考えておりません。そう申しているではないですか?
私が先生に疑義を呈したのは、先生が語っているのが <戦略であるのか否か> であります。先生の戦略というものの認識と私の考える戦略が異なっているのではないかということです。
もちろん兵法家であらせらる先生は十分その定義を承知していらっしゃるでしょうけど、アジテーターの私が間違っているのかもしれません。
というわけで改めて戦略とは何か?を調べてみました。
戦略とは古来からある日本語ではありません。中国語でもない。
これはStrategyの翻訳語です。ではstrategyとはなにか?といくつかの英英辞典を調べてみました。
  • A plan or method for achieving a specific goal.
    特定の目標を達成するための方法または計画
  • The action of planning how to do or achieve something.
    何事かを実施又は実現する方法を計画する行為
  • The science or art of planning and directing large-scale military movements and operations.
    大規模な軍事行動および作戦を計画したり指揮する学問または技量
  • The use of a stratagem.
    策略を用いること
要するに何事かを達成するための目論見(もくろみ)でございます。
戦略とは情報収集でも考えることでもなく、希望でも願望でも夢でもなく、己の意思を実現するための「実行可能な手段と方法」であるようです。
もちろん実現するための手段といいましても、通常戦略とか戦術とか階層を分けて用いられ、戦略とは最上位の大まかな設計図として使われています。

私の理解を申し上げますと、目指すところが明確にあり、それを実現しようという意思を具体化した手順あるいは計画であるということでしょう。
WILLないところに戦略はなく、目指すところが明確でなければ戦略はありません。
それはいかなる障害があろうとも、目指すところを実現するためのきわめて多くのバリエーションを持つ(単数あるいは複数の)プログラムとなるでしょう。同時に、相手の出方次第で臨機応変、流動的な対応ができなくてはなりませんが、目指すところを決して放棄しないものであるでしょう。

ここまで間違いはないでしょうか?
とすると、北朝鮮に対する戦略ですが、先生は北朝鮮は生かさず殺さずに管理することが目指すところなのでしょう。私の目指すところは北朝鮮という独裁専制国家を解体し、中期的には民主主義による国家としたいというものです。
目指すところは人それぞれですから良い悪いはないということにしたいと思います。
ここでは戦略とはなにかを論じています。
そうしますと、目指すところを実現しようとすると、それは芝居のシナリオとはことなり、一通りのストーリーではなく、さまざまな分岐を持つプログラムとなることでしょう。
今現在置かれている状態から目指すゴールに向かって何かアクションを取るごとに、北朝鮮の反応、中国、韓国、ロシア、アメリカの対応が跳ね返ってきまして状況は千変万化します。
しかし、ゴールを目指す戦略はそれらの変化要因に関わらずこちら側がフィードバックをかけて進路を元に戻し万難を排してゴールを目指すものでなければなりません。
個々の戦闘場面においては撤退や転進があるでしょうけれど、一般方向としては決して目指すところを放棄しないこと、それが戦略です。それは他力本願ではないのです。
相手がどうしようと、「織り込み済み」あるいは「想定内」でなければ、戦略の定義を満たさないことに同意いただけますでしょうか?

私は <先生が唱える戦略> がそういう条件を備えていないことに脱力したと書いているのです。


水城先生からお便りを頂きました。
一切のコメントをつけずにご投稿いただいたとおりにアップいたします。
改行が多いところもありますが、水城先生の書かれたとおりとしております。
05.04.10
こんばんは、水城です。

たびたび申し訳ありませんが、また文句です。

以前、改行の件について、文句をつけましたね。しかし、結局、訂正されていないようです。これは不満です。

そして今回は、前回の5通のメールですわ。あれ、一通のメールとして記載されてますでしょう?わざわざ分割して送信したんですから、5通のメールとしてアップしてくれないと、意味が通じにくくなると思います。

たびたび申し訳ありませんが、善処をお願いします。
まあ、どうも取り合ってはくれなさそうですが、文句をつけるだけはつけておきます。

それから、もうひとつ。
「私的レポート・太平洋戦争」へのリンクが、わざと削除されています。
http://members.at.infoseek.co.jp/tou46/
佐為さんだって、過去の歴史を例にとって、話を進めようとしていたでしょう?
ならば、同じく歴史を語っているこのホームページへのリンクは必要だろうと、私は思っております。

ところで、佐為さんは「北朝鮮経済制裁」で、「経済制裁されて暴発した国はあるのか?」と書いてますね。
それに対し、私は答えました。「日本帝国がその例だ。日本が対米戦を決意したのは、石油の禁輸を実施されたからだ。ハル・ノートによってではない」と。
これは、納得していただけましたか?
これも、「私的レポート・太平洋戦争」に記述していますが。


05.04.10
こんばんは、水城というものです。

今回は趣向を変えて、「もしもこんなアジテーターがいたら……」



アジテーター佐為「北朝鮮に経済制裁するんだ!」

兵法家水城「えーと、どのような論拠から、そう考えるんでしょうか?」

佐為「分からん。分からんが、やらんよりやった方がマシなんだ!」

水城「そんな、乱暴な。かえって事態が悪化するかもしれないじゃないですか」

佐為「いや、そんなことはない。何の根拠もないが、事態は改善するに決まってる!」

水城「無茶苦茶ですよ。『急いては事をし損じる』です。もっとよく考えましょう」

佐為「いいや、『時は金なりだ』!今すぐやらなきゃ駄目なんだ!」

水城「だめだ、こりゃ」





以上、お気に障るようでしたら、すみません。

でも、佐為さんの論は、まさしくそういうもんでしょう?
だって、もっともらしい文言を並べてはいても、実際には何一つ説明してないんですから。





ところで、昨日のメールですが……

佐為さんは、「私は <先生が唱える戦略> がそういう条件を備えていないことに脱力したと書いているのです」といってますけど。

でも、「そういう条件」もなにも、私はこれまで、ことこまかに説明してきたはずです。
現状は、ちゃんと分析している。北朝鮮がどんな手を打ってくるかも、予測している。それへの対抗策も、考慮済み。
それをちゃんと理解していれば、私の論がまさしく「戦略」であることは、先刻ご承知のはずでしょうに。

まあ、その、ですね。
佐為さんが言っているのは、「貴方の意見は、私の意見とは違う。だから貴方の意見は間違いだ」ということに他ならないと、思います。もっともらしい屁理屈を並べてはいても。


05.04.11
こんばんは、水城というものです。

えーとですね、もうちょっと説明する必要があるかな?と考え直しまして。





前回のメールで、佐為さんは「戦略」について、あれこれ書いていますね

そしてそれは、良く読むと二段階の記述になっています。
前半は、辞書から引用した、一般的と思われる「戦略」についての解釈。
しかし後半は、佐為さんが独自に拡大解釈した、佐為式の解釈。

しかも佐為さんは、巧妙な詐術を使っています。
その一般的解釈にうまく自己流解釈を続けることにより、自己流解釈があたかも一般的なものであるかのように錯覚させる。そういう詐術です。

で、佐為さんは、自己流の佐為式解釈に従って、私の意見を批判しているわけですね。その前に掲載している一般的解釈ではなく。

つまり佐為さんが語っていることは、
「水城の意見は『戦略』ではない。なぜなら、それはワシ(佐為)の解釈とは違うからだ」ってことに他ならないんです。

すなわち、自分の主観が全ての判断基準になってしまっているんです。
佐為さんは。



────────────────────────

ついでに、もうひとつ指摘です。

佐為さんは、こう言ってますね。
「個々の戦闘場面においては撤退や転進があるでしょうけれど、一般方向としては決して目指すところを放棄しないこと、それが戦略です」
これって、「いったん決めたら、それをとことん遂行しろ」ってことでしょう?
つまりは。

そして日本は、「対話と圧力」と決めてますね。小泉総理が明言してますから。
また、平壌宣言なんてのもありましたね。お忘れですか?
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/n_korea_02/sengen.html

で、佐為さんのお説に従うなら、これを変えてはいけないと言うことになる。
どこまでも「対話と圧力」で進み、最終的に日朝国交正常化を実現しなければならないことに。

しかるに、佐為さんの主張は、それとはまったく別ですね。
矛盾してますな。





要するに、佐為さんの言いたいことは、こういう事になってしまうんですよ。

「自分(佐為)の言うことだけが正しく、他は間違いだ。だからワシの言うことを実行していれば良いんだ」
何の論拠もないまま自説を主張し、他人の意見を否定している以上はね。

これでは教祖様ですよ。
佐為真理教でも立ち上げては如何ですか?
冗談ですけどね。

しかし今回の事に限って言えば。
佐為さんの態度は、まさしく狂信的な左翼と一緒なんですよ。何の論拠もないまま自説を吹聴し、しかし一見もっともらしい文言で上辺だけは飾り立て、いかにも正論であるかのように偽装する。このような態度が。

ご自分で気がつきません?
それとも、無知な大衆を扇動するため、意図的にそうしているんですか?

どうせ聞く耳持たずでしょうけど、それは真摯に国のことを考える人間の姿勢じゃないですよ。



ほら、『疑ってこそ私たちは真実に到達する。』と、そちらのトップページにも記されていますね。
他人の意見を疑うだけじゃなく、自分自身をも疑わなければ、駄目ですよ。自分は絶対に正しいのだと思いこんでしまうようではね。



─────────────────────────
それでは、次に質問その1。
ま、質問したいことはいくらもありますけど、とりあえず。


佐為さんは、「このままでは事態は悪化していくだけだ」と叫びたててますね。
それに対し、私は反論しました。特に悪化したとは思えない、と。ちゃんとその論拠を示した上でね。
しかし、それに対する再反論は頂いておりません。

さて、佐為さん。 この点は、納得していただけたんでしょうか?
それとも、やっぱり事態は悪化していくとお考えなんでしょうか?だとしたら、
どこがどう悪化しているのか、説明していただきたいのですけど?



──────────────────────────

それでは、質問その2です。

私の最初のメールに、こういう箇所がありました。


<以下、再録>

そして、仮に北朝鮮が崩壊するような状況ができあがったとして、北朝鮮が大人しく滅んでいくと思います?
私はそうなるとは思いません。おそらくは蜂の一刺しで、最後の報復を試みるだろうと思います。そしておそらくは、それは軍事施設への攻撃ではありません。
民間人を狙うテロでしょう。他ならぬ、この日本においての。

つまり、北朝鮮を崩壊させるには、この日本の民間人の血を代償として差し出さなければならないって事です。平凡なサラリーマンやOLや学生や老人や生後間もない赤ん坊の血を。

佐為さんには、それだけの覚悟があるんでしょうか?それとも、そうはならないとお考えなんでしょうか?

<以上>


以前、私はこのように、メールしました。しかし、それに対する返答は、まだいただいておりません。
だから、ここで重ねて質問します。

佐為さんは、「北朝鮮を崩壊させろ」と主張されています。

しかしそれは、「いかなる犠牲を払ってでも」という事なんですか?



─────────────────────────

では、質問その3。

これは別のメールでも質問しましたが、ここで改めて。


佐為さんは「北朝鮮経済制裁」で、「経済制裁されて暴発した国はあるのか?」と書いてますね。
それに対し、私は答えました。「日本帝国がその例だ。日本が対米戦を決意したのは、石油の禁輸を実施されたからだ。ハル・ノートによってではない」と。
これは、納得していただけましたか?

それについて詳しいことは、私のホームページ「私的レポート・太平洋戦争」に記述していますので、それを参照していただきたいのですが。
http://members.at.infoseek.co.jp/tou46/


05.04.15

こんばんは、何度もすみませんが水城です。

やっぱり誤解があるかな?と思いますので、またメールです。



つまり、ここが誤解なんですわ。

佐為さんは書いてますね。「北朝鮮に対する戦略ですが、先生は北朝鮮は生かさず殺さずに管理することが目指すところなのでしょう」

ま、ここはまだ語っていないはずなので、誤解もやむを得ないと思いますが。

とにかく私も、民主体制への変革を目指してはいるんです。「現体制の存続」というのは、あくまで「当面は」ということで。

そして私は、それを無血で行いたいと、目論んでいるんです。
そのために、色々とややこしい手間暇をかけなければならないと、思う訳なんです。他の何のためでもなく。

そして佐為さんの主張では、流血の惨事という結末を迎えることになるだろう。
他でもない、この日本人の血が流される事態に。私は、そう判断するものです。

水城先生
出歩いておりましてご返事が遅くなり申し訳ありません。
なにしろ私も飯を食べるためには働かなくてはなりません。
長文ありがとうございます。
言い訳ですが、先生の長い文章をメモ帳でhtmにするのはけっこう大変で悪気はありませんが改行など細かなところに気が回りません。
今回は改行を含めていただいたとおりにアップしたしました。

私は先生からいただいたメールにノーコメントです。
では、失礼いたします。



独り言の目次にもどる