いつも申し上げておりますが、私の趣味といいますか休みにすることといえば家内と出かけることであります。出かけるといっても金のかかる観劇とか美味いものを食べることではありません。あるいはふたつ合わせたディナーショーなんてことはまずありません。私たち夫婦は金を使うことが嫌いな以前に、金がありませんもの・・
歌舞伎も劇団四季も松田聖子ディナーショーも美輪明宏 ディナーショーも・・行ったことがありません。そのうち行きたいとは思っております。

幕張ではいつも何かのショーをやってますが、入場無料でお土産をくれるのがいいです。
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まあ、入場料をとっても低廉な公共の庭園とか博物館が行き先の定番です。
ビッグサイトとか幕張メッセの展示会なんてのもいいですね、入場無料というだけでなく更にお土産がもらえたりします。
貧乏性というか貧乏そのものの私はそういうところが大好きです。
イベントばかりではなく、有名なビルとか通りを見に行くとか、はたまた寺社仏閣に参拝するのもいいですね。お賽銭とおみくじ引く以外はお金がかかりません。
東京都庁の食堂が安くてうまいと聞いているのですが、まだ行ったことがありません。
さて、冬になりますとあちこちでイルミネーションというのを催すというか飾りつけするというのかありますね。なぜ冬なのか? というのがいまいちわかりませんが、夏は暑いから暗いほうがよろしいのでしょうか?
東京に出てきた初めての年、2002年に丸の内のミレナリオというのを見に行きました。
あれには感動しましたね。すばらしいの一言です。
地下鉄で行ったのですが、駅からでるのがまず一苦労でした。ものすごい混雑で、駅の改札から階段からずっと人がつながっていて地上に出るだけでも大変でした。丸ビルの東京駅の方が行列の最後尾でして、行列がカタツムリのようにゆっくりと進んで、丸の内中通りにでるまで約30分かかりました。そこで行列が直角に曲がるのです。遠くに光のトンネルが見えました。
きれいでしたね。
すばらしいものを見るとき、ぱっと出されて驚くのと、遠くに見えてだんだんと近づいてくるというのとどちらが感動するかといえば、遠くから近づいていくのがより感動を深めるような気がします。
マンガの「りざべーしょんプリーズ」(細野 不二彦)の中で夜マンハッタンへヘリコプターで飛んでいく物語がありましたが、機中で乗客が遠くに見える光に近づくにつれて期待が高まる情景がありました。期待すること、少しづつ近づくことが感動を大きくすると思う。
東京に来て早や4年、毎年暮れには家族とミレナリオを見に行っていました。あるとき重工ビル
(今は文科省ビルというらしい)あたりからごめんなさいよと入ったのですが、つまらないんですよ。やはり遠くから光のトンネルに近づいていくという期待感を高める前戯がないといけません。
ところで、06年からミレナリオがなくなってしまいました。
東京駅改装と関係あるのか? あるいは人出があっても丸の内界隈の商店の売り上げに関係ないからでしょうか? エッツ、そんな打算を考えるのは私だけですか?
ということで、06年の暮れはどこに行こうかと老夫婦は相談したのです。
なんていうと深刻そうですが、実際は
「おい、今年はミレナリオないってよ、どこに行く?」
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もっとももしかしたら「おい、ごどしはめれなりおがねえんだどよ、どこさいくべか」というふうに聞こえたかもしれません。
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「ホリエモンの六本木ヒルズがきれいだってテレビで言ってたわ」
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これも同じく「ほりえもんのろっぽんぎひるずがぎれいだっててれびでいってだぞい」とみなさんには聞こえたかも知れません。
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「どうせ出かけるなら1箇所じゃなく、何箇所か見て回ってくるか」
「テレビで映してたとこを見たいわね」
というようなあんばいです。
早速「イルミネーション 東京」といれてググリますと、あっというまにご推薦の場所が判明します。
東京にはイルミネーションの名所が20くらいあるらしい。もっとも出てきたひとつ東京ディズニーランドは千葉県ですし、御殿場にはすごいのがあるそうです。といっても、車がない私たちにとってはちょっと遠すぎる。
とりあえずとして地下鉄と徒歩で行けるところを選んで何箇所か見ることとした。
寒いのではないかと防寒対策はバッシリです。家内は高血圧で私は心臓が悪いのです。いずれにしても寒さは年寄りの敵です。
- まず恵比寿ガーデンプレイス
山手線の恵比寿で降りて、さてどちらに行くのだろうか? と辺りを見回しておりますと、わたしたち同様のおのぼりさんとおぼしき数人連れが「あっちのほうだよね」なんて歩いていくじゃありませんか。その後をつけていけばたどり着くでしょうという他力本願、いいかげんな考えでテクテクと歩きます。
なんか? 変ですよ。だいぶ歩いたのですが目標にたどり着きません。
彼らも方向を間違えたことに気がついたようで交番で道を聞いていました。
私たちはその後方数メートルの所で待機
警官が出てきて直角方向を指差しています。おお、方角を間違えたらしい。
軌道修正を行った彼らを更に追尾しますと、それらしき木々に明かりがついている並木がありました。
「あれえ、貧弱だわね」と家内と話をしながら更に行きますとありました。なんか世界最大級とかいうシャンデリアだそうです。その前では音楽なんて演奏してます。
家内と顔を見合わせてしまいました。
想像していたものよりはるかに小さかったんです。
周りの木々にもイルミネーションがつけられて写真を撮っている人が大勢いますが、こんなもの写真を撮るまでもないような気がします。
まあ、次に期待しましょう。
- 六本木ヒルズ
今度は道を間違えないように地下鉄駅を出る前に地図をしっかりとチェックしました。
六本木ヒルズと言えばホリエモンも住んでいる田舎にも名が通っている名所であります。
きっとそのイルミネーションは東北の田舎者を感動させてくれることでしょう・・・と期待したのです。
地上に出るとまたまたすごい人です。私はお仕事で六本木ヒルズに来たことはありません。いえ、こんな家賃の高いところに取引先は入居していませんから来るようなことは今後もないでしょう。まあ、立派なビルです。
さてビルそのものがイルミネーションの塊のようなものですが、ケヤキ通りというのがすごいらしいのです。それはビルの裏側にあるらしい。とにかくすごい人で歩くのが容易ではありません。あっちに行きたいんだと思っていても、人に押されなかなか願うほうに行くことができません。途中行列があるので何か売っているのかと思って並んだのですが、ビルの合間から東京タワーのハートのイルミネーションが見えるスポットというだけでした。
まさにおのぼりさんです。
コンコースでは女学生のコーラスかなにかをしておりまして、それを聴こう(見よう)という人でものすごい混雑
やっとのことでケヤキ通り到着
確かにきれいですね。ただその長さがちょっと短く、せいぜい200メートル程度でしょうか?
まして道路をヘッドライトを付けた車がジャンジャンと走ってますので、輝きはいまいちというところでした。
でもまだ後がある、次に期待しよう。
- 東京ドーム
地下鉄を乗り継いで、今度は後楽園であります。
事前にインターネットでどのようなイルミネーションがあるのか写真を見て行きました。イルミネーションのドームとか光のトンネルがあるそうです。期待が膨らみます。
恵比寿とか六本木ヒルズほどの人はいませんがまあすごい人です。客層は今までとはかなり異なり、若い二人連れより家族連れが多いようであります。
さて写真で見たドームはどこか? 光のトンネルは?
見当たりません。写真を撮ってくださいと声をかけてきた二人連れのシャッターを押してやってからどこにあるかと聞くとずっと奥のほうだというのですが、そのニュアンスは大したことがないという雰囲気・・・不安がよぎります。
ありました。光のトンネルが・・・まあ、なんといいましょうか、規模が小規模であります。
ともかくトンネルの中を歩いていきますと下の方に何かあります。
家内が「あれがドームなんじゃない?」
「エエ、あれが!」
まあインターネットに映っていたものと同じようではありますが、想像していたサイズの1割くらいのものでありました。
もう次を見る気力はありません。そうそうに東京のイルミネーションツアーは終了といたしました。
家内が言いました。
「仙台のイルミネーションの方が何倍もきれいですね。」
本日の教訓