テロと戦争2001.09.22
テロは戦争じゃない。弾やミサイルが飛び交えば戦争だ!ってわけじゃなくて、宣戦布告があってもなくても、奇襲攻撃でも戦争とは国家間の武力行使ですよ。戦争には少なくともルールがある。守られるか守られないか定かではないが細菌兵器や化学兵器は使っちゃいかん、戦闘員は軍服を着用せにゃいかんとか、非戦闘員を攻撃しちゃいかんとか(第二次大戦末期に某国は守らなかったようだが)・・・
実は私もよく知りません。詳細を知りたい方はジュネーブ協定(1925)、ジュネーブ4条約(1949)、生物毒素兵器禁止条約(1975)を調べてください。
戦闘に参加するのは正規軍あるいは民兵であって、捕虜などは国際法に基づき取り扱われる。軍服を着てないのはゲリラとして処刑されても文句は言えない。一方テロとは犯罪である。この違いを認識しないととんでもないことになる。
新撰組はテロではない。 例えば新撰組はテロ集団ではない。新撰組は頭に京都守護職松平容保をいただき国家権力のお墨付きがあるれっきとした機動隊あるいは秘密警察なのである。新撰組の名誉のためにひとこと付け加えれば、彼らは尊皇派や支援者と思われる人たちを殺したり捕らえたりしたようだけど、無差別殺人はしなかった。商店(WTOビル)にいる無関係な人たちに手当たり次第に切りかかったわけじゃない。それに普通権力側が行った天安門事件、チベットでの蛮行(中国)とか粛清(ソ連)などを恐怖政治と言ってもテロとは言いませんよ。
また日本が第二次大戦で行った神風攻撃はもちろんテロではありません。その理由は、第一に、日米は戦争状態にあったこと。第二に、攻撃目標は艦船を含む軍事施設であったこと、第三に、攻撃隊員はすべて正規軍であり軍服を着用していること
第二次大戦でドイツ軍が連合軍を装い攻撃する時、ドイツ軍の軍服を着た上に連合軍の軍服を着て、いざ攻撃の時に上を脱いだという話を読んだことがあるが、これは重大なことである。連合軍の服を着たままでは戦いに負けた時捕虜にせずその場で殺されても文句は言えないからね。

一方パレスチナゲリラあるいは南米で活動している種々のゲリラ勢力は言葉のとおりゲリラである。彼らが行う行動は戦争ではない。彼らの攻撃はテロと呼ばれる。
正義がどちらにあるかとかどちらが勝ったとかは関係ない。テロはテロ、戦争は戦争、また正規軍は正規軍、ゲリラはゲリラである。
第○次中東戦争とかイランイラク戦争とかは明らかに「戦争」だけど、パレスチナの自爆テロや爆弾による市民殺傷は明らかに「テロ」だ。今回のWTOセンタービル攻撃は報道が呼ぶように「同時多発テロ」である。
ブッシュ大統領が「これは戦争だ!」と演説したのは国民を鼓舞するため、あるいは「これは平時ではない」「犯罪レベルではない」ということを言いたかったんだろうと推察する。
もちろん戦争ならば軍隊が出て、テロなら警察の担当だなんてことを言うつもりはない。しかし、法制上は「テロ対策」と「国家間の戦争」を明確に分ける必要がある。
有事法制といっても警察で手におえないから自衛隊が出動するのと、外国からの侵略を受けて自衛に乗り出すのは趣旨が違う。
有事法制推進派も反対派もよっくこのへんを考えてね。
ついでに言えば私は戦争に関しても、テロに関しても有事法制が必要だと確信します。

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