最大多数の最大幸福2001.10.27
世の中に何か不満なことがあると大声で叫んでごねる人がいる。それが民主主義と考えている方が多い。そう信じている報道機関もあるみたいです。
「人間は考える葦である」そうですから、人はみな自分の考えがあるでしょう。私のように銀婚式を過ぎた夫婦だって考えが合わないことが多いものです。
私には学問はありませんが、元々国家というものは人間一人でできないことを実現するために発生したと中学の社会で習いました。神を祭るとか、戦争するとか、治水とか、
組織の意思決定にあたってメンバー個人個人の考えをすべて尊重していたら組織がまとまりません。そこで国家あるいは組織としての意思決定方法が必要になります。専制政治というのもあるでしょうし、神のお告げ・占いで決めるのもあるでしょう。寡頭政治といって少数の優位者・貴族が協議決定するもの、日本などが採用している民主主義という方法もあります。いずれにしても選択した方法で決定したことを実行します。
どれがよいという理論的根拠はないと私は信じます。専制政治(独裁といっても良いですが恐怖政治とは違います)が民主主義より悪いという理屈は私は知りません。 誤解のないように申し上げておきますが私は民主主義を支持します。
過去悪い独裁はたくさん記録にあるが、同様に悪い民主主義もたくさん記録にあります。反面確かに良い独裁もあまり聞かないが、良い民主主義もあまり聞きません。ここでは個人名をあげるのはなるべく避けていますが、フジモリ大統領は独裁的だったかもしれないが、テロ撲滅した功績を忘れてはいけない。もちろんタリバンもカダフィも独裁です。
人間の歴史には非常にたくさんの政権,国家があったがその終焉はさまざまです。ある学説による封建制、資本主義、社会主義という変遷は正しくはなかったようです。結局政治形態、主義主張でなく、生き残ってきたのは強い意思と勇気を持って、偶然によって適切な選択をしたもののみのようです。
結果論からすれば、国家が生き残るには政治体制,経済体制に関わらず、国民と指導者が強いナショナリズムを持ち、軍事だけではない総合的包括的な国力を維持することによってなされると言えます。私は主義主張に関わらずこれに反する主張は日本をつぶす意見と断定します。
国家ではありませんが、企業あるいは自治体などの組織は民主主義ではありません。経営者は株主から、首長は住民から実現すべき責務を負わされています。最高責任者はこの責務を全うするために法律を守り、与えられたリソースを用いて、種々施策を練り、手足となる職員、構成員を動かして事業を行います。
はっきり言ってこれは専制政治です。でも誰も文句を言いません。責任者は失敗したら責任をとらなくてはならないことを、株主も社員も住民も自治体職員も理解しているからです。
そういった前提で民主主義を見てください。
民主主義はみんなが幸せになる体制じゃないんです。
驚くことはありません。
民主主義は「最大多数の最大幸福」なんです。
だからいろいろな意見があればより多くの人を満足させることを選択し、実行するのは当然です。そのため民主主義には議論がつき物です。
私は反対よ!とんでもねーウーンねえ、こうしましょう聞いてください
ある意味で民主主義も限定された全体主義であることを理解しなくてはなりません。もちろんほかの政治体制も全体主義であるということは変わりません。国家、組織が動くためには構成員が組織の決定に従うことがmustなのです。
もちろん、近代社会においては少数派も最低限の権利は保障されています。
ということは現在の日本の政治に不満があって共産主義を選択しても多くの人を幸せにするために決定されたことには従わなくちゃならないのです。現在の日本に不満で他の体制を作ろうとすることは論理的に間違っています。およそ、すべての人を幸せにするというシステムは決して存在しないでしょう。
その結果、民主主義においては最善策の選択でなく、最小悪の選択ということもやむをえないのです。つまり他の選択肢よりこの選択肢が害が少ないなら採用あるいは賛成しなくちゃならないケースもあるのです。これを渡世の義理と納得しなくちゃ人間やっていけません。
できないのが子供、できるのが大人ってもんです。

日本に新しい空港が必要だというときに少数の人が「ここは俺たちの先祖代々の土地だから」といって国家の決定に反旗を翻すのは民主主義に反します。これはボタンの掛け違いでなくボタンのかけ方を知らないのです。
ここに空港を作るのが反対ならその理を説いて、多くの方のご理解を要請します。その結果、やはり大多数がここに作ると決定したらそれに従うべきです。 おまえはカンケーないからそう言うんだとは言わないでください。私の本家のあったところは今工業団地となり、私が子供のころリスを追い掛け回した林はありません。私たち一族の思い出より地域の発展や多くの方の利便のためならこのくらいの対応は当然でしょう。犠牲なったなんて言っちゃいけません。
もちろん、補償はちゃんとしてもらいます。それが最大多数の最大幸福です。
なにか自分に不利益なことがあるとき、大声でわめくのはやめてください。
日本はそんな専制国家じゃありません。気に入らなければ選挙で気に入った人に投票すればいいのです。自分が立候補しても良いのですよ!もし自分が支持した人、党派が少数ならより多くの人が選んだことに従わなくてはなりません。

自分が多数派なら自分たちが決めた方法を実行して、自分が少数派ならゴネテごねて反対しまくる、そりゃ民主主義じゃなくて子供が駄々こねてるって言うんです。
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