ナショナリズム2001.11.15
ナショナリズムと聞くとどのようなイメージが浮かびますか?
私は中学校の先生が「ナショナリズムなんて持つんじゃない!」と言ってたので「ナショナリズムって悪いもんなんだ」と信じ、今でもナショナリズムというと暗い、悪いというイメージがあります。
広辞苑によると「国家、民族の統一、独立、発展を推し進めることを強調する思想または運動。民族主義、国家主義、国民主義、国粋主義などと訳され、種々ニュアンスがある。」
すくなくとも悪という意味合いはないようです。いえいえ、よく考えるとどの国も国民もみなナショナリズムを持っていると言えませんか?

日本人であることはどのくらいすごいことか知ってますか?
パスポートをお持ちでしたら表紙を開いて2ページ目を見てください。
えーい、控えおれ、菊のご紋が眼に入らぬか! 「日本国民である本旅券の所持人を通路支障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」と書いてあります。実際、パスポートにはこれ以外の文言はありません。所持人を証明するとも書いてありません。
なんだ、それがどうした?なんて思うかもしれません。大変なことなんです。海外旅行に行けば今現在日本人だと言うことで出入国にあたり相当な優遇を受けているはずですよ。
菊の紋の小冊子があるだけであなたはほとんどの国を特別な疑いや検問を受けることなく訪問することができます。こんなことを言っちゃなんですが、日本でない国のパスポートを持っている場合、入国のさいあらぬ疑いを持たれ詳細なチェックを受けたりするのを私は見聞きしています。
菊の紋はまさに水戸黄門の印籠のようなものなのです。
パスポートAからZを参考に!

あまり行儀のいいこととはいえませんが、タイの一流ホテルで半ズボンに素足でサンダル履きで入れるのは日本人だけです。また、かって南アフリカでは日本人は名誉白人として扱われました。白人ではないが日本の国力によって白人扱いされたのです。倫理とか良心をおいといて日本人であることが誇りに思いませんか?それとも不可触賎民扱いされたほうがよろしいですか??

日本が嫌いな日本人は大勢いるようです。でも日本人になりたいと言う人も大勢います。私は毎日会社で官報をチェックするのも仕事です。官報の記事で一番多いのは何か?といいますと、入札公告です。ついでは国家試験の発表なんかが面積をとっています。最近は自己破産の公告なども多いですね。その次くらいにパスポート紛失公告と帰化した人の広報があります。
帰化された方は日本のすばらしさ、日本人であることのすばらしさを知っていることと思います。日本を愛し、選挙でも決して棄権などしないと私は思います。
そういえば紛失したパスポートの中には偽造パスポートに使われているのもたくさんあるここと思います。日本人であることがすばらしいことの一つとして偽造パスポートの中では日本が他国より高いと聞いたことがあります。どうせ偽造パスポートを持つならより価値のあるほうがいいですからね。
日本をけなす人は菊の紋のパスポートを捨てたとき、海外でどう扱われるのかということを考えてみてください。きっとパスポートを握りしめるはずです。
いえ、パスポートが大事じゃないんです。日本人であることにしがみつくはずです。
ナショナリズムなんていいますと大所高所、あるいは大上段に構えちゃいますが、そんなものではありません。
外国にいると、自分は日本人であると強烈に認識するでしょう。それがそのままナショナリズムです。自分は日本人であり、日本人以外になりようがない。故に日本を代表して行動せざるを得ない。何かあると日本を弁護せざるを得ない。
言っておきますが、外国に行って、何かあったとき日本を否定するような言動をとれば外国人はあなたを軽蔑するとも尊敬はしないでしょうね。私の経験からですが、
もっとも、ガイドつきのツアーや案内つきの代議士の外遊じゃ自分が日本人であるという認識は持たないかな??

ナショナリズムって、国を愛するってことです。
ナショナリズムと戦争とはカンケーありません。


  • こっこ様から(2001.11.17) 「ナショナリズム」を読んで
    はじめまして。田嶋陽子さんの応援サイトの掲示板を見て、やって来ました。
    「ナショナリズム」の文章を読んだ感想をお伝えしたいと思い、メールしました。
    私はナショナリズムという言葉は嫌いです。ナショナリズムというのは単に国を愛することだけを指すのではないと思っています。ナショナリズムは政治と深く結びつき、国家と個人を同一視させようとするにおいがします。個人を国家のいいなりにさせようとする道具のような気がしてなりません。私は日本の自然、文化、風土、どれも大好きです。でもこの感情を「ナショナリズム」とは言ってほしくありません。私の日本を愛する心は政治とはまったく無関係だからです。
    それから、これからの時代は「ナショナリズム」より「グローバリズム」の時代だと思います。交通や通信が発達して、今の時代は遠くのよその国で起こったことが、日本にも影響してきます。自分の国さえよければいい時代はすでに終わっています。地球上にすんでいる者はすべてつながっています。相手の国を思いやる気持ちがなければ、地球は滅んでしまいます。それから、「南アフリカでは日本人は名誉白人として扱われました」ということですが、私はこのような扱いを受けて喜ぶような日本は恥ずかしいです。南アフリカといったら、アパルトヘイトをやっていた国でしょう。人種差別を国の政策にするような国に「あんたは名誉白人にしてやるよ」と言われても、うれしいはずがありません。日本は南アフリカに見下されていたとしか思えません。本当に日本人としての誇りがあるのなら、名誉白人扱いを辞退すべきでした。私は左翼でもなんでもありません。私は何かに所属して運動をするようなことは大嫌いなので、「サヨク」とかに分類しないで下さい。私は私なりに考えて自分なりの意見を持っているだけの、普通の人ですから。

    お便り、ありがとうございます。要点について私の見解を述べさせてもらいます。
    (1)ナショナリズムについて
    辞典を引くとナショナリズムとは"a feeling of love or pride for your own country"で直訳すると「自分の土地を愛したり誇りに思う感情」であって、こっこさんが書かれた上記青文字と一致すると思います。またナショナリズムは他人の土地も好む感情と矛盾しないと思います。自尊心がある人ほど他人を認め敬うことができると思います。
    (2)グローバリズムについて
    すみません、私はグローバリズムと言う言葉をよく知りません。事典やインターネットで検索しましたが経済学上の言葉でブロック経済/相互主義に対する政策に用いられているようです。政治上の用語としてはどのような語義で用いられているのでしょうか?
    ナショナリズムの反対語として用いられているのでしょうか?ナショナリズムの語義は前述しましたとおりで、ナショナリズムは外国を嫌うこととは同じでありません。
    おっしゃるとおり現在世界は狭くなり国家間の相互作用はきわめて強くなっています。しかし国境をなくしましょう、人類はみな兄弟と考えておられるならそれは無理と言うものです。韓国、中国が尖閣列島とか竹島など日本の領土を取ろうし、また日本の領海、専管水域でも漁業をしようとしているでしょう。相手の国にも日本を思いやる心がなければ日本は滅んでしまいます。現実は世界中同じ論理で動いているようです。インドとパキスタンが核開発競争をなぜしているのか?イラクはなぜクウェート侵攻したんでしょうか?
    (3)名誉白人について
    おっしゃるとおり名誉白人を辞退すべきだったかもしれませんね。でもそれができるのは上位者であるときだけです。
    下層階級とされたときそれを拒否することは不可能です。再読願いますが私も、良心にやましくないとか喜ばしいとはいってません。私が申し上げたのは”日本人が不可触賎民として扱われなくてよかったね”ということです。残念ながら人種差別はどこにでもあります。あなたご自身、海外に行ったとき差別を感じたことありません?。黄色人種の国でもその国の人が白人と日本人に対する態度は違うんですよ。裏返えせば、あなたが金髪のイギリス人とタイから出稼ぎにきた人に同じ態度を取れますか?現実の世界は頭の中で思い描くような理想社会ではありません。自分が言いたいことをいえるのは自分が優位な立場にある時だけです。
    人種差別はないと思ったり、世界中の人は仲良くなれると思うのは戦争はありえないと思うのと同じく思い込みに過ぎません。
    じゃあ、どうするの?
    まず現実を認めることが必要です。そして日本をしっかりと確立してから言いたいことを言えばよいのです。アフガンの今後について日本が主導権をとれという意見もありますが、日本がぐらついていたら外国は相手にしないでしょう。

    こっこ様から(01.11.23)
    お返事ありがとうございます。私も思ったことを少々述べさせてください。差別が存在していると認識することと差別を肯定することは全く違うと思います。私は差別は存在しないと思っていません。差別はどこにでも転がっています。でも、差別は肯定していません。「自分が言いたいことをいえるのは自分が優位な立場にある時だけです。」と言ってあなたは人種差別を肯定しています。あなたが外国に行って差別を受けた時、あなたは自分が優位な立場にいないときは、黙って差別されるのですか。私だったら、いくら経済力がなくても力がなくても自分自身を守るために必死に抵抗します。あなたは金髪のイギリス人とタイから出稼ぎにきた人に同じ態度はとれないのですか?私は最初はイギリスは先進国、タイは途上国というイメージに惑わされるかもしれませんが、その自分の中にある差別の芽に気づき、偏見の目で判断しないように気をつけます。そして、その人となりで個人を判断すると思います。私は外国人に限らず、人と接する時は誰とでも同じ態度で接します。人のうわさも信じません。自分の目でその人を確かめて、判断するようにしています。強いものにしか発言権がないと言われるなら、あなたは自分が年をとり力が衰えたときに、とてもみじめな思いをすると思います。強いものにしか発言権がないという発想の日本人ばかりだとしたら、この国に明るい未来はないでしょう。「日本人が不可触賎民として扱われなくてよかったね"」日本は他国に評価される側という発想でいるのも、主体性のない表れです。日本は日本なりのスタンスというのがない。だから、相手国の評価で一喜一憂してしまうのです。このような日本に誇りを持てと言われても、困ってしまいます。国民が主体性のない人間ばっかりだから、国がこうなってしまうのもあたりまえですね。日本をしっかりと確立してから言いたいことを言えばよいのです。そのためには主体性のある人を育てるのが大事ですね。

    ご返事ありがとうございます。
    論点がいくつかありました。ナショナリズムとグローバリズムについてはコメントございませんので私の意見に同意されたものとみなします。
    最後の論点ですが、人種差別が良いはずはありません。しかし人種差別の存在は現実です。できるものならばこっこ様が戦前のカリフォルニアの日本人排斥にどのように立ち向かうのか拝見したいものです。現実はいかにして改善されてきたのかといえば、金切り声で権利を主張したからではなく、”自分自身を守るために必死に抵抗”したからでもありません。日系アメリカ人が現在の地位を築いたのは第二次大戦のヨーロッパ戦線に参戦し多くの犠牲をだしたことによります。また日本人が今日の発言力を得たのも、あなたが大手を振って海外旅行ができるのも、日本の国力の向上によってであることを知りなさい。アメリカの黒人の権利が認められてきたのも公民権運動ももちろんありますが、第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争での従軍とそれによる多くに犠牲者によるところが大きいのです。
    私がイギリス人とタイ人に同じ態度を取れないと言わんでください。かって一緒に仕事をしてました。あなたも私同様偏見のない態度を取れることを期待します。
    私から質問させてください。あなたは今まで日本にいかなる貢献をされたのでしょうか?外国の人と付き合ったとき公平なお付き合いができたのでしょうか?
    理屈は花火、実行は爆弾といいます。あなたが私と同じく日本の経済産業に貢献し、外国人と偏見ない付き合いをされてきたのであれば、私はあなたが真に立派な日本人であると認め両手を握り締めたいと思います。


  • 11月16日上川北斗様から投稿いただきました。
    毎日の更新、本当に尊敬いたします。
    私なんか、ちょっと体調を崩すと...
    本日の"ナショナリズムですが"、サヨのアホ共は国家と言うものは「単なるパスポートを発給する機関」くらいにしか思っていないのでしょうか?
    (実はこれは、大いなる矛盾なのです。)
    最近久しぶりに本を買い込み読みました。「戦争論2」小林よしのり、「国民の教育」渡辺昇一、「世界の〔宗教と戦争〕講座」井沢元彦・徳間書店、⇒3冊とも共通ですが、この常識が無いのは世界でも日本だけでしょう。特に、外国に行く人や外国人と接する人達はこの3冊を読まないことには、笑い者になること必至でしょう。本当にためになりました。

    上川さん、お買いになった本がためになったの?私のナショナリズムがためになったの?
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