ビデオを送るのに必要なもの

Created on April 13, 1997
Last Updated on May 31, 1997


ネットミーティングでビデオ電話

 2.0β4からはユーザーインターフェイスもかなり変更されて、ディレクトリの画面で相手がビデオが使えるかどうかがわかるようになったので、ビデオ電話の相手を探すのも簡単になった。自分がビデオの機能を持っていなくても、受信だけは誰でもできるので、ぜひカメラのアイコンのある人を呼び出して、ビデオ電話を体験してみよう。ただし、ビデオキャプチャのハードウェアはあるが実際にはカメラがない等の場合もカメラのアイコンは表示されるので、必ずしもカメラのアイコンがついているからといって、相手がビデオを送信できるとは限らない。これは、サウンドボードがはいっていてもマイクがないので音声通話ができない人がいるのと同じである。

 ビデオの受信ができたら、今度は自分からビデオを送信する番である。ビデオを送信するには、どんなカメラ等を用意したらいいんでしょうかとたずねられることが多いので、必要なハードウェアを紹介するのがこのページの主旨だ。

ネットミーティングに使えるビデオ入力装置

 ネットミーティングに使えるビデオ入力装置には、大きく分けて2種類ある。

プリンタポート接続する簡易カメラ

 通称目玉おやじとも呼ばれる Connectix社QuickCam が有名。日本では現在メディアビジョンが扱っている。他には、マクニカから出ているRUCOLAが入手しやすい。いずれも手のひらにおさまるくらいの小さなカメラで、パソコンへの接続は通常はプリンタをつなぐためのパラレルポートに接続するようになっている。なんといっても、手軽に接続できるのがメリットだ。

 これらのカメラは、カメラとしてはあまり高性能ではないが、そもそもビデオ電話ではそんな高品位な画像を送るわけではないので、十分といえば十分である。もともとが、こういったビデオ電話用につくられたカメラである。

 カメラ自身が小さいので、カメラをディスプレイのすぐ近くに置くことができる。この点は結構重要だ。実際に面と向かっての会話では、相手の顔を正面から見れば、相手も自分の顔を正面から見ていることになるのが当然である。しかし、ビデオ電話では相手は自分の顔をカメラの位置の視点から見ているが、自分が見る相手の顔は、パソコンのディスプレイの上だから、どうしても視線がずれてしまう。いつもソッポを向いた顔が送信されてしまうのだ。これを少しでもやわらげるには、なるべくカメラを相手の顔が表示されている位置に近いところに置くことだ。その点ではカメラは小さくて好きなところにおけるのがよい。

ビデオキャプチャボード+NTSCビデオカメラ

 カメラとしては、8ミリビデオのようなホームビデオカメラがあればよい。もちろん、VHS(-C)やデジタルビデオカメラ(DV)、または単体のビデオカメラでもよい。これをスタンバイ状態にして、モニタ画像をキャプチャボードに入力して使う。

 キャプチャボードの方は、MPEGやモーションJPEGなどの圧縮機能のついた高価なキャプチャボードは必要ない、というか逆に使えないこともある。データの圧縮はネットミーティングが自分で行う。また、回線を通して送れるデータ量は限られているので、高解像度や高フレームレートも必要ない。最近は、ビデオ電話用に十分な機能だけに絞った安価なキャプチャボードが最近は結構各社から出ているようだ。ネットミーティングで使うには、ドライバが Video for Windows に対応していれば大丈夫である。ちなみに、私が使っているのは、ウェップシステムから発売されているビテオかん太くん (定価 27,800円、CU-SeeMe等のソフト付き) というものだ。これは、ISAバスのもので、私が使っているPCが今時まだPCIバスのない486マシンだからで、たいていのボードはPCIバスのタイプになっている。

 また、最近のマルチメディアパソコンには、TVチューナなどと一緒にキャプチャボードも最初からついているものもある。この場合、もちろんビデオカメラだけ用意して接続すればよい。

 プリンタポート接続カメラのところで、カメラの小ささについて述べたが、キャプチャボードの場合でも、カメラとして単体で超小型のカメラを用意すれば、その点の条件はクリアできる。また、他にも、本来は静止画を撮るためのデジタルスチルカメラでも、ビデオカメラの代わりに使うことができるものがある。ただし、撮影時のモニタ画像が生でビデオ信号として出力されていて、またオートパワーオフしないようにできることなど、機種によって使えるものと使えないものがあるのでよく確認する必要がある。

ネットミーティングに使えるビデオ入力装置一覧
メーカー 機種名 定価 種類
メディアビジョン Color QCAM 34,800 パラレルポート接続型
マクニカ RUCOLA 19,800 パラレルポート接続型
ウェップシステム ビテオかん太くん 27,800 ISAカード
アイ・オー・データ機器 GV-VCP/PCI 14,800 PCIカード
株式会社アルファデータ AD-TV4PCI 29,800 PCIカード(TVチューナ付き)

どちらを選ぶか

 既にビデオカメラを持っていて、拡張ボードの増設を自分でするのが苦にならない人なら、画質や応用範囲の広さから、キャプチャボードを買うのがをおすすめだ。

 とにかく手軽な方がよければプリンタポート接続カメラだ。プリンタポートさえあればいいから、ノートパソコンでもいいし、よそに持っていって使うこともできる。

 どちらも実売価格で2万円台前半あれば手にはいる。下表にそれぞれの特長をまとめておくので、あとは各個人の判断にまかせたい。

プリンタポート接続カメラ キャプチャボード
よい点
  • 接続が簡単
  • 必要なものはこれだけ
  • カメラが小さく、ディスプレイのすぐ近くに置きやすい
  • 画質がよい
  • CPUの負担が少ない
  • ビデオカメラのズーム機能等が使える
  • ビデオ信号なら録画テープなど何でも入力できる
  • 他にも応用範囲が広い
悪い点
  • 画質はそれほどでもない
  • プリンタと同時につなげられない
  • CPUの負担が大きい
  • 別途カメラが必要
  • 拡張ボードの増設作業が必要
  • カメラが大きいと、置き場所が難しい

通信速度

 画像と音声を同時に送るにはかなりの通信速度が必要だ。音声だけでも、最低28.8kのモデムは必要だが、まあ、今時たいていの人は28.8kのモデムはあるだろう。しかし、画像を送るとなると、やはり少しきびしいように思える。画像をよく送りたければ、音声を止めて、ビデオは送りながら会話はチャットボードでというスタイルにすることもよくある。ネット全体のパフォーマンスも関係するので、一概に手元の通信速度を上げるだけでいいというわけではないが、やはりISDNで64kにした方が相当快適である。また、56kモデムは、速度が非対称なので、受信がほとんどのwebブラウジングにはよいが、送りの速度も必要なテレビ電話にはあまり適当とは言えない。

照明

 案外気が付かないことだが、明るいオフィス等ならいいが、通常の家庭の室内では、結構明るさが不足することが多い。普通、部屋でパソコンに向かっている状態では、部屋の明かりは背中から当たっていて、自分の顔は陰になりがちである。デスクライトの位置を動かしてみるなど補助の照明を工夫して、自分の正面が明るくなるようにすると、きれいな画像が送れることになる。

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