DV静止画像のクリアフレーム処理

February 28, 1997


 前稿を書いたらすぐにメールをいただいた。クリアフレーム処理についてもっと詳しく知りたいというのだ。質問として、ロマンスカーの画像は横移動だが、縦方向の動きもきちんと処理できるのかなということだった。これは当然至極な疑問である。走査線が横に走っているという事実がある以上、水平方向の動きの処理と垂直方向の動きの処理では扱いに違いがでてくるに違いない。

 そこで、早速テストしてみることにした。今回は簡単に部屋の中で試すために、背景に文字と絵のはいったカタログを置いて静止画像とし、その前を適当な速度で猫の絵を移動させて撮影し、それをキャプチャした。縦に移動する物体をインターレースで撮影したものを拡大すると右図のように見える。ロマンスカーと同様に、各処理による画像を見てもらいたい。下表の画像ファイル名のところをクリックすると画像が見られる。

  元画像 クリアフレーム フィールド補間
垂直移動 pict0101.jpg picc0101.jpg picf0101.jpg
水平移動 pict0102.jpg picc0102.jpg picf0102.jpg
移動なし pict0103.jpg    
いずれも 自宅室内 2月27日撮影 1/100 F4

 さて、結果を言うと、縦の動きもきちんと処理されているということであった。そりゃぁそのぐらい当然か。真横の移動しか補正できないようではほとんど意味が無い。

 今回は静止している部分は完全に静止していて、ロマンスカーの絵よりはっきりわかると思う。画像はデータサイズを節約するために、少しトリミングしてある。

 見るポイントは、動いている猫の絵自身、左下のカメラの液晶の背面の下縁、画面中央付近の太字の“IEEE 1394”の“E”の文字の横棒、その上のいちばん小さい文字「*本機で記録した...」、など。

 カメラ液晶の下縁はクリアフレームの効果がいちばんよくわかるところ。フィールド補間ではギザギザになってしまうが、クリアフレームではきれいなままだ。

 “E”の文字は静止しているが水平な縞に見えるせいか、クリアフレーム処理でも少し処理されてしまっているように見える。もっとも、フィールド補間ではつぶれてしまっている。

 一番小さな文字は、フィールド補間ではつぶれて読めないかと思いきや、結構なんとか読めるような気もするところが不思議だ。

 最後に、クリアフレーム処理された画像picc0101.jpgの画面左端に4ドット幅ぐらい、クリアフレーム処理がうまくいかなかったようなおかしな絵になっている部分がある。ここは、トリミングをかける前から画面の端だった部分である。ロマンスカーの画像でも似たような現象が見られる。どうしてこんなふうになってしまうのだろうか?

 まあ、JPEG圧縮をかけてしまっているので、細かいところを拡大して見てもいまひとつはっきりわからないかもしれないが、そのへんはご勘弁を。


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