パノラマ画像の作成

November 29, 1997


パノラマ

 パラオに行ってダイビングしたときに一緒になった小林さんに、砂浜の写真を並べて撮ってパノラマ風にしているのを見せてもらったのがきっかけで、自分でもパノラマ映像をパソコン上でつくってみようと思うようになった。このときの小林さんの撮った写真をスキャンしてつなげてつくったパノラマと、私が下記の方法で撮ったパノラマは、パノラマギャラリーでご覧いただきたい。

 パノラマの一般的な話は他に譲るとして、ここでは私がパノラマを撮影するのにどのようにしたかを具体的に述べることにする。

撮影機材

 撮影機材としては、ビデオカメラを使用した。広角の撮れるような銀塩カメラは持っていなくて、ビデオ用のワイドコンバージョンレンズなら持っている、撮影枚数が多くなるが、ビデオなら心配ない、といったあたりが理由である。

 ビデオカメラは、KYOCERA DV-L1。これに、×0.5のワイドコンバージョンレンズ Kenko KUW-05 を装着している。DV-L1のワイド端の焦点距離は35mmフィルム換算で38mmなので、ワイコン装着で19mm程度になっているはず。焦点距離が長いと、1枚に写る範囲が狭くなって水平に分割して撮る枚数が増えると同時に、上下が狭い画像しかできなくなってしまう。上下方向の画角をかせぐために、ワイコンで広角にした上に、カメラの画面が縦位置になるようにしている。

Camera Camera
ブラケット カメラ装着時
 当然、きれいにパノラマにつなげる素材の写真を撮るには三脚は必須だが、横にしたビデオカメラを三脚に据え付けるには少し工夫が必要である。レンズの焦点が三脚の回転の中心に来るようにしなければならないので、先端に自由雲台のついたブラケットを使用して、写真のように取り付けている。カメラが少しブラケットに対して斜めになるので、ブラケットは三脚の本来の前後方向に取り付け、チルトで傾きを調整している。

素材画像の撮影

 上記の機材を使用してパノラマの素材となる画像を撮影している。画角的には60°ずつ6枚撮ればカバーできるのだが、うまく画像がつながらないこともあるのでなるべく細かい間隔で撮っておく。ビデオなので枚数はあまり気にならない。テープを回したまま、三脚の目盛りをめやすにだいたい10°おきに5秒ずつ程度撮影しておき、パノラマ画像作成時に、必要なコマを抜き出して利用するようにしている。

 撮影時の注意点としては、AEやホワイトバランスを固定しておくこと。そうしないと、画像をつなぐときに不自然になってしまう。晴天の屋外での撮影だと太陽が画面に入ってしまい、付近は完全に露出オーバーになるが、これは仕方ない。

パノラマ作成ツール

 パノラマ画像のフォーマットとしては、WWW上で最もメジャーであろうと思われるQuickTime VR Panorama を使用することにした。QTVRがアップル製なこともあって、作成ツールはMac用にはフリーのものもあって入手しやすいのだが、Windows用のものは限られている。ここでは、富士通ビー・エス・シーから出ているスピンパノラマという製品を使っている。もとの英語版はPictureWorks Technology, Inc. から出ている。画像の連結は、画面上の2点をマウスで指定してつなげるもので、分割数が多いと結構根気のいる地道な作業になる。

 スピンパノラマでは作成されるQTVRは画面の大きさは400×300ドット固定になっている。QTVRファイルの大きさは入力画像サイズによるので、小さいQTVRファイルをつくりたいときは小さい画像からQTVR化する。画像の連結は元の画素数で行っておいて、ひとまず1枚のJPEG画像として保存し、それを適当に縮小したものを再度読み込ませてQTVR化している。画素数を落として小さくしたQTVRは400×300のサイズで表示すると荒く見えるだけなので、HTML上に載せる際にwidthとheightで小さな値を指定して小さく表示するようにしている。


ホームページに戻る。
デジタル写真のページに戻る。