QOLとFIM
第7回QOL・ADL研究大会(2000.10 札幌)でのシンポジウム発表を元にして

園田 茂

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FIM認知項目とQOL

 認知機能は、運動機能とは別にQOLに関与する。うつ状態とQOLの低下との関連は良く知られている(12,17)。また、適応行動の能力が低いと、結果的にやりたいことがうまくいかないため、QOLが下がる。

 中島らは、脳卒中患者においてFIMの認知項目が適応行動尺度(ABS: adaptive behavior scale)のスクリーニングテストとして用いうることを示している(19)。理解・表出の合計点がコミュニケーション能力と、社会的交流・問題解決・記憶の合計点が認知能力とよく相関するのである。FIMの認知項目は採点用具も不要なこと、採点のための特別な時間は不要で通常の病棟業務で接しているときの情報から採点可能であることから、適応行動能力を知るための便利な方法である。従って、FIMの認知項目は適応行動の面からQOLとかかわりが深い。

 より社会的不利に寄った認知項目としては、FIMと同一の採点基準を使うFAM (Functional Assessment Measure)という評価法が、Hallらにより開発されている(表4)(20,21)。開発の母胎は、Santa Clara Valley Medical CenterのTBI-SCI project (頭部外傷・脊髄損傷プロジェクト)である。FAM自体の評価は定まっていないが、簡略に認知系を調べられるという点では魅力的である。

表4 Functional Assessment Measure (FAM)

FIMに加えられる運動項目

嚥下

輸送機関利用

自動車移乗

FIMに加えられる認知項目

読解

雇用・家事・学業

文章作成

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会話明瞭性

注意

感情

安全確認

障害適応

2000.10.24 Shigeru Sonoda