QOLとFIM

第7回QOL・ADL研究大会(2000.10 札幌)でのシンポジウム発表を元にして

園田 茂

はじめに / FIM / ADLの採点 / FIMと介護時間 /

介護時間とQOL / FIM運動項目とQOL / 見守りとQOL /

FIMの予測 / FIM認知項目とQOL / 文献

FIM運動項目とQOL

 ADLのQOLへの関与について、過去の論文では、「ADLの低いことがQOLに影響するか」、「退院後のADLの改善または低下がQOLの変化に関連するのか」、といったテーマで論じられている。結論は種々であり、一定の傾向を持たない(1-4)。

 前述の介護時間の面を考えるとADLとQOLは強く相関しそうである。そう一律にならない一因としては、八並らの脳卒中後の検討のように(15)、すでにプラトーに近い患者での調査がこれまで多かったことがあげられよう。ある程度以上のADLレベルに到達していればADLの得点差のQOLに対する寄与は小さくなる。すなわち、対象者のレベルなど調査集団特性の違いが結果に大きく影響する。

 QOLに影響する因子は多様であり(16,17)、ADLがQOLに関係するのは、社会的不利を介してであることが多い(図1)。一般にADLの社会的不利への寄与は必ずしも高くないため、この観点からはADLとQOLとの関係の不確定さは当然ということになろう。

2000.10.24 Shigeru Sonoda