草戸千軒 |
現在の岡山県備前市一帯で生産された中世陶器で、製品は、備前焼あるいは伊部焼(いんべやき)などと呼ばれています。日本中世を代表する窯業生産地で、古代の須恵器の技法を引き継ぎながら12世紀に新たな陶器生産地として成立し、以後変遷を経ながらも現代までその伝統が引き継がれています。
初期には、椀や皿なども生産されていますが、鎌倉時代から室町時代にかけて大量に生産されていたのは、壺・甕・擂鉢です。瀬戸内海の海上航路を経由して、西日本一帯に広く流通していました。また、遠くは沖縄県でもいくつかの遺跡で出土しています。
(写真:草戸千軒町遺跡で出土した備前焼の壺)