草戸千軒

魚住窯

うおずみよう

 兵庫県明石市に窯跡のある中世陶器です。古代の須恵器の伝統を受け継ぐ灰色の陶器を生産しており、器種には椀・皿・片口鉢・壺や瓦などがあります。旧播磨国の東部に生産地があることから、神戸市の神出窯(かんでよう)などとともに「東播系須恵器」と呼ばれることがあります。
 瀬戸内地域を中心とした西日本に多くの製品が供給されており、特に13世紀から14世紀にかけては、片口鉢(擂鉢として利用されていた)が各地で大量に流通します。草戸千軒町遺跡でも、13世紀中葉から14世紀前半にかけての時期に大量の片口鉢がもたらされており、この段階の擂鉢のほとんどは、魚住窯の製品によってまかなわれていました。


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1997, Yasuyuki Suzuki, Fukuyama, Japan.
Last updated: June 10, 1998.