ナック大陸紀行第一章 「falling, falling down」



 朝靄の中、汽車は終着駅に着いた。冬の始めの冷たい風が客室に流れ込み、その寒さで眠りから
覚める。 僕は、大陸の中で三番目に大きい都市、ローデンシュトックに着いた。 駅は人々であふれ
、あらゆる言葉が行き交う。あらゆる国、あらゆる文化を持つ数多くの民族、それらがこの都市に集ま
ってくる。 夢を探し、希望を求め、そして生活のために。
 僕はあるものを探しこの大陸で一人さまよう。 このとてつもなく広い大陸の中で、一本の木を探す。
「たった・・それだけのことだ」
 この言葉の間違いに気づき始めたのは、大陸に降り立って間もない頃だった。
 この大陸のどこかにある、その話だけで昔の僕にはとても簡単なことに思えたのだ。
 しかし何の力も持たない僕には、この大陸は広大すぎる。 正直なところあきらめかけたこともあった
、なんのために、そして誰のために、あきらめかけるたびにこんな思いが僕の頭を駆けめぐった。
 昔は、ワーランドの人々をこの間近に迫った危機から救うため、そう思ってきた。でも、このごろ僕の
中での想いが、少し変わってきたように思える。 カダローラで待つ僕の大切な人たち、そしてノイシュ
のために。 こんなことをザクセン学長にいったら呆れられてしまうだろうが、それが今の僕の正直な
気持ちだ。
 駅をでると、すぐに市場に突き当たる。やはり大都市の市場らしく、衰えることがないかのように活気
にあふれていた。 僕は市場のすぐ前の広場に移り、商売の支度を始める。支度といっても簡単なもの
だ、ヴァイオリンをケースからだし、そのケースを足元に置く。ヴァイオリンを弾き、みなさまから小銭をい
ただく。それが今の僕の職業、旅のヴァイオリン弾き。 大陸に渡ってすぐ、人のよい旅芸人と一緒に半
年間旅をした。このヴァイオリンもそのときに覚えたものだ。
 旅の初めのうちは、魔法でごまかした手品で商売を続けていたのだが、旅芸人にもらったこのヴァイオ
リンも弾けるようになるととても楽しいもので、今では商売できるほどになってきた。 僕の奏でるヴァイ
オリンの音色に耳を傾ける人々、そして人々の笑顔。あふれる人々の感情が、メロディーを奏でるごとに
僕の心に入り込んでいき、この大陸の見えない力を体で感じた。
 今日は天気も上々、人数もまずまず、かなり稼げるかもしれない。 僕はヴァイオリンを手にメロディー
を奏で人々の歩みをしばし止める。 僕が商売をしている間、僕の相棒は荷物の脇で町を眺めている。
相棒といっても人でなく、白くて青い目の猫。何処にでもいる何でもない雄猫だ、でも僕はこの何でもな
いところが気に入っている。 旅の途中いつの間にか、野宿している僕のシュラフの中に潜り込んでい
た、もう一緒に旅を続けて一年ぐらいたつだろうか。
 いつものとおり、いつもの演奏、時にはリクエストに応えてその土地の民謡、流行の歌。最近は、カダ
ローラマイムなどの曲も弾くようになった。カダローラの曲は、この大陸では物珍しさも相まってかなりう
けるようだ。 ヴァイオリンケースの中の小銭もかなりの量になる、やはり人の多い土地はかなり稼ぎや
すい。夕方になり店じまいにした。 今夜はどうやら野宿をしなくていいみたいだ。
 「今夜は旨いものが食えるぜ」相棒にそう言い、夜の町、宿探しに消える。
 この都市にきて三日、それなりに稼げたが、巨木のことに関してはなにも聞くことが出来なかった。
 市場に集まる商人、夜のバーに集う旅人たち。巨木の話を、伝説やおとぎ話として語るものは居ても、
それを現実のものとして語るものは、この街にも居なっかった。
 「明日からはまた、ほかの街に移動するか」 相棒にそう語りかけ僕は空を仰いだ。
 その日の夜、食事をとるために相棒とともに町を探索する。 市場から少し歩くと、青いネオンに飾られ
たバーが目に入った。
 店の名は、ネオンブルー。
そして、その店の入り口に張られた張り紙にはこう書かれていた。
 カダローラの歌姫今夜この店にて・・・・
 店にはいると、小さなステージとピアノが見える。僕は、ステージからみて少し左の一番前の席に着い
た。 まだ時間が早いせいだろうか、店の二十ほどあるテーブルは、三分の一ほどしか埋まっていない
。 こういう所では大した食事は出来ないが、ステージが始まるまでの間、軽い食事をとることにした。
 十五分ほどたち、食事がすんだあたりには残りの席もだいたい埋まり、店の雰囲気も少しにぎわいで
きた。
 やがて、店の照明が少し落とされ柔らかなピアノの音が店内に広がる、ざわついていた客たちは、ま
ばらにステージへと顔を向けた。 静まり返った店内に、柔らかでスローテンポのメロディーが満たされ
た頃、ステージの奧から一人の女が現れた。
 薄暗いステージでもローズレッドと分かる衣装がとてもまぶしく、ステージに立つ彼女の存在自体を強
調するようだった。軽やかにヒールの音がステージに響く、歩みを止めた彼女はすーっと息を吸う、シル
エットでしか見えない彼女、彼女のそのシルエットを見ると軽く瞼を閉じるようなしぐさをした。
 そして彼女は歌い出す、スローテンポなメロディーに乗せ、ちょっとせつなくほろ苦い歌を。

Que sera ser・・・・
Wahtwver will be will ・・・
The future's not uors to see・・・

 すんだ美しいその歌声は、僕になぜか懐かしさを感じさせる。 不思議と昔、何処かで聞いたことが
あるような、僕を優しく包み込む柔らかな歌声だった。マイクをとおしてささやかに聞こえる甘い吐息に、
僕は身と心をすべてゆだねた。 彼女はやがて、さほど高くないステージから降りた、かすかに床に響く
ヒールの音はまるでそれすらメロディーの一部であるかのように、その音をせつなく刻み続ける。
 彼女はローズレッドのスカートを揺らし歌い続ける、甘くせつない吐息はそのままで、各テーブルの客
たちに語りかけるように。
 そして、僕の席の脇に来た彼女は、胸にさしてあった赤いバラを僕に差し出した。薄暗い店内でこのと
き初めて、彼女の顔をはっきりと見た。 驚きとともに体中熱くなり、言いたかったことも、なかなか言葉
にならない、僕はそのとまどいを隠せなかった。
「カステル・・君はどうして・・」
 彼女は、軽く手を振りながらステージに戻っていった。シルエットとなったその後ろ姿を見送ると、昔の
彼女にはなかったほのかな香水の香りと、赤いヒールの音だけが僕のつくテーブルの周りに残った。 

この日彼女の歌う歌は、なぜか悲しい歌ばかり。僕がカダローラをでる前、彼女はカダローラの人気歌
手だった。誰もが希望を持てるような、そんな明るい歌が、彼女の魅力だったのに。もう昔のような、彼
女の明るい歌声を聴くことは無いのだろうか。 僕は、そんなことを思いながら彼女の歌を聴いた。 三
曲ほど歌うと、カステルはステージの奧へと消えていった。カステルのいなくなった薄暗いステージには
、ベースとピアノだけのスローな曲が流れる。客たちは、黙って彼女を待っている、静かな店内の照明
はまだ落とされたまま。
 やがてベース、ピアノともに演奏をやめ、店内はしんと静まり返る。黒のドレスに身を包んだカステル、
彼女のヒールだけがリズムを取るように店内に響いた。
 彼女の歌い出した歌は、やはりせつない歌だった。

And you're fallng, fallng down・・・・
You forget all the roses don't come around Sunday・・・

 曲の途中、店員が僕の席に一枚のカードを持ってきた。
彼にチップを渡すと、彼は少しほほえんで離れていく。 カードにはなぐり書きでこう書いてあった。

 今夜、駅前の噴水広場で待っています。
                     カステル

名前のところが、なぜか滲んでいた。

 人の居なくなった夜の広場は、石畳のせいかとても冷たい空気に包まれていた。白い吐息は闇にた
ゆとい、見上げるとその向こうに冷たい色に染まった月が見え隠れする。 カステルはくるのだろうか、
そんな無駄な思いが僕の胸をよぎる。
 月明かり以外照らすもののない静かな広場、冷たい空気の流れさえ感じられるほど、静けさに包まれ
ていた。 すると闇の向こうからヒール独特の足音が響き、黒のコートに身を包んだ一人の女が歩いてく
る。
 「カステル・・」
 「ごめんなさい、おそくなって」
 「いや・・いいんだそんなことは・・」
 月明かりに照らされた僕たち、その僕たちはとぎれとぎれの会話を続ける。 話したいことは、数え切
れないくらいあるのに、お互いなげかける言葉に詰まった。 お互い聞きたいことはこの胸に抱え込んで
いたのに、お互いの目を見たとたんそれが弾けてしまったようだ。セリフを忘れた役者のように立ちつく
す僕、のどまででかかった言葉は口元で消え、考えもしなかったありふれた言葉が僕の口からとぎれと
ぎれに流れていく。
 「カステル、君はどうして・・この・・・」
 感情を伴わない言葉なのか、それとも本当に僕が聞きたかったことなのか分からないまま言葉は流
れる、しかし表現という言葉からはほど遠くうまく続かない。
 「ここは寒いわ、何処かほかのところへいきましょう」
 彼女は、そんな僕の言葉を遮るようにそう言った。
 「いくって、こんな時間に何処へ?」
 彼女の突然の言葉に少しとまどう。
 「そうね、とりあえず私の部屋なんかどうかしら」
 彼女はいたずらっぽく微笑みながら僕をのぞき込む。
 「カ・カステルの部屋!」
 「なに赤くなってるのよ」
 「だって・・君の部屋へ一人でいくのは・・・」
 「一人じゃないでしょ、ほら」
 彼女は、僕の荷物の上で丸くなっている、相棒を指さしていた。
 「あそこで歌っているときから、この猫のこと、ちょーと気になってたんだ。だってナック君の足元で鳥の
モモと格闘してるんですもの、おもしろいわ。」
 「それにね、私の部屋に来てもらおうと思って、もういろいろ用意してあるんだ、あんな飲み屋の食事じ
ゃおなかいっぱいにはならないでしょ。」
 そしてカステルは、僕の手を握りこういった。
 「さ、いきましょう」
 こう言った彼女の顔は、冷たくなった手とはうらはらに、優しさに満ちていた。優しさをはらんだ心地よ
い彼女のこのセリフは、僕の心の中で何回もその声を繰り返し響かせた。
 彼女は、町の中心部に近い古びたホテルに泊まっていた。彼女も僕と同じように、町から町へと常に
移動する生活を続けているらしい。 彼女は旅の歌姫、そして僕は、旅のヴァイオリン弾き。何となく、同
じような境遇にいる僕たちがとてもおかしく思えた。 トリフェルズにいた頃の僕らには、卒業後こんな所
で合うなんて、とても想像できなかっただろう。あの永遠に続くかと想われた学園での日々を、この時ち
ょっとだけ思い出したりした。
 「さあ入って」
そう言われるがまま、僕は彼女の部屋に入った。
 「そう言えば、ナック君って学生時代よく私の部屋に来たじゃない、ねえ。」
 「ねえって・・そんなに行った・・かな・・」
 「なに言ってんのよ、よく私の部屋の前でバラの花束抱えてもじもじしてたじゃない、しかも決まって真
っ赤なバラ、ちょっとおかしかったわ。」
 「そうだっけ・・・」
 「そ・う・よっ!」
 そう言った彼女の笑顔は、さっきまで見せることの無かった学生時代の笑顔と全く同じようだった。少
し意地悪なところも含めて。
 テーブルには、二人分にしてはちょっと多いくらいの食事が用意して合った。脇には、ワインが一本、
そして一輪挿しにさされた一本の深紅のバラ。彼女は今でもこの赤いバラに恋をしているのだろうか。
床に不自然に置かれた皿には僕の相棒用のミルク、彼女のささやかな気遣いにちょっと笑ってしまった

 「だって、君だって私のお客さんなのよ」
そう言いながら、僕の相棒を胸に抱えた。
 「ナック君もこうしてほしい?」
カステルはそう言って、ぺろっと舌を出した。その子供のような微笑みにかすかに胸が締め付けられた。
 「やっぱりカステルは意地悪だ・・」
 「そーよ、私は昔から意地悪なのよ。」
 カステルの顔から笑顔が開いた、まるで花が大きく密やかに開くように。僕はその心地よい笑顔に、
息が詰まるような不思議な感覚に襲われとまどった。 やがて二人は席に着き、ワイングラスを手に静
かに乾杯した。グラスの音はかすかに部屋にその音を響かせ、ふれあったグラスの振動でワインは小さ
な波紋を作った。斜め右に座る彼女、柔らかな彼女の微笑み、心地よさに身をゆだね二人はささやかな
会話を楽しむ。
 「こうやって、カステルと食事をするなんて何年ぶりだろう。」
 「そうね、もうどれくらいたつかしら。」
 そう言って、彼女はワインで唇をしめらす。
 「君は、卒業してからすぐ歌手になってしまったから、学生時代以来ってことになるだろうね。」
 「でも私、ナック君の誘いならきっとどんなことがあっても行っただろうな。」
 「えっ、今なんて」
 「ナック君、卒業してから全然誘ってくれなかったじゃない。」
 少し膨れたカステルの横顔、すねたようなその横顔に僕は言葉を返しづらくなった。
 「でも・・君は・・僕なんかよりずっと遠いところに行ってしまったような気がして・・」
 「私は・・変わらないわ、きっとナック君の私を見る目が変わったのよ。」
 こういわれた僕は言葉を飲み込み、ただ黙って彼女の横顔を見ていた。 次の瞬間、彼女はうつむき
かげんだった顔を上げ、明るい声でこういった。
 「なーんてね」
 少し酔って赤くなったカステルの顔に笑顔が戻る。
 「本当のところ、初めはとてもうれしかったの、どんどん有名になっていくことが・・・でもね、それによっ
て無くしている物の多さに・・・気づいたの。」
 彼女の視線は、ワイングラスに落ちる。ルージュのひかれた唇は、ひととき開くことなく沈黙を保った。
しかし彼女は何かを思い出すようにこうきりだした。
 「私ね、歌うことが好きなの、それだけでいいの、ただそれだけなのよ・・」
 その最後の言葉が少しかすれていた。涙をこらえた彼女の顔に、彼女の本当の素顔を感じた。
 「でもね、この大陸に来て歌うようになって、初めて歌うことの本当の美しさに気づいたの、それまでは
・・・ただ漠然と歌っていたのね、私。」
 カステルはワインで唇をしめらすと、頬杖をついて小さくため息をつく。
 大陸で聞いたカステルの歌は、ひときわ悲しい歌が多い。それは、今の彼女の、本当の気持ちを知ら
ず知らずのうちに歌っているのではないか、そんなことを思ったりした。
 「カステルは、いつも今日のような歌を歌っているの?」
 僕のこの問いに、彼女は寂しさをはらんだ笑顔で答えてくれる。
 「そうよ、いつもあんな感じ、でもね、ああいう歌の方が歌っていて楽しいの、楽しいってより・・なんて・
・言うんだろう、なんか今の自分に、とても似合っているように思えるのよ。」
 そう言いながら、カステルは僕の手を握りしめた。
 「こんな私・・きらい?」
 僕は一瞬言葉に詰まったが、やっと一言彼女に言うことができた。
 「そんなことは・・・ない・よ」
 カステルに握られた手に彼女のぬくもりが伝わる、なぜか僕は彼女の顔を見ていることが出来ずうつ
むいてしまう、こんな自分を少し恨んだ。
 その後、話は学生時代からの友達のことになった。 決して友達の多い方でないカステルだが、本当
に信じあえる親友がいることを誇りにしていた。 学生時代はとても折り合いの悪かったエルツも、今は
大の親友となっている。そのエルツの話をする彼女の笑顔は、学生時代よりもなぜか輝いているように
見えた。
 少し酔ったのだろうか、カステルは僕に寄りかかるように寝てしまった。カステルのぬくもりを肩に感じ
、身動きのとれないままひとときの時間が過ぎた、動けないと言うよりも今考えてみると動かなかった、
と言うほうが正解かもしれない。どれくらいの時間がたっただろうか、僕に寄りかかるカステルは、寒くな
ったのだろうか、少し身を縮めるようなしぐさをした、そのすぐ後「くしょん」と女の子らしくかわいいくしゃ
みをする。 僕は、カステルが起きないようにそっとベットまで運び、ゆっくりと毛布を掛けた。カステルが
ベットに収まると、彼女の吐息混じりの寝言を聞いた。
 「ナ・・ク君・・」
 僕はカステルの寝顔をのぞき込むと、聞こえないセルフを残す。
 「おやすみ、カステル」
 僕はその一言を残して、相棒とともに部屋を出た。
 外は、朝の空気に変わっている。すーっと息を吸い込むと、生まれたばかりではないか、と思うほど澄
んだ空気が心をさます。僕はまだ陽の明かりのかすかな石畳を歩き、街角に響く自分の足音に耳を澄
ました。

 カステルの部屋を出た後、僕は駅の近くの公園で朝を迎える。相棒とともに寝袋の中、外は寒くとも、
お互いの体温で比較的暖かく、ぐっすりと寝ることが出来た。 公園に人の行き交いが始まり始めた頃
、いつものように相棒に起こされる。
 「う・うんん・はー」
 ため息とともに腕を伸ばし、体を起こした。すぐ隣にある木にもたれかかり、果てしなく続く空を仰ぐ。
 「今度はどこに行こうか?」
 僕は相棒と空に話しかけた、答えなど帰ってこないことを知っていて。 木にもたれかかりひとときの時
を過ごした後、公園を出て市場に出かけた。 この都市の市場の活気には、他の都市にはない生気に
満ちあふれている。僕は、手のひらに乗るほどの小さなパン三個と、チーズそれにオレンジを自分の朝
食として、相棒の朝食として鳥の煮込みのカンズメを一個買うことにした。ひとまず一息付ける場所を探
すためにまた公園のほうに向かって歩く。 市場の端にさしかかった頃、カダローラの言葉で書かれた
本を売る一人の老人を見かけた。並んでいる本すべてが、カダローラのもの、しかもかなり古いものだっ
た。 僕はその中の一冊を手に取り、ページをめくる。一ページ目は、こう綴られていた。
 「未だ開かざる本、未だだ語られぬ物語、そしてこれから始まる君の物語」
 その本の次のページをめくろうとしたとき、本屋の老人は僕に話しかけてきた。
 「その本が読める所を見ると、おぬしは魔法が使えるな」
 キセルを手に、老人は顔色一つ変えずに言った、魔法と言う突然の言葉に僕は息をのむ。
 「あなたはいったい」
 老人は、すっていたキセルを手から離し、落ち着いた表情でこうきりだした。
 「わしか、わしも元はカダローラにすんでいたんだよ、遠い昔のことじゃがね。」
 「では、あなたも魔法を・・・」
 「まあ、自慢できるほどの腕ではないが」
 老人は僕の瞳から目を離さない、そしてその視線の強さに少し引いてしまいそうになる、僕はこの老
人がなぜ魔法という力を見抜いたのか不思議でならなかった、僕はこの疑問を老人にぶつける。
 「でも、何で僕が魔法を使えると・・」
 僕のこの問いに、老人は余裕のある微笑みでこうきりかえした。
 「その本じゃよ、お主の持っているその本」
 「この本?」
 僕は、自分の手にしているその本に目を落とす、なんの変哲のないこの本が抱える不思議な力を、こ
の時不思議と手のひらに感じた。
 「その本はな、ある魔法を使えるものにしか読むことができんのじゃ、残念ながらわしには読めん、わし
 にはな。」
 この時老人は少しだけ頬を引き締めた。
 「ある魔法とは・・」
 老人の引き締まってきた表情を見て、僕は寒さとは違ったふるえを体に感じる。
 「わしにもよう解らん、ただわしが解っていることは、女神エーベの修得した魔法だというとこまでだ。」
 エーベの話しが出た所で、僕は、体のふるえを今よりもっと大きく感じ、それとは裏腹に心にはあつい
ものが走る。
 「なぜ、あなたはこのような本を持っているのですか。」
 手に汗が滲む、それに比例するようにして声色も荒くなってくる。
 「その本か、それもわしには解らん。」
 老人はあきらめたような表情を浮かべると、寂しそうな瞳を僕に投げかけた。僕はこの老人の表情に
隠された何かをくみ取ろうとしたが、これが無駄なことだと気づく、僕自身からもあきらめに近い言葉が、
唇からため息のように漏れた。
 「解らない・・・」
 僕のその言葉が周りの空気にかき消された頃、老人はキセルを手にし火をつける、煙は市場にまぎ
れ空に帰っていった。 二人の言葉に少し空白を感じた後、僕はいつもの質問をこの老人に投げかけた

 「それではあなたは、巨木の伝説を知っているのではないのですか」
 「巨木?ああ、エーベの伝説ならひととうりはな。」
 もしかしたらと、期待とともにそんな思いが体を貫く。
 「もしや、その木の在処を知っているのでは」
 「巨木の所在とな、あくまでも伝説としては・・・・・」
 老人は、何か大事なことを思い出したように手をたたく。
 「おお、そうじゃ、旅の途中そんな話を聞いたことがあるぞ。」
 「話!」
 「此処から西に500マイルほど行った所にゾナーという町がある、その町外れの森に神としてまつられ
た巨木があるのじゃ、その神の名はエーバといったかな、もし、なにも宛がないのなら行ってみてはどう
かね」
 「ほかにあなたの知っていることは!」
 「そう焦るな、わしが解るのは此処までだ。」
 この大陸にきて、初めて手応えのある話に体が震える。
 「そうじゃ、何かの縁じゃ、この本を持って行きなさい。」
 「どうせわしには読めんし、本がお主を選んだのだろうから。」
 「よろしいんでしょうか」
 「かまわん、もって行きなさい」
 「ありがとうございます」
 僕はこの不思議な老人に、本以外の何かも、受け取った気がした。
 「最後にこの老いぼれに、お主の名前を聞かせてくれんか」
 「カレナック・・カレナック ルシヨン」
 「わしの名は、バーンシュタイン、さあ急いで行くがいい」
 「はいっ」
 その返事の後、僕は老人に背を向け歩き出した。十歩ほど歩き、一度振り返る。しかしもうそこには、
本も老人もなにもなかった。
 市場の雑踏の中、僕は一人石畳に立ちつくす、ここから何かが始まるような気がした。

 駅に向かい、ゾナー方面への汽車を捜した。駅員に聴くと、ゾナーに直接向かう汽車はここにはなく、
その220マイル手前のホロゴンで乗り換える事になるとのことだった。 僕は18時35分発のホロゴン
行きに乗ることにした。 汽車の時間までにはまだ半日ほど残っているの、それまでの間この街での最
後の演奏をすることにした。 相棒とともにいつもの広場に行く、噴水の前には毎日のように見に来てい
た子供たちが集まっていた。
 「お兄さん、今日はヴァイオリンひかないの」
 この小さな子供たちは、この広場で僕の来るのを待っていたようだ。
 「この町での演奏は今日が最後だから、いつもと少し違った曲を弾くからね。」
 そう言って僕は、ケースを開きいつものように用意を始めた。
 「今日は最後だから、君たちの好きな曲にしよう。」
 そう子供たちに言うと、一番前にたった少女がうれしそうにこういった。
 「あのね、お兄さんの国のお歌が聴きたいの。」
 「歌、どんなのがいいんだい。」
 「お兄さんの国の言葉で歌ってほしいの。」
 この大陸に来て、こんなリクエストは初めてだった。
 「それじゃ、僕が子供の頃によく歌った歌にしよう。」
 そう言って僕はヴァイオリンを弾き初めた。イントロの部分が終わりに近づき、いま歌い出そうとしたそ
のとき、僕の後ろから曲に合わせて歌う美しい声が聞こえた。
 「カ・カステル!」
 彼女は人差し指を立て自分の唇に寄せる、僕はその後の言葉を飲み込み、黙って演奏を続けた。
カダローラの言葉で歌うカステル、人々の視線が歌う彼女に集まった。

 見て遠くかすむ地平線
 あの彼方まであなたは歩く・・
 空のように大きな
 大きな夢を胸に・・

 曲が終わると一瞬の静けさがこの場を包む、するとその後盛大な拍手がこの広場に響いた、僕たち
に贈られるその拍手はひととき二人を包んだ。 それから三曲ほど僕たちは演奏を続けた、曲の終わり
にわき起こる拍手は衰えることを知らず、ひときわその響きを空に轟かせている。 うっすらと首筋に汗を
かいたカステル、そしてその横顔は、ほかの誰にも負けないほど魅力にあふれていた。 1時間ほどし
て、僕たちは昼食をとるために休憩することにした。
「私、何か買ってくるね」
そう言って小走りに町に消えていく。 彼女は、黙って出てきてしまった僕のことをどう思っているだろう
か、僕はそのことで頭がいっぱいだった。 カステルが帰るまでの間、僕はその言い訳とどういう言葉で
綴ったらいいのか、そんな思いが頭の中を駆けめぐっていた。 すると後ろから、小枝で頭をたたかれる

 「おりゃ、そこの青年、なにを悩んでいるのかね。」
 「カステル!」
 「ごめんなさい、でもねナック君の悩んでいる顔、すっごく面白かったの。」
 カステルは、微笑みながら僕にサンドイッチを渡してくれた。
 「どうせ、どうやって謝ろうかーなんて考えていたんでしょ。」
 「・・・・・」
 「ほら、ずぼし」
 カステルのこの言葉になにも応えられなかった。
 「私ね、ナック君のことすっごく探したんだから!」
 「ご・・ごめん」
 「あのまま居なくなったら・・・」
 「えっ、今なんて」
 「ううん、なんでもない・・の・・なんでも・・」
 カステルの言葉の最後がどんどんかすんでいった。 少しうなだれていた顔を上げて、カステルはこう
言う。
 「これから、どうするの?」
 彼女は、僕の顔を見ようとせず空を眺めていた。
 「今日の夕方の汽車でこの町を出るんだ。」
 「そう・・・」
 カステルはまだ空を見たまま。
 「行くところは決まっているの?」
 「ゾナーに行くんだ」
 「遠い・・・わね・・」
 言葉が途切れていく。
 「ねえ、何時の汽車に乗るの、私送るわ」
 僕は、少しとまどったがこう答える。
 「ろく・・6時半」
 「それなら私送れるわ」
 その後、言葉が途切れた。 まだ彼女は空を見たまま、目尻に光る物が見えた。

 カステルは4時くらいまで、広場での僕の演奏につきあってくれた。カステルのおかげで、いつもより多
く稼ぐことができる。 彼女にそのうちの半分を受け取ってほしかったのだが、「いらないわ」といい受け
取ろうとしなかった。
 「私はね、自分のために歌ったんだもの、それにね、歌っていてこんなにうれしかったのは久しぶりなの」
 そう言ってカステルは、僕に微笑みかける。 僕はそんなカステルの笑顔を見ているだけで、とても優
しい気分になれた。 カステルは、「一度戻らなくては」といい自分のホテルに戻っていった。
 「6時には絶対駅に行くから」
 そう僕に言い残して。
 その言葉が消えた後、僕は旅支度を始めた。

 6時少し前、駅に行き交う人たちの歩幅は大きく、誰もが自分の目的に向かい急いでいた。 カステ
ルとの約束を果たすために、駅で彼女を待っていた。 6時少しすぎたあたりに、約束どうり彼女はやっ
てくる、かなり急いできたのだろう、少し肩で息をしているようだった。
 「間に合ったわ」
 彼女はほっとした表情でこう言った。
 「まだ少し時間はあるさ」
 僕がこう言った後、言葉は途切れた。 彼女は、駅の構内まで付いてきてくれる、二人の間に言葉は
なく、お互い少し俯き加減で足を進める。 客車の脇に来た頃、突然カステルが唇を開いた。
 「ねえ、また・・会えるかしら」
 「いつだって会えるさ」
 時間はその速度を速めどんどん迫ってくる、カステルはポケットから何かを出し、首を傾げるようなしぐ
さと同時に僕に差し出した。
 「ねえ、ナック君、これ・・持っていってくれないかな」
 彼女の手にしていたのは、ちょっと古びたハーモニカだった。
 「これ、ナック君に持っていてほしいの」
 そう言い彼女は、僕の手に包み込むようにそのハーモニカをおいた。
 「これ、大事な物じゃないのかい」
 カステルは、ハーモニカを持った僕の手を握りながらこう言葉を綴る。
 「大事な物だから、持っていてほしいの」
 「それにね・・わたし・・わけもなくせつなくなったときや泣きたくなったときに、そのハーモニカを吹いて
乗り切ってきたの。」
 こみ上げる感情を必死になってこらえる彼女、その瞳の奧には彼女も気がつかないほどの暖かさを感
じる、カステルは必死に言葉をつなげる。
 「もう私寂しくないから、もう泣かないから、だってナック君が何時も側にいてくれるんだもの、だから・・
ね」
そう言ったカステルの顔は、何か吹っ切れたような、すがすがしい笑顔になった、僕はその笑顔に精一
杯の言葉を返す。
 「ありがとう、大事にするよ」
 その言葉の後、ホームにはベルが鳴り響いた、ホームにいる人々は急ぎ足で客車に乗り込む。
 「ナック君、そのままちょっと目をつぶってくれる」
 僕の目をまっすぐ見つめるカステル、僕はカステルのその言葉に素直に従った。目をつぶると、周りを
包んでいたあらゆる音が僕の耳から消えていった、しんと静まり返った僕の心、永遠に近い瞬間、そし
て少しの空白の後、僕の唇に暖かい物が触れた。
 「元気でね・・」
 僕の耳にはその言葉だけが届いていた。
 僕はカステルの瞳を意識的に避け彼女から背を向ける、そして足を大きく踏み出し客車に乗り込んだ
。 客車の上の僕、ホームに立ち僕と向かい合うカステル、僕たちは言葉を交わさず自然とお互いの手
を繋いだ。 次の瞬間、汽車はゆっくりと走り出し、軽く繋いでいたお互いの手が静かに離れていく。 さ
よならは言わない二人、そしてその二人はお互いの距離を時間とともに遠ざけていった。
 人影のまばらになったホームには、汽車を見つめるカステルのシルエットと、冷たい風が残っていた。

 その日の夜、カステルのステージはいつものように8時から始まった。 今日は日曜日とあって、いつ
もより客数が多いようだ。 カステルはいつものように楽屋の鏡に向かい、ルージュをひきなおす。
 「さあ、今日も行くわよ」
 自分にそう言い聞かせて、楽屋を後にした。 薄暗く照明の落とされた店内に、もの悲しいピアノのメ
ロディーが満ちた頃、彼女はステージに上がった。 深紅のドレスに包まれたカステルは、せつない歌を
くり返す、寂しさをはらんだ、彼女の心の歌を。

 I come 500 miles jast too see youer halo・・
 come from・・・・

 歌う彼女の心の中には、車窓から夜の町を眺めるあの人の横顔でも見えているのだろうか。

 And you're falling, falling down・・
 Yeah you're falling, falling down・・・
 You forget all the roses don't come around sundays・・

 そこまで歌うと、今まで暗く落ちていた一番前の左側の席にランプがともされる。 そのテーブルの上
には、崩れ落ちそうになるくらいの深紅のバラがあった。 タイミング良くランプに灯をともした店員は、カ
ステルに向かってどうぞこちらへ、と合図する。 ひとときとまどった彼女、しかし彼女はそれに答えるよ
うにステージから降り、深紅のバラで満たされたそのテーブルに向かった。
 歩きながらも歌はとぎれず、そのままのテンポで歌い続ける。

 And you're falling, falling down・・
 Yeah you're falling, falling down・・・
 You forget all the roses don't come around sundays・・

 繰り返し同じフレーズが続く、ベースが少しだけテンポアップする。 テーブルの脇まで行くと、一枚の
カードとバラをかたどったブローチがあることにきずいた。彼女はさりげなくカードを手に取り、ひとときそ
のカードに視線を落とした。

 カステルへ
 誕生日おめでとう、ささやかではありますが
 このブローチをプレゼントします。
 気に入ってもらえると、うれしいのですが。
 それと、今日は日曜日なのでバラを届けます。
 今まで忘れていてごめんなさい。
 今でも受け取ってもらえるでしょうか。
          11月28日 ナックよりカステルへ

 突然のことに、胸が締め付けられる。 締め付けられる心に歌声が途切れそうになったが、それでも彼
女は歌を歌い続けた。  曲が終わると、カステルはブローチをつけステージに戻った。 彼女は、ベース
奏者の所に歩み寄り耳元で何かささやく。
 ベースの彼は、少し不思議そうな表情をしたが、すぐに今まで見せたことの無かった笑顔を見せ演奏
を始める。
 軽快に指が踊り弦をはじく、力強いベースの音が店内を満たし始めた。 カステルは、すーっと大きく
息を吸いそして歌い出す、ベースに負けないほど力強く、軽快であたたかな声で。

  I can see clealy now the rain has gone
  I can all obstacles in my way・・・

 しばらく手持ちぶたさにしていたピアニストもすぐに加わり、メロディーで盛り上がりにこたえる。

  I think I can make it now the pain has gone
 All of my bad feelings have disappeared
 There is the rainbow I've been praying for・・・

 カステルの首筋に汗が光る、ほかのメンバーたちも思いのほか盛り上がるセッションに身を任せる。メ
ロディーも歌声もステージから弾け、観客たちは黙ってその行方を見守るしか無かった。

 Look all around
 Nothing but blue skies
 Look straight blue skies

 最大の盛り上がりを見せ、観客たちは息をのむ、ステージに立つメンバーたちはすべてカステルの歌
声に身を任せているようだった。 カステルは、たとえ晴れていなくても永遠が見えているような、そんな
瞳をして歌い続ける、いや、この時彼女には永遠が見えていたのかもしれない。
曲は終わりに近づき最後のフレーズに続く。 斜め上を見上げカステルは歌う、最後の力を振り絞るよう
に。

 It's gonna be bright・・・
 sunshiny day・・・

 少しの沈黙の後、一つ二つ、手をたたく音がしたかと思うと、店内は激しい拍手の嵐におそわれた、
この店始まって以来の盛大な拍手だったのだろう、店員もかなり驚いている様子だった。
 この日この店は、明るいカステルの歌で満たされた、暖かく、そして包み込むような、そんな彼女の歌
で。
 11月28日、冬の冷たい風がさす、星の輝く寒い夜だった。

 今頃、カステルはどうしているだろう。この日の夜、僕は客車の中でこんな事を思いながら外を眺めて
いた。
 「それにしてもあの店の店員、やけに調子よかったけど、ちゃんとカステルに渡してくれただろうか。」
 店の店員の粋なはからいもしらず、僕はそんなことを心配するのだった。
 「よう、相棒よ、この次からは野宿が続くぜ、ほとんどあのプレゼントにつぎ込んじゃったもんな」
 相棒は、寝ていてなにも答えない。 この日の夜は、永遠に続くかのようにながく肌寒い夜だった。 
僕は、カステルからもらったハーモニカを手にし、この寒い客車の中で眠った。
 長い、永い夜だった。

                                                         End




がーらんどです。
あとがきというようなものではないのですが、妄想内の歌についてこの場にて説明させていただきます

 この物語の中、カステルの心境を歌に照らし合わせていきました。

 まず初めに出てくる

 Que sera ser・・・・
 Wahtwver will be will ・・・
 The future's not uors to see・・・

ドリス・デイで有名なQUE SERA SERAの一部です。
イメージとしてはちょっとかわいい曲なんですが、これをスローバラードのイメージで。

 ケ・セラ・セラ なるようにしかならない 未来は神様にしか分からない

 といったところでしょうか、ワーランドの未来は誰が知っているのでしょうか?
そんな思いを込めて。

これは2回出てきます、トム ウェイツのFalling Down.

 And you're fallng, fallng down・・・・
 You forget all the roses don't come around Sunday・・・

 落ちていく 崩れ落ちていく
 あなたは忘れている、バラは日曜に届けられないことを。

 カステルは、今でも日曜日に届けられるバラを待っているのでしょうか。

 そして最後、I can See Clearly Now、最近いろんな人が歌っているのですが、私恥ずかしながらオリ
ジナルが誰か知らないんです。
とてもいい歌です、これを聞くとすがすがしい気分になります。

 I can see clealy now the rain has gone
 I can all obstacles in my way・・・  

 もうすっかり雨は上がった 
 前を遮る物はなにもない  

 I think I can make it now the pain has gone
 All of my bad feelings have disappeared
 There is the rainbow I've been praying for・・・  

 もう大丈夫 痛みはとれた 
 いやな思いもみんな消えた
 ごらん 空には祈りの虹がかかっている

 Look all around
 Nothing but blue skies
 Look straight blue skies  

 見渡す限り
 青空ばかり
 ずっと向こうまで  

 It's gonna be bright・・・
 sunshiny day・・・  

 明日は晴れ・・
 輝く明日がきっとくる・・  
 こんなイメージでしょうか。

 ワーランドに、輝く明日は必ず訪れる。カステルはきっとこう言いたかったのでしょう。

 カステルが自分の思いを表現するには、彼女自身、歌を歌うことを選ぶのではないでしょうか、これは
あくまでも僕の妄想ですが。

BXJ02444 takaki@mars.dtinet.or.jp ちゅーりっぷ☆くらぶ 会員番号15 給食委員
【トリフェルズ演劇団:エルツの"え"】会員番号4 広報担当 
カダローラ王立妄想協会【妄想の泉】会員番号15 妄想星見人
                                                       がーらんど



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