まず、名称ですが「ラーメン」ではなく【中華そば】です。これだけはこだわりたい。 特徴 味や見た目については、大きく分けて2つの流れがあります。 スープの色で説明すると、1つは、醤油の色が強い「車庫前系」と呼ばれるもの。 もう1つは、醤油ダレを白濁スープで割り、茶濁した「井出系」と呼ばれるもの。 麺や具は、両系統ともまあだいたい同じようなものです。 スープ (車庫前系)トリガラ+トンコツの醤油味で、店により海産物や野菜類が入る。 トリのダシが比較的強く、底辺をトンコツが支えているというもの。 すっきりした中にも、コクとうま味のバランスが良い。 醤油が強い部分もあるが、飲みやすいスープ。 (井出系) こちらは、とんこつをじっくりと煮出し、脂肪分を乳化させたスープを、 醤油ダレと合わせ独特の茶濁色と舌触り、喉ごしを演出している。 現在の和歌山ではこの井出系が最も主流といえるでしょう。 麺 細麺で、そこそこコシがあるが、すぐにのびるという困ったヤツが主流。 和歌山では柔らかめが普通。麺の断面は四角い。 具 チャーシューはバラ肉を醤油で煮たものを薄切りし、切り置きしておく。 乾いてパサつき気味だがスープに浸けて食べるのであまり気にならない この煮汁が醤油ダレとしてスープやメンマの味付けに利用される。 ナルトではなく、赤いふち取りのかまぼこで、これは絶対である。 といいたいところだが、使用しない有名店もある。しかしこの特色は 残して欲しいと強く願う。 ネギは青ネギ(万能ねぎ)メンマは若干甘めでコリコリ感多少あり。 胡椒が最初からか振りかけられているお店が多いことも特徴である。 サイドメニュー テーブルには、かならずといっていいほど、お寿司が置いてあります。 早寿司と呼ばれる鯖の押し寿司です。また、巻きずしやおにぎりなども 店によって置いてあり、これらは店毎に値段が違います。(100円〜250円) さらに、ほぼ100%でゆで玉子は置いてありますね。(50円〜100円) 食べ方としては、麺が来るまでのつなぎに食べる、ラーメンに入れる、といろいろです。 ゆで玉子をつなぎに食べる人用に、テーブルには卓上食塩が置いてあります。 呼称 和歌山ではラーメン(中華そば)のことを「そば」と言います。なのでラーメン屋さんは 「そば屋」となります。全国区で言うところの蕎麦のことは「くろそば」「日本蕎麦」 などと中華そばと区別を付けるための修飾がつきます。 注文の仕方 基本的には中華そば1本でやっているので、メニューは1つ。あるいは「特製」といった ものがあります。これは大抵はチャーシュー麺です。 上の呼称を踏まえて、注文する時は「そば1つ」でOKです。 また、「ひとつ」「1個」というように数だけでも通じます。「1個、固めで」が僕の定番。 精算時には「寿司1個とたまご」などと、食べたサイドメニューの分も自己申請します。 その他 ほとんどのお店のキッチンはクローズドになっています。(要するに客席から見えない) 作り手が奥にいるせいで、注文聞きの人と同一人物ではないことが多い。 理由としては、あくまでも推測の域ですが、 1、昔は家屋の一部を使っていたので構造上そうならざるを得なく、 そしていつのまにかそれが標準として確立された。 2、盗み見されないための工夫。 3、店主が恥ずかしがり屋(笑) こんなところでしょうか。 全国的には超マイナーな和歌山中華そば。 そのうちブレイクすることを信じて応援していきたいです。 |
東京にも「まっち棒」や「のりや」といった和歌山(風)ラーメンの店がありまして、 メニューを工夫したりといった姿勢はすばらしいと思います。両店とも僕は好きです。 |
更に、98/10/1より、新横浜ラーメン博物館にて「井出商店」が、半年の期間で出店することと なりました。和歌山を背負って立つ超エース級がついに関東へ進出したわけです。 これを機に和歌山ラーメンを出す店が関東にも増えるか? まあ、とにかく和歌山ラーメンの知名度が上がることは間違いないでしょう。 |