すばらしきつけ麺の世界へようこそ


そろそろ認知度も上がってきたようで、今後のつけ麺界が楽しみなのだ


つけ麺とは ゆであがった麺を一旦冷やし、きゅっと締まったところを熱いつけ汁に浸してずずっと頂く。更に、麺を食べ終わると、残ったつけ汁にスープ(蕎麦でいうところの蕎麦湯)を入れてもらって2度美味しいというものである。
バリエーション 基本的には、熱いつけ汁冷たい麺だが、麺、つけ汁の両方熱いもの(通称:あつもり)、両方が冷たいもの麺が熱くつけ汁が冷たいもの、といったパターンがある。更に、お湯の中に麺が入っている【うどん】でいうところの「釜揚げ(湯だめ)」のものもある。
食べ方 特に決まり事は無い。蕎麦やそうめんを食べるのと同じである。
ただ、ラーメンとは違い、麺が独立しているので、数本くらいは
つけ汁につけないで麺だけを食べて楽しんでみることを推奨したい。
また、スープ割り用のスープがあらかじめ容器に入って個別に出てくる店もあるので、そんなときはレンゲなどにスープだけを入れて飲んでみても楽しめるだろう。但し、あまり味はしない。

用語 呼び名・・・つけ麺 つけそば もり もりそば もりラーメン ざる ざるラーメン など
温かい麺・・・あつ 温盛り(あつもり)  「ぬくもり」とは言わない(笑)
つけ汁・・・たれ つけだれ 汁
スープ割り・・・割り スープ そば湯
つけ麺愛好家・・・つけめニスト
歴史 このつけ麺の発祥については、最有力説として、池袋にある「大勝軒」の店主、山岸氏が、中野の「大勝軒」で働いていたときに考案した、というもの。昭和30年頃のことである。名称は当時から今も「もりそば」である。ただ、日本には古くからそうめんや蕎麦ではおなじみの【麺をタレに浸して食べる】という発想があるので、それを誰かがラーメンに持ちこんでもおかしくないと思われる。
なので、発祥が「大勝軒」説だけではなくいろいろあってもいいと著者は考える。 その答えは「ラーメン」の語源と同じで、曖昧にしておいたほうがいい。想像力を膨らませたところで楽しんでいきたい。

以前、ほんの少しであるがブームになった。今も点在するが「つけめん大王」チェーンである。
また、ブームとは別に「丸長」グループのお店もこれを取り入れて主力メニューとしている。
以前、インスタント麺でもハウスが出したこともある。が、しかし当時はあまり注目されなかったようだ。
さて、その発祥の地、中野には今も数多くのお店がつけ麺を出している。そういったところから考えると、中野という土地に根付いた地のラーメンではないかと考える。
そんなこんなで2000年に入って、またこのつけ麺が注目を浴びてきているようだ。
これまでの知名度の低さから脱出し、一大ムーブメントを興しうるかどうか楽しみである。
今後を見守っていきたいと思う。

個人的意見 バリエーションとしてはいろいろと紹介したが、やはり正道としては冷たい麺に熱いつけ汁、これである。
この
温度差こそつけ麺の醍醐味であると信じて疑わない。
熱いつけ汁が麺によってだんだんと冷まされる、最後の方になるとほとんど冷たくなってしまう。
そこに熱々のスープを注いでもらって、息を吹き返したつけ汁を一気に飲み干す、これが正しい姿であるのだ。

温度の波を楽しむ。これこそがつけ麺である。もちろんスープ割りがない店もある。その場合でも温度差は楽しめるので特に問題は無い。
僕は
『あつもりは推奨しないと強く明言しておく。
温度差を楽しめないばかりか、麺もぶよぶよになって間の抜けた感じになる。もちろんあつもりの美味しいお店もあるけど。
ここで一言、暴言を吐かせてもらおう。

「あつもりを食べるなら普通のラーメンを食え!」(笑)

また「あつもり」や「スープ割り」が正式に明示されていないお店の場合、常連でもないのに知ったかぶってそれを頼むのはとんでもない行為である。一頃、「麺固めで」が通っぽい注文だという勘違いな風潮があったけど、それと同じだ。さらに、無理にあつもりをさせたり、できないと断られたからといって、お店を非難したり周囲にぶちまけたりする人には、つけめニストスピリッツが無いと勝手に決め付けたうえで、普通のラーメンでも食べていてくれと願う次第である。