8月9日 JR静岡駅に集合する。今回は岩崎さんの地元という事で彼の案内で静鉄のバスターミナル新静岡に向かう。
ここでも岩崎さんの情報によりバスカードを購入、約3割の経費節約を実現、さらに乗車前の荷物計量では泉さんからのメール通達の効果で10Kg以下が殆どであった。
(9:50)新静岡からのまずJR静岡駅に寄り、ながいバスの旅が始まる。途中、2回の休憩をとりながら富士見峠を越え、井川を通って行く。畑薙第一ダム下で東海フォレストの送迎バスに乗り換え椹島に(14:30)到着する。ビジターセンターでチェックイン。椹島ロッジは風呂もあって民宿の雰囲気である。夕方から雨となる。
8月10日
4:15起床 5:00朝食 5:40出発。晴れ。ロッジの横の道を直進し林の中を林道まで登る。東海フォレストの大きな標識があり我々はその持ち山の真中にいる事が判る。滝見橋手前で林道からそれて登山道に入る。ガレ場の手前から尾根に向かって登る道となり中部電力の標識が目立つ。
(7:55)林道を横切るところで2回目の休憩。結構登っている人が多くにぎやかである。
(9:40)清水平下の水場で食事とする。冷たい水が豊富に湧きでている。
(10:43)蕨段の下あたりで休憩。この辺りは確かに蕨が多い。駒鳥池にさしかかる頃弱い雨となるがたいした事はなかった。色々な花が目に付くようになったが良く判らないものも多い。いや判らないものの方が多い。その中でも目に付くものがありなんと言う花だろうと話し合っていたら見知らぬ人からそれはカニコウモリと、セリバシオガマだと教わる。今回の収穫である。途中木馬道あとと言うところを通る。以前この辺りは伐採されたらしい。いまは立派なシラビソなどのの林である。トリカブト、シシウド、アザミの多い草地が目立つ頃(13:45)千枚小屋に到着する。小屋主は筋金入りの阪神ファンらしい。いい人である。2階上段に荷物を整理した後、小屋前のテーブルでビールなどでくつろぐ。今日は軽く小手調べといったところである。
8月11日
3:45起床 4:30朝食 日の出を眺めた後(5:10)出発する。下界は雲海に覆われているが上は綺麗に晴れている。小屋上の花畑を横切り大きなダケカンバの間を抜けていくとやがてハイマツ帯に入る。左手に赤石岳が朝日を浴びて鮮やかである。1ピッチで千枚岳に達する(5:56)。北に塩見岳が大きく見え、その右手に間の岳。南西の方向には今日越えていく赤石岳とその左に聖岳が望まれる。千枚岳からしばらく花の多い岩場の道となる。シロバナタカネビランジ、マツムシソウが大変多い。丸山への登りはなだらかな砂礫の道である。日差しがきつい。雲の上に顔を出している富士を背に登っていく。
(6:55)丸山。ますます視界が広がっていく。丸山からはまた岩稜帯になる。
(7:35)悪沢岳に到着。今回山行の最高地点3141mである。ここで大寄さんが取りだしたのがパイナップルの大缶である。最近のワンゲルでは山頂でフルーツ缶を空けるのが恒例となっているとか。道理で彼の荷物は重い訳だ。その後、赤石岳、聖岳と合計3つの缶詰を味わう事になる。良い習慣である。ここからは塩見岳の向こうに仙丈、甲斐駒が大きく姿を現す。さらに中央アルプス、御岳、乗鞍、そして槍穂高から続く北アルプスが遠く望まれる。そして行く手には大きく落ち込んだ先に中岳がそびえている。悪沢からの下りはジグザグに一挙に下っている。振りかえってみると逆光に黒々とそびえていた。
(9:00)中岳避難小屋は山頂手前の肩にあるかわいい小屋だ。中岳頂上からはなだらかな道が荒川前岳までのびている。ちょうど中間に荒川小屋へくだる分岐がある。ここに荷物を置き、前岳まで往復する。前岳からは荒川崩れの谷が覗ける。帰ってきて昼食とする。下りは岩場混じりの花とハエの多い道である。(10:30)水場。ここでは黄色のシャツの岩崎さんが大変ハエに好かれていた。
(10:58)荒川小屋。道は荒川小屋を経由するため一度下り、また登り返している。低潅木帯を登り返すと長い気持ちの良いトラバースとなる。ただ気がかりなのは赤石岳への登りがぐんぐん高度感を持って迫ってくる事である。大学ワンゲルパーティーとすれ違う。光から北岳まで行くとの事、まだまだ日本も大丈夫だ。(11:42)大聖寺平は砂礫の多いただ広漠とした場所である。振りかえると荒川前岳が岩の多い山容を見せている。赤石岳への登りはきつい登りである。が、漆戸さんは着実に1ピッチで登りきる。沼津から来て今日は赤石避難小屋に泊まり写真を撮るという人と同行。(12:55)赤石肩に到着。赤石岳までは意外とありそう。ガスが出てきて視界がなくなる、と、雷鳥の親子づれが現れた。子鳥はえさ取りに夢中で親鳥は私たちが危害を加えぬように監視体制。
(14:00)赤石岳。ここまで来ると人気も少ない。やはり千枚小屋からは遠い。赤石避難小屋は山頂のすぐ隣にある。これは一度は泊まってみたいところである。赤石からの下りは岩の多いところである。たまに岩ギキョウ、ウサギギクがあるぐらい。(15:05)馬の背にさしかかる。晴れていればさぞ気持ちの良いハイマツの間を行く稜線歩きだが今日は残念ながらガスで視界なし。
(15:50)広い草地になると百間平である。ここで早足の登山者(ランナー?)に抜かれる。いまから聖平まで行くとか。百間洞への下りは結構厳しい。シシウドとトリカブトの多い谷に入ると小屋はすぐである。(16:35)百間洞小屋到着。さいわい名物のトンカツにありつく事が出来た。今日は32273歩。う〜ん遠かった。
8月12日
4:00起床 4:30朝食 5:10出発。快晴。小屋からダケカンバの多い潅木帯を登る。ハイマツが多くなると中盛丸山の鞍部は近い。今日も日差しはきつい。中盛丸山の登りはきついが長くはない。(6:36)中盛丸山。赤石岳の左奥に遠く荒川三山が見える。昨日はよく歩いたものだ。行く手は今日越えていく聖岳が大きい。今日は伊那谷にも雲がなく、木曽駒、宝剣、空木の山並が良く見える。
中森丸山からまた下って登って(7:36)小兎岳、また下って登って(8:36)兎岳である。ハイマツの綺麗な気持ちの良い道であるが登降が多い。兎岳からは巻き道の多い下りとなり潅木帯になる。(9:30)最低点で昼食とする。聖兎コルというらしい。伊那側に絶壁があり赤い岩(ラジオラリヤ)が大きく露出している。
ここから聖岳への長い登りとなる。これが最後の登りと頑張る。ここでも元気な学生サークルのパーティーとすれ違う。所々にミヤマシオガマなどのきれいな花を見る。アザミに似た小さな花があり何だろうと判らなかったがあとでシラネヒゴタイという事を知った。
(11:50)聖岳に到着。最後のフルーツ缶を空けて記念写真をとる。あと 奥聖岳往復に出かける者、日陰を見つけて思いにふける(?ただ寝ていただけ?)者と自由な時間を過ごす。赤石岳から馬背にかけての稜線が手にとるようにみえる。奥聖岳へは岩場とお花畑を抜けていく。花の盛りは過ぎチングルマの穂がいっぱいあった。奥聖岳からは遥かに悪沢岳が見える。南には上河内、茶臼、そして遠く光岳とつづく。
(12:50)今日の宿泊地、聖平小屋の赤い屋根をはるか下に望みながら聖岳南面のガレ場をジグザグに下っていく。下りきったところの右の岩壁のところに湧き水がある(13:20)。この辺りにも岩壁にしがみついて咲いているタカネビランジが多い。
(13:50)小聖岳を過ぎると樹林帯に入っていく。いままで見たこともないようなトリカブトの大群落があった。
(14:40)アザミ畑分岐をすぎ上河内岳が行く手にぐっとそびえてくると左手に聖平小屋に続く木道となる。
(15:15)聖平小屋に到着。天井の高い広々とした小屋である。受付のお兄さんも気持ちがよい。小屋の前のテーブルでいつものように無事到着を祝う。夜には満天の星。
8月13日 4:00起床 4:30朝食 5:20出発。聖岳が幅広くその南面を見せている。道はなかなか高度を下げない。やがて急な斜面をジグザグに下るようになる。橙色の見なれない花がある。あとでフシグロセンノウと知った。
(8:10)聖沢吊橋を渡りさらに巻き道を行くと植林帯に入る。登山口はすぐ下である。
(9:28)登山口に到着し、昼食とする。(10:00)登りのバスに何とか乗せてもらい椹島へ行く。早速帰りのバス(11:40)を押さえ時間を気にしながら大急ぎでシャワーを浴び、念願の生ビールを空けたのである。
帰りは椹島から畑薙第一ダムまで東海フォレストのバスに乗り、(11:20)そこからは静鉄バスで来た道を静岡まで帰る。途中休憩したところでおばあさんが売っているおでんを食べる。よく売れているようである。(16:30)静岡駅に帰着。駅ビルで打ち上げとする。長いコースであったが無事踏破出来てホッとする。よいメンバーと天候に感謝!
竹辺 記