ニュージーランド・ハイキング満喫8日間

ニュージーランド・ハイキング満喫8日間


2005年11月20日−27日 「ニュージーランド・ハイキング満喫8日間」に参加した。
参加者:漆戸夫妻、堀井夫妻、石黒さん、辻川さん、大寄さん、竹辺
20日  成田より出発
21日 オークランドで入国。登山靴の裏をしっかり調べられた。 国内線ターミナルまで歩く途中でポフツカワという赤い花があった。
快晴のクライストチャーチ空港で今回のガイドを担当していただくディビッド・デュ‐ルさんの迎えを受ける。ディビッドさんは日本語が堪能な名ガイドである。
まずは 13:00モナ・ベール邸イギリス風庭園を見学する。薔薇が沢山咲き見事であった。シャクナゲなどもあり完全に英国風であるが、NZらしいのは羊歯の展示室があることである。大きな羊歯が種々植えてあった。そのあとショッピングセンターで昼食などの買いだし。 クライストチャーチからは1号線をたどりカンタベリー平原を南下する。(緯度が大きくなるから南上と言うべきか) やがて1号線から右折し内陸を目指す。この辺りで雨に会う。TinShedで休憩。寒い。道路が丘陵地の中をうねりながら行くようになり、まるでイングランドの雰囲気である。
さらに進みマッケンジーカウンティに入ると景色は荒涼とした褐色となる。マッケンジーというのは昔の羊泥棒で追われてこの地に逃げてきたとか。この地に育つメリノ種の羊は最高のウールだそうだが薄ぎたなく汚れている。 NZの観光写真に出てくるルピナスが道端に延々と咲いている。それとエニシダの蔓延は問題になっているらしい。これからも保護地の外では常にみられる光景であった。
18:00テカポ湖畔にたつ良き羊飼いの教会。時間が遅く閉まっていた。近くに牧羊犬の像もある。
今日の植物:タセック(ススキの葉だけのようなもの。イネ科で穂がでる。)
マタガオリ からたちの木の刺だけのような針だらけの植物。マオリ人が刺青をするのに使ったそうだ。牧羊犬の像の周りに沢山生えていた。
ホーリースパニア(スペインの剣のように恐ろしい!)
テカポ Godly Resort泊。テカポのメインストリートには数軒の店があるのみだが寿司やさんもある。 星の観測は曇りのため中止。(近くの山上に天体観測所がある)

モナ・ベール邸の庭園 良き羊飼いの教会
22日 クック山
朝、テカポ湖畔を散歩。快晴。ルピナスが群生しており、兎も棲んでいる。これも外来種で増えているらしい。湖の周りの山は昨日の雨が雪だったらしく新雪で化粧していた。
8:00 出発  8:25羊の群が道路を横断中。牧羊犬が誇らしげに羊を誘導していた。羊は牧草を追って区画から区画へ移動させていく。 プカキ湖に沿ってマウントクック村を目指す。村の先にWhitehorse(白馬!!)というキャンプサイト、駐車場(9:20)。
  9:55 ハイキング出発。左手にセフトン山が雲間に顔を出す。  ひとつめの吊橋を渡り小高い丘の上からミューラー氷河を望む。まるで岩、砂の流れだが氷河湖に流れ込んでいる先端には青い氷が見える。上のほうのセフトン山、フットスツール山の斜面では雪(これも氷河)が時々轟音をたてて雪崩となり、滝のように落ち煙を上げている。 やがてマウントクック・リリーが見られるようになる。名前はリリーだがキンポウゲ。(世界で最大のキンポウゲ) エバーラスティングディジー(永遠のデイジー)という良い名の花もある。NZの花はほとんど白い。 クック山は頂上部分に雲がかかってなかなか全貌をあらわさない。10:55崖に沿った所からふたつめの吊橋をわたり木道をいくと避難小屋がありトイレもあった。マウンテンクックリリー、ホーリーエスパニアなどが多い。
11:20 クック山の雲が取れ頂上が見える。頂上付近はいくつもの氷河が青白く輝いている。南から頂上へ競り上がっていく尾根もすばらしい迫力である。 11:50 フッカー氷河が流れ込む氷河湖端に到着し食事。氷河湖の水は青白濁しており試飲したが旨くなかった。
12:30記念写真をとり帰路につく。クック山、セフトン山、フットスツール山などがすばらしく何度も立ち止まってはみとれる。 時折雷のような音がして雪崩がおきる。 14;30 登山口。ここには世界各地からの人が見られる。Kiwi(NZ人)の見分け方:半袖半ズボン?
帰りにHermitageホテルに寄る。ここのトイレの洗面は使うのに勇気がいる。 ホテルからはクック山を望むことが出来、ヒラリー像がロープを肩に立っていた。 帰路広大な谷の奥にクック山を見る事が出来た。クック山はマオリ語ではアオラキという。「天の息子」という意味だそうだ。まさにそういう感じでそびえていた。またこの辺りは野バラが多くローズヒップが取れるとのこと。漆戸さん少し気になる。
16:30 タセックがいっぱいのリンデス峠を越えると緑が増えてくる。 17:00良いハニーが採れるというリンデス谷を通りタラスで右折し最近どんどん開けているというワナカに着く。今日のホテルは湖畔のポプラが美しい Edgewater Resort。部屋はリビング・ダイニングキッチン付きでとても広い。部屋の外は湖へ続く芝の庭で向こうには雪をいただく山々を望むという絶好の地。これで一泊だけというのは残念。
ディビッドさんがいろいろ説明してくれる ふたつ目の吊橋を行く

見えた! クック山! 氷河湖のところで記念撮影
23日 アスパイアリング国立公園、ロブロイ氷河
8:00 出発 しばらく湖に沿って北へ。やがてマツキツキ川沿いにU字谷の中に広がる牧場の中の道を行く。大規模な牧場はStationと呼ぶらしい。 ヘリコプターを使っていた。ディビッドさんが牧場の中で隔離されている雄牛にさかんに同情していた。
羊はいま子羊を連れている。大体2頭ぐらいが多いようだ。まだ長い尻尾を振りながら親羊の後を追いかけているのがとてもかわいい。
8:50 途中の道路からアスパイアリング山を望む事が出来る。この山はNZの人でもあまり見たことがないそうだ。マツキツキ川西股(WestBranch)に入るとFordとよぶ道路が小さな流れを橋もなく直接横切る所が多い。
9:25 ラズベリーハットに到着。サメの歯(Sharks Tooth)という鋭くとがった山がすぐそばに見える。
9:40 出発。牧場の中を時には横に並んで歩いていく。Paradise Duck(プタンギタンギ)という胸をふくらませる鳥が川の中の岩の上で遊んでいた。 10:08 吊橋を渡り林の中へ。10:17 見晴らしよいところへでる。眼下には自然のままの川が美しい。ここからロブロイ谷へ入り森の中をゆるやかに登っていく。 水がしたたリ落ちているところにスパイダーオーキッドというのがありディビッドさんが一生懸命に花を探すが見つかラン。ここにもイタチの捕獲器あり。
今日の植物:トッタラ(ディビッドさんがトッタラあかんと覚えろという。大阪弁だ!)
11:25 滝見台とも言うべき休憩所。大きな滝が見えるがどうも名前はないらしい? デイビッドが漆戸滝だという?(勝手に名前をつけた!) やがてロブロイ氷河が見えてくる。かなり大規模な雪崩が落ちていった。
12:15 ロブロイ氷河展望台に到着。草むらで氷河を向かいに見ながら食事とする。 キアーというカラスより一回り大きい鳥(オウム)が2羽いてこちらを伺っている。何でも持っていってしまうから気を付けろとのこと。辻川さんの荷物が狙われた。
  13:10 記念写真を撮り帰路につく。
16:15 ホテルに戻り荷物を積み込む間にビールで乾杯!  スパイツ・ゴールドメダル(地ビール)。 ゴールドラッシュ時代の名残が残る谷をとおりクィーンズタウンに向かう。ポプラのあるところはその頃に家があったところだそうだ。
17:35 クィーンズタウンを望む岡の上にでる。眼下にすばらしい眺め。高価な邸宅があるクィーンズタウンのアップタウンを見学後、今日の宿のノボテルに到着。
夕食はFishboneで待望のGreen-Lipped Mussellなどを堪能。観光地でウエイトレスのお姉さんも陽気である。 夜になって湖畔から南十字星を探すが良くわからない。ホテルのお姉さんもわからない? ディビッドさんに電話しようか?
右奥がアスパイリング山 林の中を行く

キアー ロブロイ氷河をバックに
24日 ルートバーン・トラック
8:00 出発。ワカティブ湖に沿って北へ向かう。 景色の良い道路である。湖に島が二つ見える。伝説によれば湖に沈んでいる巨人の肩だとか。遠く白い峰が見える。Major peakとMinor Peakと言うらしい。名前をつけるのももう面倒になったのか。ワカティブ湖の最北端にアルフレッド山がある。この辺りはロードオブザリングの撮影が行なわれた所らしい。川を渡りさらに先へ行く。まっすぐ行くとパラダイスという所を左折して草原のところのルートバーントラックの入り口に着く。トイレは少し奥にある。最近崖崩れでルートが少し変更になったらしい。
10:10 出発 吊橋を渡り森へはいる。今日は鳥の紹介。
イエローヘッド(頭が黄色い 林の下のほうにいるがなかなか見つけられない) リロリロ(高い木の上にいる。声だけで姿が良くわからない) ファンテール(尾を扇のように広げ見せびらかす。近くに来るがじっとしていない)。
ブナの説明。NZのブナは日本とまったく異なる。まず常緑樹である。それと葉が小さい。どう見ても日本のブナとは縁遠いようだ レッドビーチ、シルバービーチ、マウンテンビーチの3種類がある。多いのはレッド。
その他今日の植物。ランスウッド(槍のような尖った葉。大きくなると丸い普通の葉に変わる) マーブルリーフ(大理石のような模様がある) スティンクウッド(臭い) ハウンドタング(犬の舌のような葉) ワインベリー(ワイン色の花と実) ブッシュロイヤー(刺があり邪魔になる) ジャイアントモス(3cm位の大きな苔)。
11:30 見晴らしの良いところで休憩。通ってきた谷が広がっている。ここから先は谷が狭まり谷底は急流である。
12:03 Forge Flatという平らな林になる。昔馬の蹄鉄の鍛冶があった所だそうだ。細流、湿地があり 12:40 2つ小さな吊橋を渡り川が大きく広がる Routeburn Flat につく。河原に出て食事とする。今日はディビッドさんちで作ったおにぎり弁当!鮭もとってもおいしかった。河原からはルートバーントラックの滝とフォール小屋が見える。記念写真を撮ったあと出発。川の水を夜の水割りのために確保。
13:30 帰りは鳥の姿を探しながら帰る。カカリキ(インコ)。
15:20 駐車場へ。ハニーを取るマヌカの白い花が咲きはじめている。 クィーンズタウンに戻る。レストランが沢山あるのでそれを選ぶのもまた楽しい。今日はNZ料理のレストラン(Britannia)。ラム、アンガス牛などが最高においしい。ワインはもちろんセントラルオタゴ産。
ワカティブ湖の北部。 ForgeFlatの近くを行く

ルートバーン・フラットにて ルートバーン・フラットにて
25日 ミルフォード・トラック
7:30 出発 ワカティブ湖畔を南へ。キングストンには昔の鉄道が今は観光用として走っている。が実物は見れず。
テ・アナウはフィヨルドランドである。湖に面した観光地でミルフォード・サウンドへいくツアーのベースである。ここでランチを積み込む。
10:30 テ・アナウ ダウンズから船にのる。湖岸にラータという木があり赤い花をつけ始めている。あと10日もすれば真っ赤になるとのこと。 NZ Xmas Treeというそうだ。(船員さんがいろいろと教えてくれる。)
11:40 グレードワーフに到着。外来種の植物などの侵入を防ぐために下船するときに靴の裏を液で洗浄する。すぐミルフォード・トラックとなり森の中の道をしばらく行くと大きく開けたところに出る。
12:04 グレード・ハウスである。案内付きの登山者(Guided Tour)のための立派な施設である。これの運営は民間会社でやっているらしい。他にDOC(環境保護庁)が運営している小屋もある。 小屋の前をクリントン川が流れている。澄んだ水量の多い川である。ディビッドが「ウナギが泳いでいる」と指さす。大きなウナギが悠々と泳いでいた。昔NZに来たマオリ人はモアとともにウナギも食べたそうだ。
吊橋を渡り川沿いの森の中の道を行く。 道端にグリーン・フーデッド・オーキッドが生えていた。このランは受粉を促進するために来た虫を中に飛ばすという手の込んだ事をする。ディビッドさんが一生懸命に実験をして見せてくれた。
川向うの大木にツーイがいた。首に白いところがある黒っぽい鳥である。ロビンはすぐそばまで来て人に興味を持っているよう。 大きな綺麗な響く声で鳴くのがベルバード。それにミロミロ。しかし姿が見えない。
13:08 道からすこし入った所の大きな赤ブナがあるところで休憩。樹齢は数百年とか。 しばらくいくとマッキンノンの2マイル小屋跡がある。グレードワーフから2マイルということ。 淵にブラウントラウトがゆっくりと泳いでいた。これは外来種である。 Wet Landの標識から脇道に入ると湿地がある。ここにある水苔はランの栽培用などに日本に輸出されているものと同じ。
14:05 クリントン小屋(DOC)に到着。小屋の裏手にあるヘリ用のデッキで食事をとる。開けた場所で周りの森と山が静か。
14:50 帰路につく。帰りはいつものごとくマイペースで歩く。ディビッドさんはゆっくりとスイーパーで後ろからついて来る。ロビンが道路で遊んでいてすぐそばまで来る。途中で河原にでられるがクリントン川の河原はきれいな花崗岩である。
16:00 吊橋の所まで戻ると先に行った連中が橋のたもとの草原でくつろいでいた。至福のひとときである。 17:00 帰りの船で乾杯! バーのおじさんも一緒になって盛り上がる。
テ・アナウに戻ったあと、簡単に食事を済ませて土ボタル(Glow Worm)を見に行く。船で30分ばかりの湖の対岸にある。最初施設の中でパワーポイントの説明を受けたあと鍾乳洞の中へ入っていく。滝がありすごい水量だ。渡し舟のような船で奥へ行き、さらに船に乗る。照明が消され真っ暗な中にまるで宇宙を見るような幻想的な光に見とれる。(声を出してはいけないのでまた余計に神秘的)。ツチボタルというのはホタルではなくファンガス・ナット・フライという昆虫の仲間らしい。幼虫が餌を捕るために光を発する。すべて真っ暗な洞窟の中なのだがちゃんと餌になる生物がいるのだそうだ。不思議な話だ。
テ・アナウに帰る船はほぼ真南に走る。前方に南十字星らしきものが見えるので船長さんに確認するとそうだという。さかさまで結構低い位置に光っていた。(最小の星座だそうだ。)
今日はテ・アナウ泊。ディビッドさんも入り反省会。反省することもなくすべて満足でした。
グレード・ハウスの近くで グリーン・フーデッド・オーキッド

赤ブナの大木 クリントン小屋にて

クリントン川の吊橋を行くディビッドさん、くつろぐメンバー クィーンズタウンを見下ろす
26日
今日は出発が遅いためゆっくりと起床。 朝食後湖畔を散歩する。ミルフォードトラックの峠に名を残しているマッキンノンの銅像があった
10:00 テ・アナウからクィーンズタウンへ昨日来た道を戻っていく。昨夜堀井さんがコピーしてくれたワンゲル歌集の歌を歌いながら走る。ディビッドさんもびっくりしたことだろう。 ファイブリバーというあたりはとても綺麗なところで釣りにも良いところらしい。
今日も快晴でワカティブ湖の眺めも素晴らしい。クィーンズタウン空港でチェックインした後に町を見下ろすスカイライン・レストランで食事をする。パラグライダーやバンジージャンプなどが見える。
ディビッドさんの見送りを受けて空路オークランドへ。ディビッドさん、どうも有難う。ちなみに彼の夢はクィーンズタウンに銭湯を作ることだそうです。きっと壁にはクック山の絵を書くのでしょう。機中からクック山も見えました。
オークランド泊。
27日 オークランドより成田へ。

竹辺 記


NZハイキング満喫写真アルバム