利尻山登山・礼文島散策の旅

利尻山登山・礼文島散策の旅


 深田久弥の日本百名山に、いの一番に挙げられている利尻山は、海に浮かぶようなその姿を見た人はおそらく誰もが一度登ってみたいと思う山であろう。いつのことであったか忘れたが、三宅さんと今年の山行きの話をしているはずみに、「行きたい山には行ける時に行っておこうではないか」と言うことから今回の利尻登山・礼文島散策に出かけることになった。同じなら多くの人と、ということから、同行の士を募ったが他の参加希望者はなく、三宅さんと2人のヤジキタ道中となった。7月20日〜24日、天候に恵まれ楽しく旅を終えた。交通の便が悪いことからスケジュール作成が難しいところであったが、今回の旅が何かの参考になれば嬉しい限りである。
                          

1.予定スケジュール (平成21年7月20日(月)〜24日(金)、4泊5日)

  1日目 東京から利尻島まで 利尻島 鴛泊 泊
  2日目 利尻山登山(鴛泊コースを往復)鴛泊 泊
  3日目 鴛泊港から礼文島 香深港 礼文島知床・桃岩周辺トレック 香深泊 
  4日目 礼文島スコトン岬、8時間コーストレック 夕刻の船で稚内港へ  稚内泊
  5日目 稚内〜宗谷岬散策 午後帰路に

2.メンバー

  7期 三宅昌之、金子勇雄

3.行動記録 (金子記)

1日目) 7月20日(月)  羽田から利尻島へ

  羽田空港 12:15発、稚内空港14:20着、空港〜稚内港(連絡バス30分)
  連絡船;稚内港15:30発〜利尻島鴛泊港17:10着、お宿マルゼン  0163-82-2620 9000円
 利尻島への拠点である稚内に行くには、いろいろルートがあるが、やはり羽田から稚内空港へ直接飛ぶのが楽であり、チケットを2ヶ月前に懸命になって購入したが、機内にはまだいくつもの空席がありちょっと拍子抜け。下北半島の一部がちらちら見えるそこそこの天候。
 予定通り稚内港からフェリーに乗船。3,500トンの大きなフェリーで、ほとんど揺れは感じられない。しばらく進むと、出港時には見えていなかった利尻山が、中腹に雲を抱いてシルエットとして現れ、どんどんと大きくなってくる。中空に浮いているようである。鴛泊港の今日の宿「マルゼン」は、登山客が良く利用するところで、宿の方もそれを売り物にしている。食堂はフェリーターミナル2階の食堂丸善でとり、風呂は町営温泉まで車で送ってくれる。
フェリー 利尻山の遠景

2日目) 7月21日(火)   利尻山登山

  宿舎送迎バスにて北麓野営場まで。利尻山鴛泊コース往復し鴛泊の宿(連泊)  鴛泊 泊  北国の朝は夜明けが早く、3時を過ぎると明るさが増す。3時40分に、朝飯の弁当をもらって宿の車にて北麓野営場まで運んでもらう。同乗者は6人。おにぎりを食べて4:05出発。これまで山で、こんなに早く歩き始めた記憶はない。3合目の甘露泉を経て針葉樹林を行くが、このところの雨のせいで道はぬかるんでいる。5:00前に4合目、5:40分6合目、6:00に7合目と歩を進める。5合目位から這松林が現れ、そのあと6合目あたりからはダケカンバの林となる。北稜の尾根をひたすら登ると急に視界が開け、6:50に8合目長官山に着く。ここからは、利尻山の頂上が目の前に聳えており、頂上直下のガレ場の様子がなまなましい。幸い天候は快晴とは言えないが、時折日が差すうすぐもりで過ごしやすい。一息入れて、出発。避難小屋まで少し下ってから、勾配は急となり、高山植物が顔を出してくる。7:45に9合目着。ここからの道は、これまでとはガラッと変わり、滑りやすいガレ場状の道となる。道の右側は大きく抉れた危険なガレ場で、時折ジェット機の飛ぶような轟音が響き、眼には見えないが山が崩れているのが感じられる。足元を滑らせながら歩を進め、8:45頂上(1,719m)に着く。コースタイム4時間40分であった。頂上には10名くらいの人が登っている。礼文島、ノシャップ岬、南峰とロウソク岩など360度の展望はすばらしい。エゾツツジやイブキトラノオが群生している。1,721mの南峰は崩壊が激しく通行不可。
9合目からの利尻山 頂上にて

南峰とロウソク岩 頂上の花
 頂上は風が強く寒い。 宿でもらったにぎり飯の昼食と写真撮影を行いもうしばらくゆっくりしたい思いはあったが、9:40 山を下りはじめた。写真を撮りながらゆっくり下る。10:25 9合目、11:25 8合目長官山、12:20 7合目、12:55 5合目、13:05 北麓野営場着。 宿の車が、町営の温泉場まで運んでくれ、ゆっくり身体を休めることが出来た。露天風呂に入っているとにわかに雨模様となり、登山中の天候に恵まれたことを感謝。今日のビールはまた格別であった。

3日目) 7月22日(水)   礼文島に移動。 礼文林道、礼文ウスユキソウを訪ねる

  鴛泊港 10:05発 〜 礼文島香深港着10:45。当日の宿(港から徒歩7分)に荷物を預け、礼文林道散策。 
  宿;一番館 п@0163-86-1333 8400円
 今日は、昨日とうって変わって、強い雨と風。宿の宿泊客はこの中を既に山に出かけたようで姿が見えないが、厳しい登山となりそうで無事帰られることを念じる。 我々の今日の予定は、礼文島に渡り、宿に荷物を預けて港発知床行きバス12:35発のバスにて知床へ。桃岩トレッキングコースを散策して宿舎へ戻る予定であったが、取りあえず宿で様子見とする。
 15時頃やや小降りになったので、礼文林道まで礼文ウスユキソウを見に出かけた。礼文林道に入ってから約2kmのところに、礼文ウスユキソウの群生地があった。この林道には、エゾニューという巨大なウドの一種の花が林立し、レブンシオガマなどいろいろな花があり、結構楽しめた。

エゾニュウ レブンウスユキソウ

4日目)  7月23日(木)  スコトン岬からゴロタ山、澄海岬など散策。知床、桃岩トレッキング。

  宿に荷物を預け、6時15分発バスでスコトン岬へ。着7時17分。スコトン岬より4時間トレッキング。
  12:05浜中よりバスで香深港へ。次いでタクシーで知床へ。 知床、桃岩展望台コース散策。
  宿の荷物を取り、香深港16:30発〜稚内港着18:25 稚内 ,民宿旅館 おもて п@0162-23-2924 7500円
 今日はうす曇り。昨日、知床、桃岩のトレッキングが出来なかったため、今日はスコトン岬からの9時間トレッキングの予定を変更。先ず、スコトン岬へ。礼文の最北端のスコトン岬は風が強かった。海驢島(トド)は良く見えるが、海驢は見えない。7:40にスタートした4時間トレッキングはなかなか快適。林道をはずれゴロタ山(190m)を経て、ゴロタ浜をたどり、澄海岬まで辿る。礼文島のお花畑はやはり見ごたえがある。レブンシオガマ、オニシオガマ、ウツボグサやまたまたエゾニューや、たまにエゾカンゾウなど昨日の宿で買った花の本でのにわか勉強で間に合わせた。間違っていたらごめんなさい。浜中のバス停についたのは11:40。丁度4時間。

スコトン岬、海驢島 レブンシオガマ

ウツボグサ 澄海岬
 バスで香深港へ行き、タクシーを乗り継いで知床へ。13:15知床から元地灯台、桃岩展望台コース散策スタート。バスに乗っている間は小雨が落ちていたが、歩きはじめると上がるという幸運。この散策路も整備されており、お花畑の中をぶらぶら楽しみながら歩く。咲いている花は、スコトン岬のものと同じものも多いが、桃岩展望台辺りにはレブンウスユキソウがあちこちに見られる。残念ながら、桃岩はガスが掛ってぼんやりとしか見えないが、島の両側の海岸線が望める。15:30 2時間のトレッキングで、宿に帰り、荷物をピックアップして、14:30のフェリーで稚内へ。帰りのフェリーも波静かであった。

5日目) 7月24日(金)  定期観光バスと羽田へ

  日本最北端めぐり観光バス(3300円) 8:20発(帰着12:00)
  空港途中下車で稚内空港着11:40、ANA572便 稚内発12:05 〜 羽田13:55着
 稚内公園、ノシャップ岬、宗谷岬を観光バスで回る。天候はそこそこ日が差しているが、残念ながら利尻山は見えない。この5日で山が見えたのは2日のみであったが、これでも今年の中では恵まれていたようである。我らが宿泊した民宿食堂「おもて」のすぐ近くの、北防波堤ドームは、暴風雨に対して有効で北海道遺産に指定されているとのことであるが、これは何だと驚く威容であった。また、日本最北端の宗谷岬は波が静かだった。
北防波堤ドーム 宗谷岬
以上