白山に登ったことのなかった4期漆戸さんと二人で、9月14日(夜行バス)から17日に架け
加賀の名峰白山に登りました。白山室堂山荘と南竜山荘に各1泊し、白山を堪能しました。
15,6日はガスが流れるものの、晴れて快適。17日は深夜から台風の影響で小雨・強風
となり、別山登山、チブリ尾根・市ノ瀬道の下山は断念し、雨中の砂防新道を下山しました。
金沢に戻って、二人は兼六園・金沢城址を見学し、近江町市場で祝杯と反省を行いました。
金沢からのバスは、7,8月を除いては、土日祭日の朝6:45発の1便であることが判り
前泊はせず、白山登山バスに接続する北陸鉄道・西東京バス共同運行の夜行高速バス
となった。金曜夜の22:45発夜行高速バスで、渋谷マークシティ5階からのスタートとなった。
バスは3列シートで、6、7割が登山客と思われる。高坂SA(24:00)から全消灯となった。
金沢駅には、少し早めの到着となった。駅のコンビニで弁当を購入し、バス停で朝食とした。
白山登山バスの乗客が1台では、立席が出るため増発手配した上で出発したが、増便の
バスが遅れ、別当出合の登山口には、30分の遅れとなった。
夜行バス・登山バスの連続ではあったが、天気も良く、手応えのある観光新道を選択した。
この道は、いきなりの登りが敬遠されるのか我々二人のみ、殆どが砂防新道を登っていく。
元気な積りでも、稜線までの登りは堪える。別当坂分岐の直ぐ下で、思わず小休止を取る。
別当坂分岐で白山旧越前禅定道に合する。尾根筋の登りで、白山修験者一行に出会った。
山頂からと思っていた法螺貝は、この人達が、峰々?で吹き鳴らすものだった。
休憩の取り間違いと、殿ヶ池小屋が改修中だったため、更に少し上に登ることになった。
遅めの昼食には時間をかけた。、この前後から、降ってくる人達と出会うことが多くなった。
白山の左右に延びる尾根等の景色は良くなるが、疲れもピークで、ピッチは上がらない。
蛇塚・黒ボコ岩を過ぎれば、弥陀ヶ原の登拝道の木道となる。緑の葉に赤い実のナナカマド
が美しい、草紅葉には少し早いようだ。当初は昼過ぎにもと懸念したが、14:20山荘到着。
室堂山荘は800人収容とか、幾棟もの兵舎のような山小屋がセンター棟を取り囲む。今日
は、連休初日で、500人の宿泊があるとのこと。何はともあれ、缶ビールで乾杯。
夕食前に、青空を背景にした白山が素晴らしく映えたが、夕日は霧が出て見えなかった。
雨の懸念はないが、時々霧が流れ、白山の全貌を見るタイミングはなかなか難しい。
就寝まで、隣合せになった33歳、大阪に単身赴任中の男性と登山談義となった。
昨日同様に薄い霧が流れる状況から、ご来光は山荘から眺めることとし、食後、周遊時に
山頂を目指すことにした。6時の朝食前に上空の霧が晴れ、山荘からもご来光が見られた。
昨夜の青年が、御前峰に登りご来光を見たと報告してくれた。彼は、直ぐに富山方面に降っ
ていくとのこと、お互い旅の無事を願った。
7:15 空荷で白山周遊に出掛ける。室堂には白山比咩神社(祈祷殿)、御前峰には奥社
各峰にも祠が祀られている。火山の峰々と火山湖を廻るコースで、山上の散策を楽しむ。
御前峰では薄い霧に虹彩が懸かり厳かな雰囲気、御前峰の降りでは小さな池と2つの峰、
岩だらけの剣が峰となだらかな斜面の大汝峰、雪渓が残る千蛇ヶ池と時間を感じさせず、
飽きさせない。高山植物も、夏と秋の変わり目で数こそ少ないが、それなりに咲いている。
室堂山荘に戻ると、病人でも降ろすのか救難ヘリが飛んで来て、直ぐに飛んで行った。
持参のもので早い昼食を済ませ、今日の宿の南竜山荘に向かう。名前に惹かれて、展望
歩道を行く。山道からは大きく後退しているが、今回で一番大きな雪渓があったり、広い
尾根道をゆっくり降ったり、またガスに霞んではいたが、名前通り北アルプスを展望しながら
歩ける良い道だった。南竜ヶ馬場に近いアルプス展望台では、別山の全貌が見渡せて、
明日に思いを馳せた。昨日今日と、ホシガラスが空を翔けるのが見られたが、ここは特に、
多かった。厳しい坂を降るとやがて盆地状になり、間もなく宿泊する南竜山荘に到着した。
上から見えていた建物群は、少し離れた斜面上のキャンプ場で、貸切のバンガローだった。
山荘では、相客で57歳京都の浄土宗の住職と昼間からお酒を酌みながらの歓談となった。
白山は矢張り近畿・名古屋の登山客が圧倒的に多く、千葉からと言うと珍しがられた。また
大半は車かツアーバスで来るため、終日登山客の動きがあるのも特徴のように思われた。
今日の南竜山荘の宿泊は、150人収容のところ50人足らずとゆっくり休める状況だった。
住職は相当山の経験があり、白山の情報交換のなかで、明日の同行を促したが、予想に
反し、予定したコースは時間が掛ることと、6時の朝食後では、余裕が無いことが判った。
明日の天気次第と言うことで、明日に備え就寝することにした。
夜半から雨が降り出し、夜明けとともに風が強まり、天気は荒れ模様の様相を呈し出した。
昨日の天気予報では、北陸地方は台風の影響も余りなく曇りのち雨の予報であったが、
太平洋高気圧からの山越えの風で、フェーン現象を予想しており、山の天気は荒れ模様が
危惧された。4,5時に出立した登山客もいたが、泊り客は、先に進むことを回避する人達が
増えて来た。住職の大河内氏は、砂防新道を降り、シャトルバスで市ノ瀬まで行き、温泉に
入ることを勧める。風が弱まることは無いと判断し、別山登山、チブリ尾根・市ノ瀬道を降りる
ことを断念した。雨の対策を万全にし、大河内氏の早いペースに付いて歩き出した。途中
登ってくる人達にも数多く出会うが、風が強く引き返す人達も出始めた。甚之助谷の大きな
崩落地を雨風の中、横切る2頭のカモシカを見つけた人がいた。我々は早々に別当出合に
降立った。雨こそ小雨程度だが、相変わらず風は強く、尾根筋の登りを考えると正しい判断
だと思われた。
金沢行の登山バスまで、時間があり余るため、ビジターセンターで、市ノ瀬
園地を聞き、小雨の中散策することにした。家族連れを案内する環境ボランテアに追い付き、
草花の解説を聞くことが出来た。何でもない林の中だが、随分と多くの草花があることに驚か
される。時間もあり残っていた非常食等で食事をし、バス停前の白山温泉・一軒宿永井旅館
で入浴させて貰う。ゆっくり湯上りを楽しんだ後、登山バスに乗車し、金沢駅に向かう。
金沢では、ほぼ雨は揚っていた。漆戸さんの夜行バスまで、相当時間があるため、お定まり
の市内観光の兼六園・金沢城址を見学する。兼六園が65歳以上無料にだったのに味を占
め、県立伝統産業工芸館にも入った。200円で割引はなったが、なかなか興味深かった。
夕暮れの金沢城址を通り、地図も見ずに歩いていたら、近江町市場に出ていた。
早速、手頃な店を探し、二人で無事の祝杯と反省会を行った。ゆっくり白山を楽しめたことと、
別山・市ノ瀬道を断念したことが繰り返しの話となった。
金沢で、今少し時間を過ごされる漆戸さんと別れ、福井への電車に乗車した。