小笠原紀行

小笠原満喫の旅

小笠原が世界遺産に認定された時から行きたかった小笠原訪問が2017.7.12~7.21の日程で実現した。 小笠原に行くには竹芝桟橋から週1便の船で24時間かかる。夏の繁忙期は週2便となるためそのタイミングをとらえて10日の旅となった。 船中2泊,父島4泊、母島3泊の活動である。以下にその記録と写真を載せました。


7月12日

09:30 おがさわら丸乗船受付 11:00 竹芝桟橋出港 おがさわら丸で父島へ まずは24時間の船旅を経験する。おがさわら丸は昨年から就航している14,000トンの新しい船である。私たちは二等寝台(二段ベッド)だが結構快適だった。 レストラン、展望ラウンジも気持ち良い。船が東京湾を航行している間はデッキから移り変わる景色を眺める。
伊豆大島を見てからは広い海原のみの景色となる。
日没はちょうど八丈島を過ぎるあたりであった。

7月13日

夜が明けて9時ごろに聟島列島が見えてくる。無人島だが小笠原村の一部である。
11:00 父島二見港着 幸い穏やかな航海で船酔いはまったくなかった。
ささもとにチェックインの後、宿で紹介された丸丈で島寿司を味わう。ご主人はなかなか博識。
まずはとビジターセンターに行き、小笠原の歴史、自然などの知識を確認。
次に水産センターを訪ねる。ここには大きく口を開けて歯を磨かせるアカバという魚がいる。そして海亀など。この頃から小雨。天気が変わりやすい。
村の商店街(?)を何軒か覗いた後に、小高い山の上の大神山神社にお参りする。
雨の為予定していたナイトツアーは明日に変更となった。従って賑やかな宴会となった。

7月14日

朝方まで結構強い雨の音がしていたが天候は良くなってきた。
08:30 ハートロックハイキングに出発、ガイドはボニンブルーシマのりっちゃん。小湊の手前で駐車場に車を置き出発。コースの入口で靴などの消毒・クリーニングを行う。入山者の計測を行う仕掛けが面白い。入山の目的別に色違いの小石をそれぞれの目的地別の筒に入れるようになっている。これはいいアイデアだ。
木や花の説明を受けながら15分ほどで常世の滝に着く。旱魃で水がなかったそうだがこの所の雨で植物も生気を取り戻し滝の水も流れていた。ヒメツバキ、マルハチ、タコノキ等がよく目につく。この辺りの岩は枕状溶岩でもともと海底火山であった証拠だそうだ。
途中戦跡(電探基地)や希少種保護の現場などを見ながら衝立山を越える。頭上にはヒメツバキの花がびっしりと咲いていた。
12時過ぎにハートロック(千尋岩)の上に到達。丁度ガスも晴れてきて青い海をバックに記念写真、そして昼食。当然ここからはハートロックは見えない。(母島に行く船からよく見えるとのことでした。)
帰路に大きなガジュマロの木がある所(昔の集落?)を通り、4時前に駐車場に戻る。 帰る途上扇浦でアカガシラカラスバトの群れに遭遇する。りっちゃんは8羽も一度に見たのは初めてと興奮。
19:00 ナイトツアーはシマちゃんのガイドである。
オオコウモリ、グリーンペペ(夜光茸)などが売りなのだが見ることが出来なった。小港海岸では産卵のために上がってきたウミガメを赤色ライトの下で瞬間だが見た。近くで見るとその大きさに驚く。
オオコウモリは次の日に再度挑戦しその大きな姿を夜空に見ることが出来、グリーンペペは母島で見ることが出来た。




7月15日

08:30 東海岸巡り半日ツアー
りっちゃんのガイドでまずは長崎展望台。兄島瀬戸を見下ろす海の色が素晴らしい。オガサワラノスリが空を舞っていた。
次に旭山。約30分歩いて二見湾を見下ろす展望台に着く。コース沿いの植物にそれぞれ説明のパネルが整備されて参考になる。ムニンXX、オガサワラXXという名前が多い。
次に訪れたのは時代の最先端をいくVERA(天文広域精測望遠鏡)という施設。銀河宇宙の地図作りをしているとのこと(異次元の話である)。
中央山は標高319m父島の最高峰である。とても良い天気で母島、聟島ともに望むことが出来た。見下ろすとヒメツバキの花がいたるところに咲いていた。
最後に農業センターでムニンツツジ(野生のものは1株しかない)などをみて扇浦海岸りっちゃんと別れる。さようなら!
昼食の後、小笠原神社を訪ねる。メンバーの一人がその小笠原氏の子孫であるとのことで無人島発見の碑など興味深くみる。
さらに村営バスで海洋センターを訪ねウミガメの保護・飼育をみる。浜で産卵したものを回収し孵化後放流しているそうだ(NPO運営)。なっちゃんという人懐こいカメがいたが指をかみ切られるので手は出さないでくださいとのことである。
宿に戻った後世界遺産センターを見学した。小笠原の希少動植物に関する活動拠点で展示もされている。




7月16日

今日はおがさわら丸が出港する日の為か土産物が豊富に店に並んでいた。
ビジターセンターで資料映像を視聴する。歴史を良く知ることが出来る資料だ。
11:30 漆戸さんお別れ会を海遊で開く。中華料理のお店で本場横浜の味と言う事だ。美味しかった。
15:30 漆戸さんはおがさわら丸で出港(つい帰国と言いそうになる)。
ウェザーステーションの展望台までおがさわら丸を見送りに行く。小舟が伴走していく見送りはなかなか感動的である。この展望台からはシーズンにはザトウクジラを見ることが出来るそうでいろいろとジャンプの説明がしてあった。
さらに三日月山展望台まで歩き眺望を楽しむ。

写真集(父島)

7月17日

07:00 ははじま丸乗り場へ
港にはにっぽん丸が入港していた。大きくて着岸出来ず沖合のブイに繋留されていた。
07:30 二見港発
今日も海は穏やかで伴走するようなカツオドリを見ながら2時間で母島に着く。母島の沖港はえっ大丈夫と思う程小さい。村も小さい。
09:30 母島沖港着 ラ・メーフにチェックイン
10:50さっそく漁協売店で飲み物を買い、乳房山に出かける。最初の案内に従って登ったがこれは反時計回りのコースでお勧めの右回りではなかった。階段道が多く蒸し暑いが木が多いので日差しは遮られる。
11:40  大剣先見晴。集落や南崎方面がよく見える。(昼食) 戦争中の塹壕跡があって驚く。
12:20 船木山遊歩道分岐
13:00 休憩所。南崎方面の展望。稜線の道で東側の海を見下ろせるところが多い。
ハハジマノボタンを見る。5弁の素朴な形で優しいピンクである。
13:55 乳房山頂上462.6m。
海の色は何度見ても感激する。ははじま丸が出港していった。
大きなガジュマルのある所や爆弾跡などを経て 15:50 下山。
民家の屋根にメグロとメジロが集まっていた。
夕飯は気持ちの良い食堂でまずはここまで来たぞと乾杯。


7月18日

朝の散歩していると鮫ヶ崎海亀産卵保護施設で子亀を数えている人にあった。今日は150匹生まれたとのこと。施設には20匹の親亀が保護されていて施設内の浜に産卵する。
今朝にっぽん丸が入港した。その為島の有償運送は出払っており小松崎さんの努力で宿の車を使用でき、南崎に向かう。
途中観光協会で小富士の登頂記念証の申請を行う。担当はウミガメを数えていたおじさんでした。登頂の確認方法が面白い。白紙とクレヨンで小富士の頂上にある杭の絵を拓本の要領で写し取ってくるのである。
都道最南端からは小富士まで途中蓮池、すり鉢を経て1時間ほどの距離である。最後急な梯子を上ると小富士(86m)の頂上である。
そこには見た事もない海の青に散らばる島々の景観が広がっていた。
帰りに南崎ビーチに寄り木陰のテーブルで昼食を摂る。涼しくて快適な木陰である。
次にワイビーチにもよる。白い砂浜がまぶしい。停泊しているにっぽん丸や昨日登った乳房山が望める。
ロース記念館には開拓時代に作られたロース石の生活用品や写真展示がされている。とても雄弁な女性が説明をしてくれた。
帰りに観光協会に立ち寄り登頂記念証を受け取る。

7月19日

08:30 堺ヶ岳・石門トレッキング(ガイド/茂木さん・柴崎さん)
このルートは入山制限が厳しく1人のガイドに5名以下という規制がある。という訳で2パーティーに分かれて歩く。
09:00 石門入口で消毒・クリーニングを済ませ谷を登っていく。アカギという移入された木が増えており駆除をしているが繁殖力が強く大変だそうだ。 グリーンペペを見つけ布をかぶせてほのかな青白い光を確認する。また色々なカタツムリ(マイマイ)を見つける。数mmのちいさいものもある。 マルハチ(木性シダ)やオオタニワタリが熱帯の森を思わせる風景を作っている。
10:30 堺ヶ岳。道も狭く(道と言えるかどうか?)頂上も狭い。乳房山方面が望める。
シマザクラという花が咲いている。色以外はまったく桜には似ていない。オガサワラシコウランも見かけた。
上の三叉路で昼食。この辺りは湿性高木林でシマホルト(コブノキ)、ウドノキなど背の高い木が多い。オガサワラクワノキの大きな木が1本だけ残っていた。 また隆起カルスト地形で複雑な尖った石灰岩が多い。地名にも針ノ岩とあった。
13:50 東港を望むところが最終到達点。帰りは下の三叉路から一部分異なったルートを辿る。
16:20 入口に戻る。興味深い山歩きだった。
宿に帰りこれですべての予定をこなせたとビールで乾杯。良い天気に恵まれました。


7月20日

09:30 ははじま丸乗船手続き。乗客は夏休みに入ったせいか地元の人が目立つ。
10:00 母島沖港発 ははじま丸で父島へ
観光協会のおじさんがペットボトルの水で岸壁にウミガメとメグロの絵、そしてSEE YOUのメッセージを大きく鮮やかに描いた。どうも有難う!
父島に近づき千尋岩(ハートロック)がよく見えた。


12:00 父島二見港着
昼食は再び丸丈で食べる。
15:30 父島二見港出港 おがさわら丸で竹芝へ。地元の人が船で見送りに伴走し港の外で海に飛び込み手を振って見送ってくれる。これも感動的!


7月21日

15:30 竹芝着
帰りの海も穏やかで船酔いの薬を使うことはなかった。

写真集(母島)