福本武久の著書

新島襄とその妻 






新島襄:滝田栄 八重:栗原小巻

新潮社
1983年10月01日刊行
定 価 1100円
ISBN4-10-348701-1  C0093
判型B6/257ページ
長編小説

 「新島襄」と妻の「八重」をめぐる3部作の第2弾。新島襄を夫人である八重の視点からとらえた小説作品。

 1985年、朝日放送創立35周年記念番組としてテレビドラマ化された。

☆ドラマスペシャル「女のたたかいー会津から京都へ」
 ・放映1985年11月1日
 ・出演者:栗原小巻、滝田栄、平幹二郎、佐藤浩市、杉田かおる、真行寺君枝、佐々木すみえ、花沢徳衛、浜田省吾ほか。
 ・脚本:安倍徹郎、監督:永野靖忠。
 ・制作:朝日放送、俳優座映画放送

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 新島襄夫人八重は、夫の創立した同志社大学で、評判のよい人ではない。夫人の晩年を口述した永沢嘉己男編『新島八重子回想録』はあるけれども、夫人の側から同時代の日本と同志社とを見わたした伝記小説はこれまでになかった。
 若い女性として明治初年の会津落城までたたかい、夫とはなればなれになって山間の村里で女ばかり三年くらした。失明し京都でとらえられた兄が京都に健在であるのをたよりに、彼女は京都に移ってきた。兄山本覚馬の後援を得て京都にキリスト教主義の学校を準備中のジョセフ・新島の妻となった。
 国禁をやぶって米国に渡り、日本に起こるべき新文明の基礎をまなぶことに自分をかけて滞米一〇年におよんだというジョセフ・新島は信念の人であった。明治維新を自国で生きる経験をもたなかったジョセフ・新島にとって、維新の辛酸をなめたこの女性が伴侶としてどれほどのものであったか。これまでの新島伝は、このことに目くばりがない。(「朝日新聞」書評より)
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