 |
日本のマラソン・長距離の未来を占うシーズン!
|
(2011.10.03) |
世界がどんどん遠くなる?
今年(2011年)は韓国・大邱(テグ)で世界陸上がありました。今回の同大会は翌年のロンドのリンピックを占ううえで重要な意味を持つ大会でした。
とくにマラソンランナーにとっては、そのままロンドンへと通じていました。メダリストになって、日本人1位となれば一発で当確、ご承知のように五輪出場権が約束されたのですから。
ところが男女ともに日本選手はメダルにとどきませんでした。さらに世界との力の差をまざまざと見せつけられました。
最近の世界大会は長距離種目もおなじですが、スローの展開ではじまって、めまぐるしくペースの上げ下げをくりかえし、中盤で一気にペースが上がるというケースが多いようです。
ペースのあがった中盤以降はケニア、エチオピアなどの黒人選手ばかりが前に来ているという展開がほとんどです。テグ陸上のマラソン、長距離でも傾向はまったく同じで、日本選手はペースが一気にあがったところで、置き去りにされてしまい、まったく勝負をさせえもらえませんでした。
男女ともにペースがあがったところでレースは終戦をむかえるという、なんとも寂しい結果に終わってしまったのです。
マラソンでは女子の赤羽有紀子が5位というのが最高の成績でした。赤羽といえば日本女子では名うてのスピードランナーですが、彼女ですらもペースアップした中盤、ケニア勢にあっさり振り切られてしまいました。
男子では10000mの佐藤悠基、日本男子では期待のスピードランナーですが、世界の舞台ではまったく歯が立ちませんでした。
ロンドンオリンピックまでにどのように立て直してゆくのか。もっと深刻なのは、世界で戦える有望な若手が育ってこないという現実です。とくにマラソンをめざす若い勢力の台頭がまったくない。
そんな深刻な課題を背負って、今シーズンの駅伝ははじまります。いまとなっては、たとえロンドンに間に合わなくても、はるか遠くに希望の灯火をともしてくれそうな原石がみつかればいいなあ。ひたすらそんな想いで、今シーズンの駅伝レースを観てゆきたいと考えております。
大学3駅伝、今季も早稲田を中心にまわるのか!
早稲田大が3冠を独占した男子の大学駅伝、昨季にくらべるとかなり上位と下位の色分けがくっきりしてきたようです。、むろん、そうはいっても実力は伯仲しており、主力といえども、ほんの少しでもミスがあれば大きく脱落する世知辛いレースとなることは必至ですが、今年の勢力図にかんしてはそれなりに色分けできそうです。
今シーズンも中心をなすのは早稲田大でしょうが、駒沢大がはげしく肉薄、東洋大、東海大、明治大がつづき、この5大学がアタマひとつ抜け出したカタチになっています。
早稲田大は前回の箱根優勝メンバーが6人ものこっています。そのかぎりにおいて優位は動きません。とくに大迫傑はユニバ10000mの覇者となるなど、いちばんの成長株、さらに矢澤曜、佐々木寛文、平賀翔太なども健在である。八木勇樹、志方文典が故障で出遅れているものの、選手層が分厚く、緒戦の出雲から突っ走るとみます。
この早稲田に待ったをかけられそうなのが駒澤大です。今シーズンの駒沢は5000m=13分台のランナーを9人もそろい、戦力は充実しています。ユニバ代表にもなった。由布郁人、撹上宏光がともに1000m=28分台をマーク、上野渉、久我和弥、千葉健太の2年生カルテットを中心に確実に底上げがなされ、ルーキーの村山健太も全日本インカレ5000mを制するなど新勢力の台頭もある。
スピード勝負の出雲では、うまく滑り出しさえすれば、駒沢があるいは早稲田を食うケースもあるかもしれません。
東洋大も距離がながくなる全日本、箱根ではやはり圏内でしょう。山の神・柏原竜二
が健在、設楽ツイン(啓太、悠太)が成長、川上遼平、田中貴章も健在である。とくに箱根ではやはり3強をなす勢力であるとみます。
明治大もおもしろい存在といえます。鎧坂哲哉が10000mで27分台に突入、日本人学生最高記録をマーク、ロンドンのA標準も突破するなど、大砲に育っています。さらに有村、大野といったところも5000mで13分台をマークするなど、確実にチーム力は上向いています。
両角速が監督に就任した東海大も要注目です。村澤明伸、早川翼の両エースを軸にして、どのように仕掛けてくるか興味津々です。
箱根は早稲田、駒沢の争いか?
出雲、全日本は早稲田、駒沢を中心にして、上記5強の争いになるとみます。 箱根になると早稲田、駒沢に東洋をくわえて3強を形成するという様相でしょう。
箱根はスケジュール的にも、しっかりしたステップを重ねてきたチームが優勝する確率が高い。そういう意味で、出雲、全日本、箱根……と、王道を踏んでくるチームからしか優勝校は出ないとみています。
今シーズンにそくしていえば、早稲田大、駒澤大、東洋大、東海大、明治大、中央大、相山学院大の7校がとりあえず圏内候補としてあげられます。箱根の優勝校はこの7校のうちから必ず出ます。そのなかでも早稲田、駒澤、東洋が今シーズンも有力だというわけです。
とにかく出雲をみれば、今シーズンの各チームの戦略がみえてくる。勢力分布を見定めるためにも、まずは出雲を注目してみまもりたいと思います。
大学女子は今シーズンも京都の2強、佛教大学と立命館大学のマッチアップでしょう。予選では佛教が先んじましたが、伸びしろはむしろ立命館のほうにあり、本戦では熾烈な戦いになることまちがいありません。
低迷期を抜けだすか? 実業団駅伝
実業団駅伝は男女ともに今シーズンも大勢は昨シーズンとかわりなく、割拠の情勢がつづくでしょう。新旧交代と過渡期というべきか。今シーズンも中心不在の大混戦になることでしょう。
男子は昨季、トヨタ自動車が初制覇を果たしました。昨季の日清食品グループにつづいて初制覇が2年つづいたことになります。
日清食品グループは伸び盛りのランナーが多く、連覇が期待されていましたが、一歩抜け出すほどのチーム力はなかった。今ひとつ乗り切れないところがあるだけに、今シーズンも乱戦模様はつづくでしょう。
両チームにくわえて、富士通、安川電機、旭化成、中国電力、HONDA、コニカミノルタなどが入り乱れる展開となりそうです。
実業団女子も昨シーズンは天満屋が初優勝を果たしました。
だが、かんたんに連覇できるほどのチーム力はなく、今シーズンも優勝争いは混沌としている。レースの舞台も岐阜から仙台にうつって、新しい時代の幕あけとなるのだが、仙台での緒戦を制するのはいずれのチームなのか?
天満屋、第一生命、豊田自動織機、ユニバーサルエンターテイメント、三井住友海上、資生堂、ダイハツ、ワコール……と、このあたりまでほとんど有意差がない。だが今シーズンは小林祐梨子が出場できる豊田自動織機が王座を奪還するやもしれません。唯一注目はそんなところか。
まことに残念ながら、日本のマラソン・長距離陣は男女とも世界には遠くおいてゆかれてしまった。現実をしかとかみしめ、だからこそ、ランナーたちには、駅伝で走ることに満足したり、最終目標にしないで、駅伝を世界に翔びたつ足がかりにしてほしい。
|
|
|
|
|
 |
|
| 関 連 サ イ ト |
|
|
 |
|