2007.2.19.
テロ犯罪被害者の支援と補償に関する法律(案)骨子
1.目的
この法律は、国ないし社会を敵視して行われたテロ行為よる被害が、国ないし社会に代わって受けたものであることに鑑み、国及び社会全体で早期の支援と十分な補償を行い、もって、テロ犯罪被害者の被害者の被害回復及び社会復帰を速やかに実現することを目的とする。
2.テロ犯罪事件の指定
内閣総理大臣は、犯罪の発生状況、前後の事情、被害の規模、その他の事 情から、テロ行為による犯罪と推定される犯罪事件について、指定テロ犯罪 事件を指定するものとする。
3.指定テロ犯罪事件被害者に対する早期支援の実施の責務
国は、指定テロ犯罪事件による生命、身体等の被害を受けた被害者(以下、 テロ被害者という)に対して、可能な限り早期に支援を実施し、十分な補償 を行う責務を有する。
4.支援の内容
前条に定める支援とは、生活、医療、カウンセリング、資金その他市民の 生活に関する全般にわたるものとし、具体的な支援作業及びその統括を公私 の団体(以下、指定団体という)に委託できるものとする。
5.指定テロ犯罪被害支援基金
被害者の支援と補償を行うため、内閣総理大臣は、第2条の指定が行われ た後、速やかに、指定テロ犯罪支援基金(以下、基金という)を設立する。 国は、この基金に対して、設立時及びその後必要性に応じ、十分な資金を提 供しなければならない。
6.支援の体制
内閣総理大臣は、基金を設立したとき、速やかに、地方公共団体、国民、 及び公私の団体に対して、支援に対する協力及び支援活動資金の提供を呼び かけるものとする。
7.指定テロ犯罪被害支援基金の運営
基金の運営については、内閣総理大臣の監督の下に、指定団体に委託する ことができる。
8.被害者補償
基金は、被害者に対して、十分な補償を行う。補償の金額は、加害者その 他に対する損害賠償債権から労災補償その他被害者がテロ被害を原因として すでに受領した金額を控除した額を下らない額とする。
国は、この補償を行った場合、被害者個人の有する損害賠償債権等を代位 取得する。
9.この法律によるテロ犯罪事件の指定は、本法律施行前に発生した事件にも 行うことができるものとする。