オウム休眠宣言
1999/10/3
(毎日新聞より)
「休眠宣言」骨子
休眠宣言の具体的な実施項目は次の通り。
1 支部活動
(1)各支部の閉鎖(2)セミナー、勉強会などの集会禁止(3)ビラ配り・街頭宣伝などの対外布教および勧誘活動の禁止(4)入信手続きの中止
2 広報部
(1)ホームページの大部分停止(2)マスコミ対応は縮小し、必要に応じて一部継続
3 出版
機関誌紙、ビデオなどの印刷・頒布禁止
4 新規大型物件取得活動
信者の小規模な個人住居を除き、信者に自粛を促す
5 その他
祭典・コンサートなど信者集会の禁止
会見での一問一答
<事件への関与について>
――教団関係者が地下鉄サリン事件に関与したと認めるのか。
村岡代表代行 これから検討する。
――松本被告が(弟子の関与を)認めた。教団も認めざるを得ないのでは。
荒木副部長 (現段階で証言を基に)大ざっぱに「関与したみたいです」とは言えない。まだ尊師(松本被告)の証言は一部。今後新しい証言が出てくれば、かなり踏み込んだ見解を示していけるんじゃないか。
村岡 (遮るように)申し訳ないが、この場ではお答えできない。
――教団としてどうか。
村岡 教団は個々の信者の総意で成り立っている。
――あなた代表でしょう。
村岡 だから検討します。
――教団として事件への関与を認めることはできないということか。
荒木 ここ(休眠宣言)に書いてある通り。
――ノーですね。
荒木 コメント通りです。
<今後の組織について>
――対外的活動停止とあるが、組織は現状維持か。
村岡 維持する。
――立ち退き要求のある施設は。
村岡 生活する場所が必要だから立ち退けないが、状況によると思う。
――組織は解体しない。
村岡 そう。しかし、活動はしない。休眠だから。
――新名称はないのか。
荒木 対外的に働き掛けることがないので要らない。
――地下に潜るという見方もあるが。
荒木 ある種の不透明さが増すことは懸念されるので、要所要所で休眠に関する情報提供はする。
<信仰について>
――これまで通り、麻原(松本被告)をグルとして教えを信じていくのか。
荒木 教祖は1996年に交代した。グルは今の教祖(松本被告の長男と二男)。私たちは正統仏教と変わりない教えと考えている。ただ、危険視されているタントラ・バジラヤーナは教義の問題となった部分(教えのためには殺人も許されるとされる)は封印している。
<被害者への謝罪について>
――遺族、被害者への謝罪を含めて近々話すことができるだろうと(24日夜に群馬県藤岡市で)言ったが。
荒木 いろんな議論がされたが、非常に重要な問題と思う。あの時述べた気持ちに偽りはない。休眠中の重要テーマになると思う。
――事件の検証は「実体を伴ったものを実現させたい」と言うが、例えば、補償金とか含めていると考えていいか。
村岡 結論は申し上げられないが、検討の中にそれも入ると思う。
<今後の暮らしについて>
――どうやって生活する。
村岡 働いている人のカンパを受けている。
荒木 活動が絞り込まれるし、必要経費も少なくなると思う。最低限の生活に見合うだけの収入は要る。
――パソコン店舗は。
荒木 生活を維持するための経済活動は、対外活動の休眠の中には含まれない。
――住民票は。
村岡 受け入れてくれる所があるのか。どうしようかと途方に暮れている。
――池袋に移るが、住民票は足立に置いたままか。
村岡 分からない。出しても不受理の可能性が強い。
――池袋の施設も契約は11月まで。その先は。
荒木 (池袋は)暫定的な……。それから先の見通しはない。
<会見の趣旨について>
――今夜会見を開いたのは何のためか。
村岡 活動すべてをしばらく中止すると伝えるため。
――どのぐらいの期間、活動を中止するのか。
荒木 そんな短い期間じゃ、いろんな……。
村岡 大きな問題なので、短い期間では話し合いがつかない。