松本被告、連日の不規則発言
1997/1/30 不規則発言、また退廷命令
(共同通信ニュース速報より)
松本智津夫被告の第23回公判が30日、東京地裁刑事七部(阿部文洋裁判長)で開かれた。
この日は、地下鉄サリン事件でまかれたサリンを鑑定した警視庁科学捜査研究所の係官が証人出廷したが、尋問の最中、松本被告が突然、「井上嘉浩が主犯ですべてを動かし、結果を出したこの事件で、なぜ他の者が共謀で逮捕されねばならないんだ」と大声で発言した。松本被告は、その後も不規則発言を続けたため、審理開始から約五十分で退廷を命じられた。
松本被告の退廷は昨年11月22日、井上被告の証人尋問の時以来で、3回目。
この日、証人出廷した科学捜査研究所の安藤皓章・第二化学科長は、検察官の質問に、同事件で地下鉄にまかれた有毒物が、サリンであると証言した。
<オウム裁判ウォッチャーA氏の法廷情報より>
*この日の法廷は午前10時に開廷して、終了したのがなんと午後6時33分。この日はサリンの鑑定人二名の他、共犯者杉本・豊田両被告に対する弁護士側反対尋問が一気に行われた重要な法廷であったが、 肝心の松本被告本人が50分で追出されてしまったため、一体誰の裁判なのかわからないような状態。
松本被告は退廷間際、「なぜこの事件の全容を正々堂々日本人に明かさないんだっ!」「井上が主犯で全ての結果が出たこの事件でなぜ他のものが共同正犯で捕われなくてはならないんだ!」「私は検事総長と話したい!」などとわめいていた。
**結局松本は、弟子に罪をなすりつけることに気を取られて、つい教団の犯行を認める意見陳述をしてしまったということですかね。
1/31 「弁護人を入れ替えて」(読売新聞ニュース速報より)
松本智津夫被告の第24回公判が31日午前、東京地裁刑事七部(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件で死亡した被害者の血液鑑定を行った鑑定人の証人尋問が行われた。
死亡者11人の血液鑑定をした警察庁科学警察研究所の瀬戸康雄・主任研究員は、「鑑定結果から、血液内のコリンエステラーゼ(神経伝達物質を分解する酵素)の活性を妨げる毒物の被害にあったことが分かる」などと証言。さらに、「死亡者の一部の心臓血から、サリンの分解物のメチルホスホン酸モノイソプロピルが検出された」と述べて、死因がサリン中毒によるものであることを証言した。
松本被告は、この日も入廷直後から被告席で「共同共謀を一切否認します。裁判長、分かりますね」「被告がアンパイヤなんです。被告が証拠を判定する行司、行司……」「弁護人をすべて入れ替えて頂きたい」などと不規則発言を連発し、再三の注意を無視して尋問を妨害し続けた。
午後からは教団「法皇内庁」トップ・中川智正、「化学班キャップ」土谷正実、「科学技術省次官」横山真人の三被告が検察側証人として出廷する予定。
これにより地下鉄サリン事件で検察側が申請した共犯者九人の尋問がすべて終わり、同事件の審理は大きな節目を迎える。