松本智津夫公判
いよいよ明日14日、弁護団審理ボイコット?!
松本智津夫被告の第29回公判が、13日東京地裁で開かれました。
この日の公判では、地下鉄サリン事件で電車内にまかれたサリンを鑑定した警視庁科学捜査研究所の研究員の証人尋問が行われました。
尋問終了後、まず検察側が、国選弁護人の「欠席届」について意見書を読み上げました。
検察側は、「被告人1人に12人もの弁護人が選任されたのは、分担審理を予定したもの。それを受け入れず、月3回ペースの主張が受け入れられないと見るや欠席するのは、職務の放棄に等しい」と、弁護団の姿勢を批判しました。
続いて、阿部裁判長は、「公判期日に不満があると解任を求め、それが受け入れられないならボイコットの実力行使と言うのでは、訴訟指揮権は実効性を持たなくなる。弁護人として良識ある行動をとってほしい」と、協力を呼びかけました。そして弁護団が依然、大量の証拠に対する意見を留保していることについて、「このままでは十年裁判になることは必至」と、裁判長期化に憂慮を示しました。
これに対し、弁護側は、「われわれの能力を超えている。十分に弁護の準備ができない状況では中身のない裁判の飾り物になる」「裁判長の言い分は、まるで審理を迅速にするため証拠を認めてしまえと言っているに等しい」「12人の弁護士が一致して、裁判長はおかしいと言っている。信を置けない」などと反発。阿部裁判長が閉廷を告げる前に、「これ以上、話しても仕方ない」と席を立ってしまいました。
弁護団は公判終了後の記者会見で、14日の公判には欠席する方針に変わりがないことを強調しました。
刑事裁判では、殺人事件などの場合、弁護人なしに開廷はできません。このため阿部裁判長は、14日の公判では、午前10時までに検察官、松本被告、傍聴人らを予定通り入廷させ、弁護団の不在が確認されれば、事務所に連絡を取って出廷を促し、それでも出廷の意思表示がなければ、尋問を予定されていた証人に事情を説明し、次回期日だけを指定して閉廷するものと予想されます。
14日は本来、坂本堤弁護士一家殺害事件に絡む証人尋問などが予定されていましたが、今後はいつになるのか解りません。
しかし、大変な事態になりました。今時珍しい頑固者どうしのぶつかり合い。「お互いにちょっと譲る」という発想がでてこないのでしょうか。この歴史的訴訟に汚点を残さないように、柔軟に検討して欲しいと思います。