青ちゃんのオウム裁判傍聴記 (97/4/16)
16日、ひさびさに東京地方裁判所で開かれたオウム裁判は、遠藤誠一被告の公判だった。

この4月から一連のオウム裁判も、被告人によっては、東京地方裁判所4階の特別警備法廷から、一般法廷に移されて審理が続けられてるものが出てきた。従って、傍聴券の公布がされない勝手に法廷へ行って勝手に帰ってくればいい。持ち物検査もボディチェックも何もしませんよーという。いたって本来あるべき姿の裁判に戻りつつあるわけであるが、それでも遠藤被告のように、傍聴希望者が多数である人気者、すなわち、それだけとんでもない悪事を働いたやつに限っては、傍聴券の公布がパソコン抽選によってなされた。
しかし、その端には以前のように雇われガードマンの姿は一人も見られず、裁判所側は、世間のオウム熱がさめたことと、既に教団にはあえてアブナイことをする力がないだろうこと、それに経費節減を判断したことがうかがい知れる。
その中で開かれた遠藤被告の公判は、滝本サリン事件の審理が進められ、この日には滝本弁護士の愛車にコーヒーを垂らして、サリンの流れた経路や、発煙筒やドライアイスを用いて車内に外気が流入するかといったきわめて単純な実験についての証人尋問が行われた。
因みに青山吉伸被告の法廷でも、以前に同様の内容の尋問が行われたが、このときは弁護士側が、「どうしてコーヒーを用いたのか」何でよりによってサリンの代わりにコーヒーなんだ?」などとくりかえし、理由は色が明確にわかるだけだからと言っているのに、なんとこの実験の尋問に2期日も費やしている。
しかし、遠藤被告の弁護人は、同じ質問をするにしても、シンプルに尋問をまとめた。
つづく走行実験による車内への流入の結果についても同様に短時間で尋問が終了し、この実験報告書などが刑訴法321条によって採用となった。
ところが、遠藤被告は、この報告書の写真を検察官から示された時、「ここが違う」だの「ここはどうだった」などとウダウダブツブツ。それもポケットに手をつっこんで。よくわからない男のままだった。