青ちゃん新報 1997/5/13
12日、東京地裁では幹部連中の裁判が目白押しだった。
まずは井上嘉浩被告の公判。ここには、悲しきテロリストと称される元自衛官、山形明被告が証人として出廷し、彼が井上被告と入れかわって一連の実行役となったVXシリーズについて証言した。
今までにも、他の法廷で証言を繰り返してきた山形被告であったが、この日新しい事実が浮かび上がった。
それは、失敗に終わった水野さん襲撃の第1回目の後のこと。
第2サティアン3階の智津夫被告は『よくやった』というようなねぎらいの言葉を発していたところをみると、きっとご機嫌だったのだろう。
そのついでに、
「井上くんと新実が、資金が不足していることを説明して、部屋の外にいたドゥルガー(=智津男被告の長女)を呼び入れた。麻原の娘はいつもショルダーをしょっているが、中には大金が入っていて、そこから金を出して、新実らにわたした」
「そのあと新実と部屋を出たのち、新実が『何かに使え』と、その中から3万円をボクに渡してくれた」。
山形被告に言わせると、一連のVX事件は暗殺である。
その直後に、親分から若頭に、若頭からは実行役の兵隊≠ノ『資金』という名目が『何かに使え』となって金が流れるあたりは、まさにヤクザの世界そのもの!因みに山形被告自身は、犯行役に教団内のステージがあがったことについて、
「こういうことして昇進するということは、ヤクザそのもの」
と語っていたが、小遣いが流れる方がよっぽどおそろしい。
そのとなりの法廷では、その新実智光被告本人の公判が開かれていたが、こちらは更新手続きの意見陳述を行うも、相変わらずノートに書いた教団や智津夫被告への讃美を大声で読み上げるだけ。
遠藤誠一被告の公判に出廷した中川智正被告は、「他の共犯者の証拠になるのは納得がいかない」と、自分の調書の署名、指印についても証言拒否。
なんだか皆ヤクザみたい。因みにヤクザは八九三=Bこれをたすとブタ≠ノなることからヤクザ≠セとすると……
新実被告、松本被告称賛の宗教的心情吐露(共同通信ニュース速報より)
地下鉄サリン事件などに問われた元オウム真理教幹部、新実智光被告の第14回公判が12日、東京地裁(岩瀬徹裁判長)で開かれ、裁判官交代に伴う更新手続きが行われた。
新実被告は起訴事実についての意見を求められると、
「グルに感謝します」と松本智津夫被告への帰依を誓う宗教的な心境だけを述べた。
約2分間の意見陳述で新実被告は
「苦しみの中に身を置いても平然と耐えて心の実践を行うという偉大な道を歩ませてくれるグルに感謝します」
と教義や松本被告を称賛する言葉を並べた。