「生きてかえれ」のタイトルについて
「生きてかえれ」のタイトルについてはこれまで特に触れておりませんでした。そのため、どうして今さら「生きてかえれ」?と、誤解される方も一部にあるようです。ここで一言ご説明します。
これは、言うまでもなく、亡き3人に今『生返ってこい!』と呼びかけているものではありません。
96年9月に「救う会」の総括文集の出版するに当り、その題名をどうするか編集会議で議論になりました。
「一家三人を求めて」「坂本弁護士一家を探し求めて」「砕かれた願い」・・・。
いろいろ案は出ますが、私にはどれも唐突でピンと来ませんでした。
私たちは、5年10ヶ月の間一体何をしてきたのか、今何を総括しようとしているのか。コピーライターにはなれないと痛感しつつも、つらつら考えてみました。
そして浮かんだ言葉は、「生きてかえれ」。
5年10か月の間、ポスター、チラシ、集会、イベント・・・ありとあらゆる機会に使ってきたフレーズです。この5年10ヶ月の活動を一言で言い表す象徴的なフレーズは、やはりこれしかありません。
次の編集会議で提案すると、はじめは「今さら生きてかえれ」?と異論もありましたが、私の思いを話すと最後は皆の賛同を得ることができました。5年10か月の間、数え切れないほど何度も使った切なるフレーズ・願いであり、それだけに私たちの断腸の思いが凝縮したタイトルになったと思います。
そして当ホームページの開設に当っても、全く同じ気持から「生きてかえれ」をメインタイトルとしました。
警察・マスコミ・オウム・・・様々な問題点を浮彫りにした5年10ヶ月。私たちの「生きてかえれ」の願いを長年翻弄し、そして打砕いたものは何なのか?将来に向けそれらの問題点を究明していく上でも、原点としての「生きてかえれ」の思いにこだわり続けたいと考えています。
弁護士 瀧 澤 秀 俊