早川供述調書(2) 甲A138
指示されるに至った状況 麻原の指示は4人でやれといった。
指示されたのは11月2日の深夜。 第一サティアンの4F(最上階)に麻原が住んでいた。(見取り図)
麻原に呼ばれて瞑想室へ。橋本を除く5人。
床に座る。始めはサンデー毎日の牧の話しだった。サンデー毎日に怒り、私たちも強い怒り。毎日新聞社を爆破できるか。
そのうち麻原が「今問題なのは坂本弁護士だ坂本弁護士をポアしなければ」と言いだし、親指と人差し指で輪を作り頭の上ではじく動作をした。ヴジラヤーナの説法をした。
ポアは殺すという意味。他の者も理解していた。
麻原は私たちに、殺人であるるが必ずしも悪いことではない。それは麻原でなければ判断出来ないことだと言った。疑う余地はなかった。この時初めて殺せと言われた。
当時坂本は攻撃的存在で、訴訟を起こすことでラジオ、マスコミの圧力を作っていた。しかし代理人、別の弁護士がまたやる。
「弁護士をですか」と聞き返した。
麻原は「坂本は実質的なリーダーだ」と説明。ネタ元を押さえると言う麻原の説明に私は十分納得した。
当時私の認識も坂本弁護士だけだった。将来教団への障害となる、と疑わなかった。
麻原は「いい薬がある。中川が用意している。」「どうするんですか」「注射するんだ。帰宅途中を襲え」「うまくいきますかね」「一発殴って気絶させればいいだろう。端本がやれ」と麻原が端本を選んだ。
端本は大会で優勝していた(審判は新実だった。)。
端本を呼んだ。麻原は空手のマネをして、「一撃で気絶させられるか」。「出来ます」 。
九州の信者の弁護士に自宅住所を聞くことにした。
坂本は私と新実が見つけると思っていた。坂本を気絶させ、注射で殺すという計画だった。私は当然死体は麻原のところに運んで帰るつもりだった。捜査を恐れていたので、遺体が発見されないよう麻原の指示を受けようと。実行犯はそう思っていただろう。
11月3日佐伯が九州の弁護士から聞き出したら、出発することになった。車の準備をしてカツラなどで変装することを話しあった。
当時選挙のため非合法活動用に杉並区のアパートなどに変装用具があった。林泰男が住んでいたので、変装用具を用意するよう指示。
2台の車で出発。ブルーバードに乗る。杉並の選挙事務所に林を呼び無線を用意させた。(30分以上)この時変装用具も準備。計画については話さなかった。
村井から10万円を渡され、新宿周辺で各自洋服を購入した。車の中で着替えた。中川が端本の高い服を「すぐに捨てるのにもったいないな」と。プルシャは脱いだ服と一緒にしておいた。
首都高速、横浜新道と通り、自宅に近づいたのは午後4時頃。佐伯と村井がアパートを教えた。
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