松本・地下鉄サリン事件の被害者救済の集い
1997年6月26日
衆議院第二議員会館第一会議室
主催者
<進行>
黙祷
石井紘基議員挨拶
議員の会は25名
地下鉄サリン弁護団団長 宇都宮健児弁護士の報告
松本サリン弁護団 伊東良徳弁護士報告
明日で松本サリン事件3年を迎える。
この事件は、裁判官官舎という公権力を狙った犯罪であり、被害者はその巻き添えになったものである。
他方、地下鉄サリン事件についても、霞ヶ関の官庁を狙った犯罪であり、被害者らは役人の身代わりとなって殺され、被害にあったものである。
ところで、国も破産の申立をした。その目的は、オウムを解体するためには破産が早期に必要であったからであり、徹底的壊滅を目指して進めたことであった。その際お役人らは、国の債権だけでは足りないので、被害者の協力もと要請してきていた。被害者に迷惑をかけることはないと明言していたのである。つまり、国の目的は「債権回収」ではなかったはずだ。ところがいざ配当を前にして債権届け出を断固として撤回しないことには、非常に違和感を感じる。
現在の配当率は19.4%。破産管財人報酬など諸費用を引くとさらに下る。この破産手続きで自治体からの税金の交付要求は7400万円余り、これは優先債権として被害者よりも先に満額回収できることになっている。さらに国と自治体は、労災保険・健康保険の求償権として約5億5000万円もの債権届出をし、配当に加わろうとしている。これたの国と自治体の交付要求や債権届けがなければ被害者への配当は21.6%増加するのだ。さらに、破産に先立つ清算手続きで国が出した予納金の返還請求権を放棄すると被害者への配当は38.9%に増加するのである。現状で遺族に支払われる配当金の平均は約2000万円と試算される。普通交通事故でも5000万円以上は出る。
この破産手続きにおいて、自治体がオウムの資産に課税するということは、すなわち被害者に課税していることと同じことなのである。横取りされるという感覚である。
遺族の気持ちとしては、国や警察がもっと早くきちんと対応していればサリン事件は防げたのではないか、と考えている。その上、国家権力を狙った犯罪に巻き込まれたのであるから、国は当然被害救済のために動くべきである。国が何もしないならまだしも、積極的に被害者の救済を妨害するということ自体我慢できない。
国にしてみれば少額であっても、被害者にしてみれば非常に高額である。
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破産管財人報告 (常置代理人大野金一弁護士)
大阪道場、亀戸などの処分が見通しがつき、あと1か月ほどで土地の処分はほぼ終わる。その結果として、資産見通し10億7400万、負債合計50億2900万円となる。
今後、破産管財人の経費や不動産譲渡所得重課税5000万がかかってくる。
配当は19%前後。不動産不況による売却代金も目減りした。
今後、10月15日の集会をめどに中間配当をしたい。
破産管財人の業務は、この規模であれば普通は5〜6年かかるところであるが、何とかほぼ一年で見通しがついたという状況。訴訟や処分不可能な資産など5%程度は残りそうだが、そのほかはあと数ヶ月中に完結したいと考えている。
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出席議員からの発言
秋葉議員
「オウム真理教問題を考える国会議員の会」の人数を増やして、もう少し国会の方でも充実したい。住専処理に莫大な金を出しておいて、弱者救済に出さないのはおかしい。弱者を踏みにじる政治体制が明らかとなった。
犯罪被害者・災害被害者に対する救済について取り組んでいきたい
木島議員(共産党)
弁護士出身で破産管財人の経験もある。
現行法の壁があり1省庁の判断ではできないかもしてれない。
特別立法が必要ではないか。となればまさに国会の責任。ぜひやり遂げなければならない問題であり、他党と力を会わせていきたい。
枝野議員(民主党)
弁護士出身。
法的に役所が動きにくい状況になっているので、国会の責任であると思う。
行政は被害者救済の邪魔をしないで欲しい。
破産法の原則はわかるが、何事にも原則と例外がある。本件で例外をどう適用していくのか。柔軟な知恵で 法の壁を乗り越えて行く方向で努力してきたい。
漆原議員(新進党)
弁護士出身。
地下鉄サリン事件当時弁護士をしていた。
根本的に解決したい。立法で乗り越えて行く必要がある。
国が配当をもっていくのはどうしても納得できない。
穀田議員(共産党)
うかた議員(民主党)
議員立法が必要。被害者だけが泣きを見るということだけないようにしていかなければならない。
中川議員(社民党)
サリン事件当時、兵庫県で暮らししていた。
急に震災の報道がなくなり、オウム報道だけになった。
震災については公的支援の法律を作るようにがんばっている。
今日、サリンの被害者も国から放っておかれているのだと言うことを知った。
橋本あつし(共産党)
皆さんの要求は全面的に支持している。国が力を入れて断固とした捜査をしていれば。警察は「失踪」事件として踏み込んだ捜査をしていない。松本サリンが起きたとき裁判官を狙ったものと思った。それでも警察は動かなかった。それなのに債権だけを要求することは許されない。これまで前例のない事件に対し、これまでの法律だけで解決していいのか。
大森議員(平成会、新進党)
弁護士出身、坂本弁護士と同期
法の枠だけの問題ではない。住専の時には超法規的措置をとったではないか。この件でも同様に。
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遺族から
<地下鉄サリン事件>
高橋シズエ
夫は営団職員であった。
皆殺される理由はない。殺された12人はともまじめな夫であり娘であった。
被害者はみんなでオウムを破産に追い込んだ。被害者の会を作り手記集も出した。家族の死に納得がいかないから。
裁判傍聴していると、常識では考えられないことがオウムの中で行われていたことが判る。オウムが殺人集団になったのは警察が野放しにしていたから。また東京都は何の管理もしなかった。国民の安全を考えない行政、管理能力のない国。
遺族は堪え忍ぶしかないのか。犯罪被害者対策では欧米から20年遅れているといわれている。犯罪被害者救済対策を強く望む。
明石(仮名)
妹はまた入院中であり、いろいろな人に迷惑がかけられないので、名前は出せない。
今日も病院に行って来た。
あの3月20日、
丸の内線に乗っていた。心肺機能が停止し、レスキュー隊の人に蘇生してもらった。そのレスキュー隊の人も倒れた。当初医師から、ずっと寝たきりが続く、覚悟を、といわれたが、その後少しずつよくなって、わずかずつでも動くようになってきている。奇跡的なこと。病院で私たち家族が咳をすると、妹は言語障害がある身ながら「大丈夫」と気遣う、そんな子である。
まだ大勢の人が後遺症で悩んでいる。どうか皆さんに理解してほしい。
被害者本人だけでなく家族も被害者である。父親は病気で、娘に会えない。寂しい思いをしている。妻も私と結婚しなければ違う道があったであろうに、本当に良くやってくれている・・・
とにかく被害調査とケアをやってほしい。
大川
小伝馬町で被害に遭った。秋葉原で電車爆破事故というアナウンスがあった。倒れている人の看病をしていたが救急車は来なかった。中で職員が倒れているといわれ、ホーム上に戻った。サリンの固まりがホームに出たままになっており、そこで被害にあった。その後6ヶ月は仕事ができなかった。被害者の会のアンケートで、阪神大震災の時に取り上げられたPTSDが多く出ている。外出するのがいやで病院にも行けない。専門的な病院もない。PTSDだけでなく視力の低下を訴える人が多い。未だに目が痛む人もたくさんいる。ぜひとも国には被害状況調査と対策を講じてほしい。私たちは国家転覆を狙った犯罪の巻き添えに遭ったのだ。その被害者を救うのは国しかない。国会議員は対策を。
<松本サリン事件>
阿部
19歳の息子が殺された。6月28日テレビで第1報を知り、友人から連絡はあったが、警察から何の連絡もなかった。現場に行って初めて死体を確認。その年のお盆に、鋭意捜査しているとのはがきがあっただけ。11月に松本署に行ったが、副所長は「鋭意捜査している」というだけ。あとで二度とこのようなことがないように、本当に大丈夫なのかと聞くと「大丈夫です」との答えだった。ところが、その後地下鉄サリンが起きた。本当に腹が立った。何のために税金を払っているのかと、怒り心頭である。また刑事裁判が進まないことも。私たちの心の平静はいつになったら来るのか。その上で国や自治体は税金を要求する、一体どういうことなのか。もう税金も払いたくない。松本サリン事件では、皆独身でたまたまそこにいただけの人が多い。そのため松本市も長野県も真剣に取り組んでいないように思う。しかし7名が死んで500が傷害しているのだ。
倉田(外務省参与 国連)
「極秘捜査」202P
まずアメリカ大使館から被害状況の問い合わせがきた。世界の方がこの事件を注目しているのだ。各省庁にデータをもらおうと思ったが、驚くべきことに、どこにもない。誰も調査していないのだ。廻り廻って町田の中村弁護士を紹介された。被害状況については、松本サリンは松本市と信州大学が調査している。地下鉄サリンの方は聖路加病院のみである。これまでテロに対し何の対策もなかった日本で大量殺戮事件が起こった。大変恥ずかしいことである。日本は世界に向け事件の状況を説明なければならない。世界平和を叫ぶのであれば、実際に仕事をしなければならない。事件の実態を日本語でまとめること、そしてそれを英語にして世界に渡すことが必要。サリンが使われたのは世界初。次の事件が起こってはいけないのだ。事件の実態を世界に知らせることは、日本の世界への貢献である。
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各省庁からの報告・回答
警察庁
−−指名されたにもかかわらず、3人の役人が顔を見合わせモソモソ言い合っているだけで、ちっとも発言しようとしない。沈黙の中、3分、5分と時間が過ぎていく・・・。
どうも、当初予定していた部署と違うところから来た人が来たらしい。
刑事局の事件捜査の主幹と犯罪被害者給付金の担当?
結局、このときは発言せず。
段取り悪し!
法務省
債権表の11、12、47番。2400万円余が破産債権として確定している。
届出債権を放棄撤回するということについては、財政法や国の債権の管理に関する法律において放棄、免除の規定がない以上、結論は出ている。現在のところ現行法上困難というしかない。
公安調査庁
外務省
この事件は諸外国から注目されている。これまでも関係諸外国に対し情報交換・情報収集をしてきた。
海外でのオウムの活動についてはついては説明省略する。
被害について、各国からの申し出はない。ロシアでは94年、「青少年救済委員会」信者の親の会が申立て、95年4月、裁判所が活動停止命じ、200億ルーブルの賠償を認めた。しかし、賠償は執行されていない。今後も必要に応じて情報収集を行っていく。
化学兵器という、国際的に根絶すべきものがつかわれたということを重視している。
文部省(文化庁)
宗教法人担当。債権については何も言えない。持ち帰って検討する。
厚生省(社会保険庁)
サリン事件の治療のための保険給付について、「第3者行為による求償権」を行使している。1200万円の債権届出をした。債権放棄の要請もあったが、債権管理法に基づき適正な手続きをしているので、放棄はできない。今後も関係省庁と協議をして行くが、現状においてはご理解を。
労働省
通勤災害等、労災3686名が被災し、保険給付で対応した。
現在も治療継続中の方もあり、引き続き給付している。
その費用については、オウムの加害行為として「第3者行為災害」として保険給付金の範囲で損害賠償請求権を取得している。3億3483万円(認否表13−19,91)。これは債権管理法によるものなので、ご理解を。
自治省税務局
山梨の交付要求を撤回させる指導を、という要請であるが、地方税法上交付要求をしなければならない、とされている。したがって適法行為である以上国から撤回指導はできない。
警察庁
<各省庁の事前の対応について>
石井議員の秘書
総理府は直接の担当者がない、関係ないという感じで出席を断られた。
総務庁は、とりまとめをしていたが、今日は来ていない。
大蔵省は、国や各省庁が放棄するといことになれば債権管理法をどうするかという話になるが、今のところそのような申し出は何もない。出席については前例がない。
各省庁の中でも担当が分かれ、なかなかたどり着かないという状況があった。
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<質問>
石井議員
国会議員の会を2年前作った。現在25名。日本の国で起こったことが日本で何も調査されておらず、アメリカで調査され報告されている。縦割り行政で分担したことしかやらない。警察庁については、容疑があれば事件を調べる、犯罪事実が出てこないと調べられない制度になっている。オーストラリアの実験についても、捜査できない制度になっている現状では、やむをえない。問題は、今後どのような制度を作ることはできるかとうこと。
債権放棄が困難ということについては、債権そのものを放棄できないとしても、今請求することはしないということはできるのではないか、執行の判断の問題ではないのか。
警察庁
捜査のあり方については検討されなければならない。
捜査上の問題について検討していかなければならない。
事件の流れや方法について、内外ともに検討していかなければならない。
外務省
海外の方で重大性について国際的関心の高さがある。
情報収集は当初からやってきた。これ以上詳しくということは相手国当局との関係で難しい。また、裁判進行中のことなので言えない。
石井議員
外国の議会では報告が出ているのだ。外務省もできないなどということはないはず。
法務省
届出撤回については、破産法228条に基づき債権届けでし、240条で異議がなかったので確定した。242条でその確定債権は確定判決と同一の効力を有する。したがって、今回の債権は異議のないもので確定しているので、請求をするとはしないとかはもはや入れる余地がない。
厚生省
届出の撤回について、切り離した形での検討はしていないが、法務省と同じ結論。
労働省
現在も療養が続いている人がいる。届出時点のものの他、その余のものについては届出に算入させていない。
自治省
地方税法上交付要求しなければならないとされている。
石井議員
破産になったとき、他に先駆けていち早く届け出をしたこと自体何事かといいたい。われ先にと競って出すことがおかしいのではないか。被害者の様子を見てくらいの配慮がほしい。
伊東弁護士
破産手続きの実務上、確定後の届け出の撤回はよくあること。法的にできないわけではない。初めから交付要求していないケースもあるのではないか。
自治省
通常全て交付要求していると認識している。具体例を把握しているわけではないが、そういう規定になっているので。
厚生省(社会保険庁)
健康保険給付の求償権については、通常は全て求償請求している。
「求償権を行使しても回収できない場合」についてはデータがない。
労働省
中村裕二弁護士
労働省の求償権など現実に全額届け出しているわけではない。届け出をしないことができるなら撤回つまり届け出しなかった状態に戻すこともできるはずだ。現実にサリン被害者で届出を撤回した人もいる。法的にはできるのだ。我々は実体的に債権を免除してくれと言っているのではない。届け出を取り下げてくれと言っているのだ。これは法律の問題ではなく各省庁の判断事項である。
そもそも破産の申立は各省庁はオウムを怖がってやらなかった。その時被害者がやったのだ。地下鉄営団はさらにたちが悪い。怖くない状況になってから多額の債権届けをしてきた。さすがに破産管財人も怒って異議を出し撤回させた。
この破産の目的は「オウムの壊滅」を「被害救済」であったはず。法務省は当初、その目的・趣旨から各省庁に対し、破産の配当を遠慮するように要請していたのだ。そういうことについて前担当者から引継はしていないのか。
法務省
認識していない。
事実関係については調べる。
破産請求の目的については、いろいろある答えられない。
高橋シズエ
皆さんの話を聞いていると、とてもむなしい。
法律上難しいというなら、「じゃあ被害救済について何とかしよう」と考えている人はいないんですか!・・・・・・・・・(しばらく沈黙)
誰も考えていないんですね。それじゃあ、私たちを虫けらのように扱うのと同じですね。あなた達は私たちの税金から給料ははらわれているんですよ。もっと責任を感じて下さい。今後のサリンの対策はどうするのですか。誰も何も学習していない。また大勢の被害が出てからあわてふためくつもりですか。
自治省
今日は税金のことで来ている。全体的なこと答えできる立場ではない。
伊東弁護士
全体的なことでなくてもいい。自分のところの部局でどんなことができるのかを考えてくれ。
自治省
厚生省(社会保険庁)
個人的な立場で言うことは差し控えたい。
部内で報告検討させていただく
石井議員
労働省
現在療養中の人への対策を講じている。
平成8年5月分まで求償している。それ以降の分については今後考える。縦割り行政については話できる立場でない。労災保険については、PTSDが、後になってフラッシュバックのように発生することが指摘されている。聖路加のDr、信州大学のDrと検討し、労災のアフターケアをして実施している。
文部省
今後宗教法人格の認証においてチェックを厳しくする。
法律も改正された。対策を講じている。
外務省
法務省
犯罪被害者の救済については、大事な問題と考えている。
被害回復財産散逸という困難がある。
刑事局
被害回復については内部的に検討している。
民事と複雑に絡むので関係部局と検討している。
警察庁
犯罪被害者対策室から来ている。
6600万円支給している。
平成8年1月から全国警察で対策を検討し、警察庁に対策室ができ、全力で取り組んでいる。対象も3級から拡大。被害者の立場を考えながらやっていきたい。
<質問>
新潮社記者
法務省に対して
破産申立の目的に「被害者救済」が入っていたのかどうか?
答える義務があるはずだ。
法務省
そのような効果があることは認識している。
一般的にはそういった目的がある。
申立当時の「目的」については回答できない。
新潮社記者
山下弁護士
宗教法人の認証から9年。今日は都庁が来ていないが、都庁の責任もある。認証から3ヶ月後に坂本一家が惨殺されている。その後何の監督もしていない。その責任問題があるのだ。国家責任追及もあり得る状況であるということに思いをいたして欲しい。
小野弁護士
話がオウム問題から一般的な犯罪被害者の問題に移行してしまっている。「オウム問題」について各省庁が何をしているのか、が問題なのだ。「オウム問題」についてどう受け止めているのか。各省庁が自分たちでできることをやってきたのか。情報を握っている、法務省や警察庁が何をやってきたのか。元信者のkさんの告訴に対し警察は捜査中止してしまったこと。
また、薬物の検査ついてどういうことをしてきたのか。各省庁改めて総括をして、必ず報告をあげてくれ。自分たちがやるべきことをやらないで、義務を尽くさないで権利だけを行使するというのはどう見てもおかしい。考え直してほしい。最低限報告をあげてくれ。
高橋シズエ
PTSDについての通達が各病院に伝わっていない。厚生省はきちんと通達をしてほしい。また警察はその後のオウムの信者を取り締まっているのか?破防法が棄却され、今でも恐怖がつきまとっている。
厚生省
警察庁
公安調査庁
破防法棄却以来、新たな信者獲得に動いている。我々は危険団体と見て監視している。破防法の再請求も視野に入れている。
当庁としては強制捜査はできないので、任意の情報収集に限られ、限界がある。
その範囲でできるだけのことはやった。
高橋シズエ
警察庁
鋭意捜査している。
3名逃走中であるので、鋭意努力している。
滝本弁護士
住専に出してなぜサリンに出せない。
サリン被害者は代わって死んだのだ。
どうして被害填補しないのか上前をはねるのか。
事件の前年から弁護団は危険性を指摘し捜査要求していたのに、なぜ監視していなかったのか。
自分のところに事件について外国諸機関から問い合わせがあったが。日本からはない。はずかしい。
明石
被害者に関する調査とケアをあきらめずに努力してくれ。
少しでも幸せを被害者に与えてくれ。
国民の税金で生活しているんでしょ。みんなのために働こうと思って公務員になったのではないのか。ぜひ被害者のために努力してほしい。
伊東弁護士
債権届出撤回については、債権管理法の規定はある。しかしそれは実体について。手続きの問題は別、申し出をするかどうかの問題。撤回は規定がなくてもできるはず。間違った届け出の時、規定がなくても撤回ができるはず。実体としての債権をどうこうしてくれと言うのではない。債権は残せばいいのだ。法的にできない話ではない。できない方向に考えるのではなく、できる方向で知恵を絞って欲しい。できないと言うことの規定はない。届けなければならない、ということだけ。実務上は届け出していないケースはたくさんある。それと同じこと。ほんとにどうしても取ることを目的としていないのであれば、よく検討して欲しい。
小林(松本サリン遺族)
「法でできない」というだけなら小学生でもできる。全く関係がない者が大勢殺されているのだ。もし役人が殺されたらどうしていたか。今のままでは、馬鹿にされているとしか思えない。ますますむなしくなった。
警察庁
公安調査庁
何をすればオウムを防げたのか、再検討して調査する。
法務省
外務省
文化庁
ここで聞いたことを文部省にも伝えて何かできるが検討したい。
労働省
社会保険庁
情報を入手しておらず、的を得ず申し訳ない。債権管理については持ち帰って検討する。
石井議員
山梨日々新聞の記事を見ると、自治体は弁護団からの撤回要請に対し否定的。しかし「相談して検討する」というニュアンス、心情的には受け入れたいようにも感じられる。自治体がもし撤回したら、自治省はそれをどのように対処するのか。撤回は違法行為なのか。撤回したら行政指導するのか。
自治省
地方税法上交付要求義務があるので、規定との関係で問題が生じる。罰則はない。
法律に基づかなければならない。責任問題は生じる。行政指導については仮定では答えられない。自治体から相談されれば「困難」と答えるしかない。助言アドバイスする。
課税権は自治体のもの。
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石井議員 挨拶
今日明らかになった問題点を認識し、持ち帰って真剣に各部署において方向を定めていただきたい。今後国会でも執拗に追っていきたい。休会中なのにこれだけ議員が集まったことは異例。これから国会でも取り組んでいきたい。オウム事件はは新しい型の犯罪、これまでの法律で解決できない問題なのだ。死滅していた破防法が出てきたり、総理府がどうしていいのかわからない、この席に出てもこれないような状況。新しい組織犯罪について取り組んでいかなければならない。新たな立法も必要になってくる。検討したい。今日採択された要請文を橋本総理(帰国次第)に届けたい。これを契機に世論を盛り上げていき、しかるべき到達点を得るよう固く決意した。
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<記者会見>
松本サリン
小林
息子は出張で事件に巻き込まれた。家族はあのときで時間が止まった。一生死んだことは認めないのではないかとおもう。
(?)
息子は眠っているだけで死んでしまった
家族全員が被害者
何をすることも考えられない
息子の楽しい思い出を胸に生きていきたい
地下鉄サリン
高橋シズエ
被害者救済の集いであるのに、メッセンジャーに過ぎない人しか来ていない。何も被害者救済のことを考えてはいないと言うことがよくわかった。でもこれであきらめてはいけない。彼らが今日持ち帰ってどうなるのかということを必ず報告してもらいたい。実行に移してもらいたい・
大川
責任逃れで即答できない人しか来ていなかったことが残念。これからもできるだけ追求していきたい。
中村弁護士
権利行使できるということは、権利の取り下げもできるということ。当たり前のことだ。労働省は、単独の判断でそれができるのだ。請求できるということは引っ込めることもできること。裏腹の当たり前のことだから法律に書いてないのだ。現に労働省が一部しか請求していないことはその証拠。政治判断でできること。
被害者の2割が未だに後遺症に苦しんでいる。治療費の負担、休業損害の救済はこれからも必要、健康保険労災保険の打ち切りは許されない。
労働省がこれからも給付を認めていくことをこの席で明言したことは、今日の集会の大きな成果だと思う。
配当が25%の配当になったとしたら、残り75%は国家的救済の問題。
犯罪被害者給付金は3級(ほとんど寝たきり)以上、それで出てもせいぜい300万円。今後7級に広げるとしてもとうてい間に合わない。
日本では我々はピストルをもてない。自分の安全は自分で守れない社会なのだ。また危険な情報は警察が把握している。安全な生活は国に依存しているのだ。したがって被害が起きたときには当然国が救済すべきである。
また。この貴重なデータ資料をまとめ全世界に報告すべきである。
宇都宮弁護士
集会の意義としては問題の存在を理解してもたったことにある。我々には時間がない。10月の中間配当までに決着を付けなければならない。個人的に意気に感じて救済をはかるという人がいなかったのが残念。今日見ていると、日本の官僚は危機に瀕している。人道、筋道、人間の気持ちを理解できる役人がいない。役人改革がまず必要。大蔵省の前で座り込みでもやろうか。
伊東弁護士
H8・9月までには債権は出そろっているが、当時は信者からの不当な届出の対策に目が向いていた。国に対しては、申立人相互の話し合いの中で、破産宣告があったら債権届出をしないよう要請していた。国の方では撤回含みの回答があった。異義を出そうかとも検討したが、異議を出すと確定訴訟の相手方となり、国はかたくなになる。法務省とは協力関係にあったので、異議は出さなかった。国に対し、届出撤回に向け動き出したのは今年3月から。
宇都宮弁護士
これまでの要請行動の中で、白川自治大臣が一番いい感触であったが、役人から反発を受けている。一番ひどいのは東京都の対応。