地下鉄サリン事件から4年
被害者たちの今
1999/3/20
<4年>
死亡12名、負傷者5500人以上を出したあの惨劇、地下鉄サリン事件から丸4年となりました。今でも後遺症と経済的困窮で立ち直れない被害者が大勢います。
今日、営団地下鉄霞ケ関駅など6駅では、慰霊式典が開かれ、駅員や被害者の関係者らが現場を訪れて献花し、黙とうをささげました。
<国への要請>
3月19日、「地下鉄サリン事件被害者の会」(代表世話人高橋シズエさん)と被害対策弁護団(事務局長中村裕二弁護士)のメンバーが、総理府や厚生省、そして都庁を訪問し、被害の実態調査や継続的な健康診断などの被害救済を求める要請書を提出しました。
<救済基金とカンパのお願い>
被害者への破産配当金は全損害のわずか22.59%。その不足を補うため、昨年7月に「サリン被害者等共助基金」が発足しました。
基金の目標は約32億円。しかし、現在のところ集まったのは約2185万円に過ぎず、配分できる額には達していません。そこで、今後は活動の重点を被害者に対する検診費用負担に移し、また被害者が社会的に孤立しないためのネットワーク作りにも乗り出すことにしました。
基金の連絡先は03(3502)7033 阿部三郎法律事務所
送金口座は
第一勧業銀行 東虎ノ門支店(店番号052)
普通預金口座 口座番号「1757256」
名義人「オウム真理教犯罪被害者支援基金」
<PTSDで労災認定>
東京労働基準局は20日、地下鉄サリン事件のため心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症が残ったとして、労災の障害給付を求めた都内の女性2人に対し、その給付を認める決定をしました。地下鉄サリン事件で労災と認定され入院費や治療費などの支給を受けている人は3701人いますが、PTSDによる障害給付は初めてのこと。
PTSDとは、犯罪や災害、戦争など重大なショック体験の後遺症として、頭痛・吐き気・精神障害などの様々な症状が現れること。地下鉄サリン事件でも、突然現場の地獄絵がよみがえるフラッシュバック、悪夢、乗り物や濡れた床・異臭への異常な恐怖感・拒絶感など、PTSDの症状が出ている被害者は大勢います。自覚症状のみのため、なかなか医学的認定が難しいのがネックですが、少しずつ医学的な研究分析も進んできたようで、ここに来て徐々に認定例が増えているようです。