坂本さちよさんのコメント
1998/10/23 判決後の記者会見において
岡崎被告人対する死刑判決を聞いて、坂本さちよさんは次のようなコメントを小島弁護士に託しました。
11時のニュースで知りました。
判決だからといって昨日まではほとんと緊張しませんでしたが、今日は夫の看病に行く気にもなれず家にいました。死刑の判決を聞いて、うれしいというわけではありませんが、むやみに涙が出ました。
すぐに3人にお線香をあげ、「あなた達の無念もこれですこしは和らいだかねえ」と話しました。私自身の無念も、6分の1くらいは晴れたかなと思います。
岡崎被告については、これだけのことをしたのですから当然の報いだと思います。裁判所には感謝します。
母として、岡崎被告に対する気持ちは誰よりも厳しいものがあります。その厳しい処罰感情を自分が持ったことで、死刑判決になり、人の命が奪われることになるわけであり、諸手をあげて「やった!」という気持ちにはなれません。判決であれ、人を殺すとことはいやだという気持ちです。しかし、だからといって今日の判決が納得できないということではありません。本当は、これで一家が帰ってくるのであれば無条件で喜ぶのですが、そうではないので喜びというわけではないのです。
(さちよさんの様子−小島弁護士)
冷静だったが、線香をあげたという辺りでは涙を流しているのであろう、感情を抑えた様子だった。
<武井弁護士のコメント>
これ以外あり得ない量刑。
自首の認定の当否については今後も検討したいが、スッと納得いくものでない。
減軽理由としなかったことは納得できる。そのとき岡崎は動揺した様子はなかった。
真相究明の戦いはまだ終わっていない。岡崎被告には死刑判決を受けてさらに真実を語って欲しい。事件の大枠については認定されたがまだまだ細かいことは解っていない。真相究明すべき点はたくさんある。
<小島弁護士のコメント>
岡崎被告に対して同情の心は全く湧いてこないが、死刑という判決を聞いて心が晴れたということも全くない。今の運用の中で無期懲役で仮出獄するのは全く認められない。
3人が帰ってこないことをを考えると、良かったという気持ちにはとてもなれない。
事件から10年たったが、95年9月に名立で坂本君に会うまでは、9回裏の逆転の可能性をずっと考えていた。それ以降は希望がなく、辛い期間であった。