TBS「放送のこれからを考える会」が提言
(毎日新聞ニュース速報より)
坂本堤弁護士のビデオ問題をきっかけに発足したTBSの外部識者会議「放送のこれからを考える会」(座長・堀田力弁護士)は18日、報道現場における「個の確立」を求める提言書を砂原社長に手渡した。
これを受けて、TBSは19日に「改革推進本部」を発足させ、提言の具体化を図る。
また来年1月に自社番組を評価するレビュー番組を始めるほか、社外の専門家も加えた委員会を設置し、人権侵害などに対応する。
提言はテレビを「現場の権限が大きく、分権性が極めて強いメディア」と位置付け「 一人の誤りが全体の信頼性を失わせる危うさを持つ」と指摘。問題を悪化させたのは会社トップの処理のまずさがあったからでもあるとし、「個人の自立」をバックアップす る「経営側の体制」を最重要課題に挙げた。
問題点として報道、ワイドショー、視聴率などの6項目について問題点を指摘。ワイ ドショーの問題点については「芸能モノを扱うのと同じ取材表現で、事件発生モノを問 題意識よりは興味本位に扱った。背景に視聴率競争がある」としている。
「行動の具体的指針」では、視聴率にこだわらない番組枠設定と予算措置・視聴率以外の番組の評価基準の開発などを提案。経営陣の決断と実行を促している。
砂原社長は「提言を全社員に配布・徹底し、(経営陣も)今後の改革に組み込む」と約束した。
再生のための行動指針(骨子)
1【真実を報道し、報道の自由を守るために】
報道の義務と責任を自覚し、倫理綱領と取材ルールを確立する
2【豊かな表現を育て、番組の多様性を確保するため】
ワイドショー は番組としての可能性を秘めている。ニュース報道とは異なる視点で、大胆にして、品性ある、これまでにない番組を開発する。
3【期待される番組を産む条件を整えるために】
視聴率を単一の基準とせず、視聴率にこ だわらない番組を放送する枠を設ける。
4【社会的要請に応える放送人の養成のために】
所属部署を越えて放送や報道について話 し合う場を設け、経営幹部も積極的に参加する。
5【視聴者や社会との信頼関係を回復するために】
放送や報道についての社会の問題提起 に対し、説明する責任を確認する