Amarok (1990)
アマロック
Amarok
前作「Earth Moving」から何の脈絡もなくリリースされたフルインストアルバム60分1曲勝負(^^)の大作かつ問題作です。
本作発表以前にオールドフィールドはTubular Bellsの続編を構想中であることをほのめかしていたために
当初、この作品がTubular Bells 2かと勘違いされたりもしたのですが、どちらかといえばOmmadawnとの
共通点が見出せる曲となっています。しかし、それも一部分に過ぎず(ゲール語からとったと云われる
意味不明のタイトル、オールドフィールドのポートレイトを使ったジャケット、アフリカンドラムの採用など)、
実は過去の作品との共通点は少ないと思われます。
全体の印象は様々な短いパートを脈絡無くつなぎ合わせたようであり、初期の作品にみられる
流れるような展開はありません。また、意表をつく展開や急激な音量変化があったりして、聴き手を
簡単には近寄らせてくれません。ということもあって当初賛否両論がありました。しかしながら
よく聴くとそれぞれのパートの音楽はまさしくオールドフィールドらしいものであり、アコースティック楽器やコンピュータ
制御できない楽器を多用しているため手作りの味わいがあります。
(実際にはサンプリングやデジタル編集テクニックは使っていると思われます)
私自身は、Tubular Bellという大作でデビューしたオールドフィールドがヴァージンレコード在籍時代を集大成する意味と、
準備中であったTubular Bells 2のための習作という意味でこのアルバムを作ったんじゃないかと思っています。
CDのブックレットには手書きの曲構成のメモが背景画になっており、これをみることで全体の流れを把握する
ことができます。曲を聴く限りでは本作のキーとなるパートはCLIMAXという部分のメロディーと思われます。
このメロディー、非常にオールドフィールドらしいもので私は大好きです。
このアルバムへの参加ミュージシャンはクロダー・シモンズ、ブリジェット・セント・ジョン、パディ・モロニーといった
Ommadawnでも参加した人たちが多く、そういった意味でもこのアルバムはOmmadawnを多分に意識して
いるのでしょう。そして作品自体もOmmadawnとはまた違った意味で渾身の力作といえると思います。
(おまけ1)
アマロックのCDブックレットに謎のOM .2という文字が...(^^;
これは、アマロックがオマドーン2であるオールドフィールドの意思表示か??
各パートと演奏時間との関係を表にしてみました。
なお、茶色の文字はCDのブックレットでは切れて見えないので
参考資料としてMike Oldfield FAQ(海外のサイト:DARK
STARのリンクから行けます)を使っています。
時間はほとんど一緒ですが1、2ヶ所私なりにアレンジしています。
Title | Time | Title | Time |
Fast Riff Intro Intro Climax I - 12 Strings Soft Bodrhan Rachmaninov I Soft Bodrhan 2 Rachmaninov II Roses Reprise I - Intro Scot Didlybom Mad Bit Russian Hoover(*) Fast Riff Lion Fast Waltz Stop Mad Bit 2 Fast Waltz 2 Mandolin Intermission Boat Intro Reprise 2 (Fade Out) ---ここまでSide1(30:00) (*) ここはRussianとの境目 が分かりません。 実際は Russian/Hooverとしたほうが 良いと思われます。 |
0:00 2:32 5:46 6:19 7:20 7:38 7:59 8:35 10:23 11:12 13:16 15:00 15:56 18:00 19:57 21:57 23:42 24:33 24:46 25:06 26:07 26:19 29:27 |
Intro Reprise 2 Big Roses Green Green Slow Waltz Lion Reprise Mandolin Reprise 1, 2, 3 TV.am. Fast Riff Reprise Hoover/Scot Boat Reprise 12 Rep Intro Waltz Green Reprise Africa I Far Build Far Dip Pre Climax 12 Climax Climax I Africa II Bridge Riff Boat 3 Bridge II Climax II Africa III Hello Everyone Choir Recorder Happy Finale |
29:27 32:07 33:13 34:24 36:04 37:05 38:46 39:50 41:03 43:20 43:32 43:49 44:12 44:46 48:02 48:46 49:32 50:23 51:00 51:17 51:34 51:52 52:10 54:23 55:50 57:30 58:14 58:43 |