Discovery (1984)
ディスカバリー


Discovery

To France
Poison Arrows
Crystal Gazing
Tricks Of The Light
Discovery
Talk About Your Life
Saved By A Bell
The Lake

 前作でのMoonlight Shadowのシングルヒットの影響もあってか、このアルバムは
ヴォーカル主体の作品集になりました。ヴォーカルにマギー・ライリー、バリー・パーマーという男女の
ヴォーカリストを据え、非常にポップな味わいがあるとともに、独特の幻想的な雰囲気を湛えた好アルバムだと
思います。ライリーのヴォーカルを気に入った方には大プッシュです。

全体的にはヨーロピアンポップス風のサウンドで、ケルティックな雰囲気やアフリカンドラムといった
土臭い部分はかなり抑えられています。しかし、凡百のユーロポップと一線を画すのはやはり
オールドフィールドの書く美しいメロディーラインと彼のギターです。弾きまくるわけではないのですが
ツボをおさえた演奏で二人のヴォーカルと見事に馴染んでいます。
また、本作では前作までのようにゲストミュージシャンを起用せず、ドラムのサイモン・フィリップスと二人で
サウンド作りされているのですが、音楽作成ツールであるフェアライトCMIを十分使いこなす
ようになったのが大きな理由だと思います。

曲はアナログではA面であるTo FranceからDiscoveryまでシームレスにつながり、
統一感を保っています。個人的にはライリーとパーマーが交互にリードをとるTricks Of The Light
気に入っています。間奏のギターソロがなんかほのぼのとして好きです。
後半はTo Franceの変奏曲ともいえるようなTalk About Your Lifeで始まり、ドラマチックな
Save By A Bellと続き、最後はインストルメンタルのThe Lakeで締めくくります。
この曲は11分にわたる大作なのですが、他の曲が良すぎるためあまり目立ちません。
それほど歌もののクオリティーは高いということができる、
オールドフィールドの歌ものの到達点といえるアルバムと勝手におもっています。
事実、次作のリリースまで約3年のブランクがあり、その後もサウンド的に大きな変動をみせるところ
からもあながち間違ってはいないと思うんですが。


 Mike Oldfieldに戻る