Hergest Ridge (1974)
ハージェスト・リッジ〜夢と幻の地平線


Hergest Ridge

Part One
Part Two

オールドフィールドの第2作は前作Tubular Bells同様のフォーマットで発表されましたが
前作および次作Ommadawnと比較すると多少地味な作風となっています。
これはTubular BellsOmmadawnのPart1後半にみられるような一大クライマックスと呼べるような部分が
無いことに起因していると思います。
しかしながら曲を形作っているメロディーは非常に優しく美しいものであり、
ジャケットの風景があらわしているようなたおやかな世界での白日夢という印象を想起させます。

サウンドは前作と大きく変化している部分はないのですが、デヴィッド・ベドフォードによるオーケストレーションが
効果的に使われており、それがこの作品の優雅さを醸し出していると思います。
反面、パーカッシブな音は控えめであるとともにリズム体が若干弱いかなと感じます。
したがってこの作品にロック的要素を求めると肩透かしを食うことになるでしょう。

しかし、この作品全体を彩るドリーミーさは次作Ommadawnに引き継がれ、
よりスケールアップした形で提示されてきます。
そういった意味ではオールドフィールドの作品のある一面を知るのに重要な作品といえるでしょう。

また、現在CDで聴くことができるミックスはLPのオリジナルミックスとは別のもの(BOXED収録のヴァージョン)であり、
明らかにメリハリに欠けるものになっています。オリジナルのマスターが紛失しているという説もありますが
なんとかオリジナルバージョンをCD化してもらいたいと思います。


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