Light + Shade (2005)


Disc 1 -Light-
Angelique
Blackbird
The Gate
First Steps
Closer
Our Father
Rocky
Sunset

Disc 2 -Shade-
Quicksilver
Resolution
Slipstream
Surfing
Tears Of An Angel
Romance
Ringscape
Nightshade

Warner Music SpainからMercuryに移籍して初めてのアルバムは前作Tubular Bells 2003を除くと
その前のTres Lunasからは3年ぶりとなる作品集となります。
今回は2枚組ということでかなりのヴォリュームを予想しましたが、全編で82分なのでCD1枚分+αといったかんじ。
(それでもヴォリュームあることはあるが…)
5分程度の曲が並んでいるような小品集といったイメージ(1曲10分ものもありますが淡々と流れていって大作といったふうではありません)。
ディスク1はTres Lunas同様チルアウト系の作品集、ディスク2はそれよりもややリズミックなダンス系のシーケンスフレーズが
活用された作品集とおおざっぱに分類できるかと思いますが、そう大きくイメージが異なる感じはしません。
ミディアムテンポの打ち込みリズムとシンセ、そこに彼のギターがちらほら…といった
いうなれば最近のオールドフィールドが作り出す音楽そのままといった感じで新鮮味はあまり感じられないのが本音。
実際Tres Lunasのゲームで使われていた曲も3曲あったりします。(First StepsOur FatherRingscape

従来の彼の作品と同じように本作でも使用楽器リストがクレジットされていますが
アコースティック楽器はギターとピアノのみ、あとは電子系楽器で占められており、特にソフトシンセプラグインが多用されています。
その中でも本作ではヴァーチャルヴォーカルを作り出すソフトシンセVocaloidCantorを使用しているところが特徴です。
きっと今回の「セールスポイント」といったところでしょう(^^)。ひょっとしたらこれのプログラミングに一番力を注いだのかも?
(他のサウンドがお手軽風に聞こえるから?(^^;)

とはいってもいかにもオールドフィールド「らしい」部分というのは昔から聴いているファンにとっては
聴いていて「あ、これこれ!」と思うところがあって思わず嬉しくなってしまいます。
ここではそういった部分をピックアップしてみましょう。

Closer
ほとんどベースとギターだけで作られたケルティックなメロディーの曲。
シンプルですが、'80年代のシングルのB面に入っていたような小品。

Sunset
The Songs Of Distant Earthに入っていてもおかしくないような、綺麗なメロディーの曲。
後半にかけて徐々に盛り上がっていくところがいいです。

Quicksilver
ピアノのパターンがTubular Bellsの導入部!(メロディーは違うが)。
シンセのシーケンスがTB3The Source Of Secrets風でもあり思わずニヤリ。
これはオールドフィールド本人も「狙った」んでしょうなあ(^^)。

Resolution
ディストーションが掛かったややヘヴィなギターリフがいい感じ。
スネアの音も生っぽくて個人的には好きですね。

Surfing
Cantorによるヴァーチャルヴォーカル(男声)を使用した歌もの。
ヴォーカル部はたいしたことないんですが、後半に現れるギターソロが聴きどころ(^^)。
最近の作品ではこんなにギターを重ね合わせることないだけ逆に新鮮。

Tears Of An Angel
この曲もオールドフィールドらしいギターがいっぱい出てくる!
こういったかっこいいソロをもっと聴かせてもらいたいものです。

個人的にはDisc2 -Shade-のほうが好きですね。リズミックな曲が多いというのもありますが、
昔を彷彿とさせるギターソロが聴けるといった点で何度も聴きたいと思ってしまいます。
とはいっても各曲の展開が少ないのが寂しいですね。
次回は昔からのファンを「あっ!」と言わせるようなものを作ってもらいたいものです。


Vocaliodの製品紹介サイトはこちら
Cantorの製品紹介サイトはこちら (このアルバムが紹介されています!)


あと、オールドフィールド自身による曲解説を和訳してみました。(テキトーですが)
誤訳容認くださいませ〜(^^; こちら

おまけ … Slipstreamのイントロのシーケンスって「Xファイル」っぽくないかなー(^^;


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