Tubular Bells 2003 (2003)


Introduction
Fast Guitars
Basses
Latin
A Minor Tune
Blues
Thrash
Jazz
Ghost Bells
Russian
Finale
Harmonics
Peace
Bagpipe Guitars
Caveman
Ambient Guitars
The Sailor's Hornpipe

こちらはCDブックレット裏。Tubularだから波のチューブってわけね(^^;。

オールドフィールドのソロデビュー30周年を記念したTubular Bellsの再レコーディング作品です。
このアルバムは前々から企画が進んでいたことは知っていましたが、こうやって実際にリリースされて、
収録された音楽を聴いてみると感慨もひとしおです。

1992年に発表されたTubular Bells IIがオリジナルと同じフォーマットで異なったテーマを演奏したもので
あったのに対し、今回のTB2003はオリジナルの完璧な再現を目的として制作されているため、
一聴するとオリジナルアルバムと変わりないように感じるかもしれません。
しかし、よく聴くと30年前のレコーディングでは成しえなかったサウンドがこのアルバムには展開されています。
ひとつはこの30年間でオールドフィールド自身が身につけた演奏テクニックの幅広さや編曲能力の成長であり、
もうひとつはハードディスクレコーディングをはじめとする録音機材・技術の進歩であったりするわけですが、
このアルバムをひとことでいえば「広がり感・透明感」ではないでしょうか。
これは近年のオールドフィールドの作風からはある程度想像はできていたのですが、実際に聴いてみると
想像以上に素晴らしい出来映えだと感じました。

曲構成、各テーマは基本的には同じですが、当時無かったシンセを使ったヴォイス系やストリングス系パッド、
ステレオリヴァーブ等のデジタルエフェクター、オリジナルではダビングに埋もれて聞こえ難かったフレーズ、
さらには新たに追加されたフレーズが聞こえたりと、聴き込むほどに違いがわかってきます。
これが良いか悪いかはリスナーによって異なるんだと思うのですが、個人的には概ねOKです(^^)。
聴きどころであるFinaleのパートも実にクリアに仕上がっていてすごく聴きやすい!
クライマックスのチューブラーベルズが打ち鳴らされる部分とその後の展開を聴いていると、盛り上げ方がスムーズで
TB2でのThe Bellのエンディングのような爽快感をたたえたエンディングとなっていると思います。

ブックレットにはオリジナルと同様使用楽器のクレジットが記されていますが、本作では従来の楽器群とは別に
Roland JVシリーズやKorg Trinity、Nordleadといったシンセサイザー、その他ソフトシンセが使用されています。
ハードディスクレコーダーはフェアライトのMerlin、ソフトウェアはLogic Audio、ProToolsなどが使われているようです。

Fairlight Merlin Series

衝撃的作品だった(はず)のオリジナルのTubular Bellsと比較すれば当然のことながら新鮮さはありません。
オリジナルと比べるとエンターテインメント的な部分も多少含んだ大人の音楽ではあると思いますが、
このアルバムが一般リスナーにどれだけアピールできるかは非常に疑問が残るところです。
しかし、オールドフィールドの音楽の原点であり、いまや中心的存在となったTubular Bellsを本人が再録音しようと考えて
実際にやってしまうこと自体が非常に意味のあることではないかと思います。
50歳となったオールドフィールドがこれからどんな音楽活動をしてくれるかというのは少し不安ではあるのですが、
このアルバムを聴いてそんな心配は不要かなと、個人的にはそう思いました。



Tubular Bells 2003
(2004:DVD-A)

Advanced Resolution Multi-Channel Surround Sound
Advanced Resolution Stereo
Dolby Digital 5.1 Surround Sound
DTS 5.1 Surround Sound
Dolby Digital 2.0 Stereo
Video Excerpt from Tubular Bells II & III
The Original Audio Demos of Tubular Bells


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