Tubular Bells V (1998)
チューブラー・ベルズ V


Tubular Bells 3

The Source Of Secrets
The Watchful Eye
Jewel In The Crown
Outcast
Serpent Dream
The Inner Child
Man In The Rain
The Top Of The Morning
Moonwatch
Secrets
Far Above The Clouds


前年、WEAよりリリースされたベストアルバムXXVにそのイントロ部が
収録され、そのハウスビートを使用したサウンドが一部で物議をかもし出しましたが、
実際に発表された「本体」はそれだけでは括れないオールドフィールドの集大成といえる作風となっています。

イントロ部のThe Source Of SecretsXXVに収録されたバージョンを
発展させたもので、元のヴォーカルが男性の中東風のメロディーだったのが、本編ではアマーという
女性が歌うインド風のものになっています。出だしは確かにハウス風ですが、オールドフィールドのギターが
からみだすと、そこには紛れもないオールドフィールドの世界が広がっていきます。

そして、そのあとに続く曲たちは過去の彼の作品群の持つ雰囲気をちりばめた五目御飯的味わいと
なっています。特に遥かなる地球の歌アマロックオマドーンあたりの雰囲気が多く
占められています。また、Man In The RainはあのMoonlight Shadowのリメイクと呼んでもよい
ような歌で、キャラという女性がこれまたマギー・ライリーに似た声質で歌っています。

このように書くと何か散漫なように思えますが、このアルバムの芯となっているのはやはり
チューブラーベルズのフォーマットで、今作TB3では順序は異なりますが、TBのエッセンスを
ありこちから感じることができます。また、TB2と同様に冒頭にグラスハープの音色で現れる主題が
全体の統合感を出しています。それと、TB3では"Man In The Rain"という言葉がキーワードになっているようで
最後のFar Above The Cloudsでも子供のナレーションで"Man In The Rain"という言葉が
使われています。そしてこの最後の曲ではあのオマドーンでのアフリカンドラムと
TB1のPart1のエンディングでのベースフレーズがミックスされて現れるという場面があり、
これがまたファンたちの心をあの時代へ連れていってくれます。ここで聴かれるオールドフィールドの
ギターも目いっぱいの高音でエモーショナルに鳴り響いています。

個人的に好きなのはThe Top Of The Morningで、物悲しげなピアノのフレーズから始まり、
機械的なリズムが加わり、最後はパイプとホイッスルの音色でケルティックなメロディーを歌い上げる
という感動的な曲です。この曲は前作Voyagerの雰囲気を受け継いでいると感じるのですが
Voyagerの作品群よりももっと前向きなイメージがあります。


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