THE ALAN PARSONS PROJECT


Ammonia Avenue
アンモニア・アベニュー
(1984)


Prime Time/Let Me Go Home/One Good Reason/Since The Last Goodbye/Don't Answer Me
Dancing On A Highwire/You Don't Believe/Pipeline/Ammonia Avenue

アラン・パーソンズとエリック・ウールフソンのコンビによる作品を様々なアーティストを起用してアルバムを製作していた
アラン・パーソンズ・プロジェクトの80年代の代表作といっていいでしょう。
USAでは前作Eye In The Sky(これもいい作品)がヒットし、その流れにあるアルバムですが、
よりポップにコンパクトにまとまった印象があります。
その代表的な曲がシングルヒットとなったDon't Answer Meです。フィル・スペクター風のウォール・オブ・サウンドを
再現したこの曲は従来のアラン・パーソンズ・プロジェクトらしくない作風ですが、しっかりアルバムの芯としてなじんでいます。
ヴォーカルはエリック・ウールフソンが4曲、レニー・ザカテクが2曲、クリス・レインボウ、コリン・ブランストーンが各1曲担当しています。
個人的にはA面全体(Prime Time〜Don't Answer Me)の流れが好きです。特にクリス・レインボウが歌う
Since The Last Goodbyeのしみじみとした叙情性がいいです。


ALAN PARSONS


Try Anything Once
人生ゲーム
(1993)

The Three Of Me/Turn It Up/Wine From The Water/Breakaway/Mr. Time
Jigue/I'm Talkin' To You/Siren Song/Dreamscape/Back Against The Wall
Re-Jigue/Oh Life (There Must Be More)


アラン・パーソンズ・プロジェクト(APP)を終結させた後、アラン・パーソンズが個人名義で最初にリリースした作品。
それまでのAPPではややソフトなロック路線だったのですが、
この作品はのっけからシンセのオーケストレーションでびっくりさせられます。
APPでのメインライターのエリック・ウールフソンが抜けた穴をどうやって埋めるかがポイントだったと思うのですが、
アンブロージアのデヴィッド・パック、APPの主要メンバーだったイアン・ベアンソン、スチュワート・エリオットらが曲を作っており、
特に3曲を手がけるデヴィッド・パックの印象が強く、彼の作品によってよりロック的なカラーに仕上がっているように思います。
ヴォーカルはデヴィッド・パック、クリス・トンプソン(マンフレッド・マンズ・アースバンド)、エリック・スチュワート(10cc)
ジャッキー・コープランドといった顔ぶれ。もちろんパーソンズ独特のインストBreakawayもありますが、
JigueRe-Jigueという2曲のインストはアイリッシュトラッドのジグのフレーズから発展させた曲で興味深いです。
ブックレットのデザインはAPPやピンク・フロイドでおなじみのストーム・ソガーソン、
またまたへんちくりんなコンセプトでまとめています(^^)。当時流行していた立体視のドットグラフィックも使っています。
APPは軟弱っぽくてちょっと...いう方にもお奨めできるかっこいい曲が揃っていますよ。


A Valid Path
(2004:CD)


Return To Tunguska/More Lost Without You/Mammagamma 04/We Play The Game/Tijuaniac
L'arc En Ciel/A Recurring Dream Within A Dream/You Can Run/Chomolungma

アラン・パーソンズの約5年ぶりの新作ですが、これまでの彼の作品と大きく毛色の違うアルバムです。
簡単にいうとテクノ(エレクトロニカと最近は呼ぶそうな…)。各曲ごとに様々なプログラマーをフィーチャーしています。
ということで、従来からのメンバー、イアン・ベアンソンやスチュワート・エリオットらのパイロット組は参加していませんので
いつものハートウォームなポップソングはほとんどありません。
とはいうものの、彼のアルバムにはいつも数曲テクノチックなインストナンバーが収録されていたので、
このアルバムはそれの拡大版といってもいいのかもしれません。本作にはそういった過去の曲のリメイクが2曲収録されています。
Mammagamma 04A Recurring Dream Within A Dream
全体の雰囲気は1曲目のReturn To Tunguska(ツングースカ<=UFO墜落が噂された場所>への帰還)というタイトルが示すように
ミスティックな印象のものが多いようです。
その他、特筆すべきこととしては1曲目にデヴィッド・ギルモアがギターで参加していること、アランの息子のジェレミー・パーソンズが
プログラマーとして数曲でフィーチャーされていること、Tubular Bells 2003で楽器名紹介をしていたジョン・クリーズが最後の曲Chomolungma
特別ゲスト(^^;としてナレーションしていることなどが挙げられます。
今後も同じ路線が続くとちょっと…という感じですが、企画盤としてはなかなか面白いアルバムと思いますよ。

なお、デザインはいつものストーム・トーガソンチーム(^^)です。


Eric Woolfson's Poe/More Tales Of Mystery And Imagination
(2003:CD)

Angel Of The Odd/Wings Of Eagles/Train To Freedom/Somewhere In The Audience/The Bells
The Pit And The Pendulum/The Murders In The Rue Morgue/Tiny Star/Goodbye To All That/Immortal

アラン・パーソンズのAPP時代の相棒エリック・ウルフソンはAPP解消後、ミュージカル音楽の仕事をしていたそうですが、
彼の新作が昨年後半にリリースされていました。タイトルはAPPのデビュー作の続編という意味でしょうか。
残念ながら僕はそれを聴いたことがないので比較ができないのですが、本作を聴いた印象ではミュージカルっぽい作りになっているようです。
APP時代はウルフソン自身のスモーキーヴォイスによる歌が魅力のひとつであったのですが、本作ではスティーブ・バルサモというシンガーに
殆どのヴォーカルを任せていて自身はプロデュースが主なようです。
ミュージカルっぽいコーラス隊によって歌われる曲もあったりしてAPPとは違うタイプの音楽とは思いますが、ところどころで聴けるウルフソンらしい
メロディーラインはやっぱりいいなあと思います。


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