CAMEL


Caming Of Age
(2002:DVD)

Luna Sea/Hymn To Her/Rhayader/Rhayader Goes To Town/Drafted/Docks/Beached/Sprit Of The Water
Ice/Sasquatch/Mother Road/Needles/Rose Of Sharon
Irish Air/Harbour Of Tears/Cobh/Send Home The Slates/Under The Moon/Watching The Bobbins
Eyes Of Ireland/Running From Paradise/End Of The Day/Coming Of Age/The Hour Candle


2002年にリリースされたDVD。1997年のカリフォルニアでのコンサートの模様です。


A Nod And A Wink
ノッド・アンド・ブリンク
(2002:CD)

A Nod And A Wink/Simple Pleasures/A Boy's Life/Fox Hill/The Miller's Tale/Squigely Fair/For Today

キャメルの30周年記念アルバム。
前作Rajazが悲しみを湛えたサウンドで統一されていたのと比較して、本作は明るい雰囲気を持つ曲が多いようです。
今年亡くなった元メンバーのピーター・バーデンスに捧げるとライナーに書かれているとおり、バーデンス在籍時代のサウンドを彷彿させる
ファンタジックな感じもします。
参加メンバーはベースのコリン・バース以外は新メンバーとなっていますが、今のキャメル(=アンディー・ラティマー)には大きな問題では
ないでしょう。もはや普遍的ともいえるロングトーンのギターは本作でも健在です。
7分以上ある曲が4曲もありますが、まったく長さを感じさせない爽快感は久々かも。
唯一のインスト、Squigely Fairが今のところお気に入りです。


Rajaz
ラージャーズ
(1999)


キャメルの3年ぶりのアルバムです。
現在は固定したバンドスタイルではなく、コンポーザーでもあるギタリストのアンドリュー・ラティマーの
ソロプロジェクトとなっているキャメルですが、彼の音楽がキャメルに反映されているのはデビュー当時から変わらないことで、
そういった意味ではキャメルの歴史=ラティマー自身の人生といっても差し支えないと思います。
本作はトータルアルバムではありませんが全体を貫くテーマはFarewell(別れ)です。

Three Wishes ちょっと不気味なオルガンのリフにブルージーなギターが絡んで始まる導入部は、
どこか昔のピンク・フロイド的でもありますが、
その後切り込んでくるラティマーのギターは正にキャメルそのもの。
かつてのエコーズ(キャメルの曲ね)を思わせるスピード感溢れるインスト曲です。
Lost And Found 間奏部に4+3拍子になるところで思わずニヤリ(^^)。
キーボードソロはカヤックのトン・シェルペンジールです。
The Final Encore ラティマーのアタックを消したロングトーンのギターが印象的なイントロに続いて歌われるのは
かつてのキャメルの曲名をつぎはぎしたものだそうです。
ここではヴォイス系のシンセ音色が活躍しています。
Rajaz アコースティックギターの弾き語りで始まるスローな曲。
いかにもラティマーらしい哀愁溢れるメロディーラインです。ラティマーのヴォーカルもこんな曲には
見事にフィットしますね。途中、セロとフルートが絡んできてさらに哀愁を誘います。
後半のソロはデヴィッド・ギルモア風でかなり濃密です。
Shout 一転、フォーク風な柔かな雰囲気をもつ歌です。
この曲、かつてのメンバーでドラマーだったアンディー・ワードに捧げられた曲のようです。
Straight To My Heart ラティマー自身のことを歌った曲。ちょっとダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーを思わせる
アコースティックギターでとつとつと語られていきます。
ラティマーももう50歳になるんですね。
Sahara ラティマーのギターが大活躍するインストルメンタル曲。ギターが泣きまくります(^^)。
エキゾチックな雰囲気がサンタナ風でもありますが、緩急をつけたアレンジは見事です。
後半はキャメル節全開といっていいでしょう。
Lawrence 「アラビアのロレンス」の主人公をテーマにした10分以上にわたる大作。
後半の5分はラティマーらしいメロディーのギターソロが続きます。



CDインナーより
ラティマーが持っているギターの弦と砂漠の風紋が同化して、その上をラクダ(=キャメル)が歩いている
という構図です。よく見るとラクダの影がギターのフレットのように見えてきます。

The Players
Andrew Latimer: Guitars, Vocals, Flutes, Keyboards, Percussion
Colin Bass: Bass Guitar
Ton Scherpenzeel: Keyboards
Dave Stewart: Drums, Percussion
Barry Phillips: Cello

Susan Hoover: Lyrics


Stationary Traveller
ステーショナリー・トラベラー
(1984)

Pressure Points/Refugee/Vopos/Cloak And Dagger Man/Stationary Traveller
West Berlin/Fingertips/Missing/After Words/Long Goodbyes


キャメルがメジャーレーベル(Decca)で発表した最後のスタジオアルバムです。
キャメルといえば、Snow GooseMoonmadnessあたりの評価が高いのですが、
このアルバムも「ベルリンの壁」を題材としたトータルアルバムとなっていて
やや暗いながらも深みのある曲が揃っていると思います。
音的にはアンディー・ラティマーの「泣き」のギターが中心でアナログシンセ群が色づけするといういつものパターン
なんですが、テーマがテーマだけに哀愁あふれる音に仕上がっています。
タイトル曲Stationary Travellerは静かなアコースティックギターで始まり、途中パンフルートのソロを挟み
後半ラティマー独特のギターが歌い上げる美しいインストになっており、大好きです。
その他、ヴァイオリン奏法が聴けるWest Berlin、キャメルファンに別れを告げているような歌詞の
Long Goodbyesなどといい曲が揃っています。特にLong Goodbyesのエンディングのギターソロが、
当時大好きで(いまでも好きですが)シンセでよく弾いていました。(ただしへたくそ(^^;)


Stationary Traveller
(1984/2004:CD)


In The Arms Of Waltzing Frauleins/Refugee/Vopos/Cloak And Dagger Man/Stationary Traveller
West Berlin/Fingertips/Missing/After Words/Long Goodbyes
Pressure Points

キャメルのデッカレコードに残した最後の作品が、完全版となってCamel Productionsからリリースされました。
完全版たる所以はレコード会社の意向により削除されたIn The Arms Of Waltzing Frauleins(Vocal:クリス・レインボウ)と、
それの差し替え用として準備されたPressure Pointsのフルバージョン(これもレコード会社の意向により編集された)が収録されていることです。
上記2曲はともにヴィデオPressure Pointsに収録されていて僕は聴いたことはあるのですが、アーティストの望んだ形のアルバムを聴けることは
嬉しい限りです。(まあこの曲だけでアルバム全体の印象が変わってしまうっていうことはないんですけどね…。)
なお、日本盤の帯に書かれている「タイトル曲の完全版」というのは間違いだと思うのでご注意ください。


I Can See Your House From Here
リモート・ロマンス
(1979)

Wait/Your Love Is Stranger Than Mine/Eye Of The Storm/Survival
Hymn To Her/Neon Magic/Remote Romance/Ice

バンド主要メンバーであったKey奏者のピート・バーデンスが前作Breathlessを最後に脱退し、
アンドリュー・ラティマー主導の体制となった最初のアルバムです。
このアルバムはベースにコリン・バース、キーボードにキット・ワトキンス、ヤン・シェルハースを迎えて制作されました。
前作ではフュージョンミュージックに接近したサウンドを聴かせていたキャメルですが、
このアルバムではよりポップになった歌もの主体の曲が多いようです。
冒頭のとびきりポップなWaitYour Love Is Stranger Than Mineの2曲はその傾向を明確に表わしています。
但し演奏も十二分に安定したもので、Waitでの新加入の2人によるシンセソロはめっちゃカッコイイです。
この2曲でのリード・ヴォーカルはコリン・バース。彼は最近作までずっとキャメルに関わっています。
アルバム後半ではブギータッチのNeon Magic、エレポップ風のRemote Romanceと珍しい曲調のものがありますが
この辺はこの時代の流行りに近寄ろうとする試みでしょう。プロデュースのルパート・ハインの影響もあるかもしれません。
そして名曲Ice。様々なギターサウンドを駆使しながら哀愁ただよう美しいメロディーを展開していく10分以上の
このインストルメンタルナンバーは個人的にはキャメルのレパートリーでも特に好きです。
エンディングのアコースティックギターとエレクトリックギターの爪弾きデュオに泣けます(^^)


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