THE CLASH


Sandinista!
サンディニスタ!
(1980)

The Magnificient Seven/Hitsville U.K./Janco Partner/Ivan Meets G.I. Joe/The Leader/Something About England
Rebel Waltz/Look Here/The Crooked Beat/Somebody Got Murdered/One More Time/One More Dub
Lightning Strikes (Not Once But Twice)/Up In Heaven (Not Only Here)/Corner Soul/Let's Go Crazy/If Music Could Talk/The Sound Of The Sinners
Police On My Back/Midnight Log/The Equaliser/The Call Up/Washington Bullets/Broadway
Lose This Skin/Charlie Don't Surf/Mensforth Hill/Junkie Slip/Kingston Advice/The Street Parade
Version City/Living In Fame/Silicone On Sapphire/Version Pardner/Career Oppotunities/Shepherds Delight

英国パンクバンドの代表格クラッシュの'80年リリースの3枚組超大作。(CDでは2枚組)
ここではパンクだけでなく「ダブミックス」(当時レゲエシーンで使われたテープ編集とエフェクトによるリミックス。)や、
中南米の音楽をも取込んだ意欲的作品になっています。
前半はThe Magnificient Sevenを始めとする従来のクラッシュらしいストレートなロックが中心。Hitsville U.K.ではエレン・フォリーをゲストヴォーカルに
迎えた曲でポップな仕上りで個人的に好きな曲です。Janco Partnerはどレゲエ(^^)。Ivan Meets G.I. Joeはファンキーなリズムにスペースインヴェーダー(^^)の
効果音を挿入した曲でアメリカとソ連の対立を扱った内容のようです。Something About Englandはピアノをバックに歌われるメッセージソング、などなど。
The Crooked Beatでは再びレゲエですが後半でダブの手法が使われています。ストレートでポップな曲Somebody Got Murdered(この曲も好き)の
続く2曲はレゲエシーンの有名人(?)マイキー・ドレッドを迎えてのダブの実験のような作品。One More TimeのトラックをベースとしたリミックスがOne More Dub
となっていますが、まだまだここではリズム体は残っているのでそう違和感はありません。
中盤はロック中心ですがなかなかヴァラエティーに富んだ曲調で飽きさせません。Let's Go Crazyはサンバ風アレンジの陽気な曲。
If Music Could Talkでは左右のチャンネルで別々のヴォーカルが流れるという試みも行われています。
Police On My Backは唯一のカバー曲。1967年のエディー・グラントという人の作品ですが、シンプルでカッコイイロックンロールです。
The Call Upは徴兵反対を訴えている歌。続くカリプソ風のWashington Bulletsはこのアルバムのタイトル、サンディニスタ(中米ニカラグアの政権名)が歌詞に
登場する曲。Washington Bulletsとはアメリカの軍事介入のことを意味しています。
さて後半ですが、これはもうかなり混沌とした世界です(^^;。エレン・フォリーが再びリードヴォーカルを取るLose This Skinあたりまではロック的であるのですが
それ以降は雑多な音楽がこれまた乱雑に詰め込まれているような印象です。
Mensforth HillSomething About Englandをバラバラ解体したダブインスト、Silicone On SapphireWashington Bulletsの、
Version PardnerJanco Partnerのダブミックス。
Living In Fameはマイキー・ドレッドが歌うレゲエ、Career Oppotunitiesは子供が歌う歌・・・とわけ分かりません(^^;。
当時はこんなの入れるくらいなら2枚組にしておけばと思ったのですが、パンクバンドからスタートしたクラッシュが様々な音楽を吸収した結果
膨れ上がったアイディアを吐き出す場所が必要だったのでしょう。
つまりはクラッシュの「ホワイト・アルバム」なんですねこれは。(^^)


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