GENESIS
Video Show
(2004:DVD)
ジェネシスのビデオクリップ集のDVD。発売がマイク・オールドフィールドのELEMENTSと同時期とあって同様のコンセプト(ヴァージンレコードのアーカイブ集)で
作られたようですが、さすがビッグネームだけあってビデオクリップだけでコンテンツがいっぱいになったのか特典映像とかはありません。曲もゲイブリエル
脱退以降のものばかりですが、古い映像はそれなりに興味深く見ることができると思います。
ただし、レイ・ウィルソンがヴォーカルをとるクリップはどう見てもジェネシスとは思えませんな(^^;
Invisible Touch
インヴィジブル・タッチ
(1986)
Invisible Touch/Tonight, Tonight, Tonight/Land
Of Confusion/In Too Deeppart one-In The Grow Of The Night〜part two-The
Last Domino
Throwing It All Away/The Brazilian
いわずと知れたジェネシスの最大のヒット作。
過去のプログレ時代からはかなり離れた音楽性で頂点を極めたことで
昔からのファンには好まれていない向きもあるようですが、私はこの作品は好きです。
かなりドライな音像ですがジェネシスが元からもっていた湿り気のある音楽性とうまくマッチされていて
共同プロデューサーであるヒュー・パジャムと3人が目指したサウンドの到達点であるといえます。
当時ソロでヒット曲を連発していたフィル・コリンズの色が濃いのは仕方ないことで、
それを受け入れるか否かがこの作品の良さが分かるかどうかを左右するでしょう。
とにかく全曲ポップでドラマチックで捨て曲無しで一気に聴けるアルバムです。
Abacab
アバカブ
(1981)
Abacab/No Reply At All/Me And Sarah Jane/Keep
It Dark
Dodo-Lurker/Who Dunnit?/Man On The Corner/Like
It Or Not/Another Record
ジェネシスのアバカブって評判悪いんですが、あえて聴きこんでみようと。
とにかく隙間が多いサウンド。従来のシンセとギターで音の壁を作っていく手法をきっぱりと捨て去り、
タイトな音像を作っていこうとする気持ちがわかります。この新たな手法を熟成させた形が
大ヒットしたInvisible Touchなのでしょう。最初の5曲はなかなかの出来だとは思いますが...
Duke
デューク
(1980)
Behind The Lines/Duchess/Guide Vocal/Man
Of Our Times/Misunderstanding/Heathaze
Turn It On Again/Alone Tonight/Cul-De-Sac/Please
Don't Ask/Duke's Travels/Duke's End
トリオ編成となったジェネシスが'80年に発表したこの作品は、
シンフォニックロックバンドとしてのジェネシスの最後のアルバムだと思います。
次回作Abacabからはヒュー・パジャムを共同プロデューサーに迎えてタイトなロックにスタイルを変えて、
Invisible Touchでその頂点を迎えるわけですが、このDukeではスタイルを変える直前のジェネシスの姿があります。
序盤のBehind The LinesからGuide VocalまでとエンディングのDuke's Travels、Duke's Endは
メドレー形式で演奏されており、このアルバムのトータル性を形成しています。
特にインストルメンタルのDuke's Travelsはシンセによる音の壁とダイナミックなドラミングが非常にかっこいいです。
間にはさまれた曲の多くはメンバー各個人の作品をバンドとして演奏しているかたちをとっていますが、
トニー・バンクスの作品以外はポップな作風に仕上がっています。事実Misunderstanding、Turn It On Againは
英米でシングルヒットしています。でも個人的にはバンクスの作品が渋くて気に入っています。
フィル・コリンズのヴォーカルも従来の繊細に語りかけるようなスタイルから変わって、自信たっぷりにシャウトしています。
つまりこの作品は従来のジェネシスの集大成であるとともにその後のジェネシスの足がかりとなった重要なターニングポイントに
位置するアルバムといえるでしょう。