平岩英子


Sketch
(2001:VHS)

sketch/昨日見た夢のように/サボテン/90cm/さかな/卒業-1989-/プールに行こう/Blue/Happy Birthday

2001年8月に行われた平岩英子さんのライブビデオは通販のみの発売。
オフステージシーンも盛り込みながら素晴らしい歌を聴くことができます。
卒業-1989-はスタジオ録音の弾き語りでCDとは別の歌詞で歌われる曲になっており、ひとつの見所と思います。


nudy camera
Village Records VRCH5012 (2000:CD)

微熱の朝/プールに行こう/月とヴァイオリン/La Mer/泣いてる人-mild ver.-/冬眠

とてもパーソナルな響きをもった曲たち。
静かな空間をゆるやかなテンションで音が満たしていく、平岩英子さんの2年ぶりのミニアルバムはそんな感じです。
少し前にリリースされたシングル泣いてる人の別バージョンも収録されていますが、このバージョンもなかなかいいです。
プールに行こうは高野寛アレンジで打ち込み主体の軽妙な作品、月とヴァイオリンはジャズの色濃い3拍子、と
スタイルは様々ですが英子さんの書くメロディーと独特の歌い方があるため統一された雰囲気があります。
6分半に渡るLa Merは(これも3拍子なのですが)アルバムで一番気に入った曲。
シュールで感覚的な歌詞と夢のような打ち込みサウンド。転調がめちゃくちゃ気持ち良いです。
ラストの冬眠は溝口肇アレンジのチェロがすごく素敵。
今度はフルアルバムを期待したいところです。


泣いてる人
Village Records VRCH-5009 (2000:CD)

泣いてる人(Unplugged Ver.)/ジャスミン/泣いてる人(Solid Ver.)

シンガーソングライター平岩英子さんの久々のシングルはライブでの人気曲のピアノ弾き語りです。
エフェクトなども最小限に抑えた生々しい音が切ない歌詞と見事にフィットしています。
2曲目はかの香織さんの作詞によるほのぼのとした曲。
前作から約2年のブランクがありましたが、平岩さん独特のメロディーラインは健在です。アレンジは板倉文氏。
3曲目は泣いてる人のアレンジバージョン。フェイザーを効かせたエレピを基調にシンプルにまとめています。
平岩さんのコーラスワークも聴けるこのバージョンもなかなか素敵です。


VESTA
(1998)

絵はがき/夏の香水/雨のストーリー/林檎/クレール/さかな/宝島

平岩英子さんの現在のところの最新作ですが、どうやらSONYとの契約が切れたようで、しばらく新作が期待できそうにありません。
ということで本来予定されていた「3部作」の2作目としてリリースされたこのアルバムを紹介します。
プロデュースは前作ユリイカと同様Goh Hotoda氏。参加ミュージシャンもほぼ一緒です。
絵はがきはエフェクトがかかったフィリップ・セスのピアノで始まる暗い感じの3拍子の曲。
続く夏の香水はシングルにもなったビートの効いたポップな曲。ですがこれもちょっと暗めです。
雨のストーリーは吉田美奈子さんの作詞、英子さんの書く曲もちょっと吉田さんを意識したような
濃密なソウルフルなメロディーになっています。ちなみにコレも3拍子。
一転林檎はピアノ主体の軽めの雰囲気。風邪をひいたカレの部屋に看病をやってきた女のコのことを書いた詞、結構好きです(^^)。
後半の3曲は全部抽象的(イメージ的)な歌詞が印象的で曲の流れも素晴らしいです。
さかなはピアノとストリングスをバックに切々と歌いあげるラヴソング。英子さんといえばコーラスの美しさが特徴なんですが、
この曲では殆どソロで歌っています。ソロの歌もまた素敵ですよ。
最後の宝島はダンサブルなリズムにピアノと英子さんのコーラスワークが素晴らしい曲。
これは絶対名曲!。彼女の最高傑作かも(^^)。アルバム前半の暗さがここで一気に開放される感じです。
今後、インディーズでの活動も噂されている彼女ですが、ぜひとも作品を発表してもらいたいものです。


ユリイカ
EPIC/SONY ESCB1860 (1998)

真珠/大きくなったら/夢幻/90cm/2:13AM/メロディー/カラス

この人、このアルバムで私が抱いているイメージが大きく変わりました。
それまでもピュアなクリアな声で気になる存在だったのですが、どこか引っかかりが無かったのです。
ところがこの1曲目、真珠を聴くといままでなかった感じ...「女っぽさ」が前面に溢れていました。
その他の曲でもより女性っぽいイメージで満たされていて、とても魅力的です。メロディーは名曲だと思います。
ついでですが、このアルバムはCD-Extra仕様となっており、データ部分にはNYで撮影された
彼女のスナップショットが数十枚収められていてこれも結構楽しめます。
次作VESTAも同傾向の作品集で、これが気に入ったら同様におすすめです。


Snow Field 〜こわれるほど想っていた〜
(1996:CD)

Snow Field 〜こわれるほど想っていた〜/Airship On The Stadium


Airium
Epic/Sony Records ESCB1808 (1997)

Airium Entrance/カラカラ〜Home Sweet Home〜/卒業/はこぶね/理由のない贈り物/サボテン
水のように/Airship On The Studium/Snow Field〜こわれるほど想っていた〜/昨日見た夢のように/Blue

平岩英子さんの2ndアルバム。当然全曲作曲は平岩さん自身ですが、卒業では工藤順子さん、Airship On The Studiumでは桜井秀俊が
作詞を担当しています。またアレンジは朝本浩文、高野寛、溝口肇らが手がけており、バラエティーに富んだ作風になっている、と思いそうですが
実際は統一された色合いをもつ作品に仕上っています。
ここにあるのは青い透明感とそれとは対極にあるような熱情。この両者が絶妙のバランスを保っています。
個人的に特に好きな曲は卒業サボテンSnow Field〜こわれるほど想っていた〜Blueの4曲。これらは何度聴いてもイイです(^^)。
全ての曲に入っている彼女自身のコーラスワークも素晴らしい。いわゆる正統派のコーラスなのですが、これほど美しく響かせる人も
数少ないんじゃないでしょうか。最後の曲Blueのエンディングで挿入される「ライララライララ・・・」というスキャットがオープニングのAirium Entrance
ループしていく構成も見事です。

実はこのアルバム、初めて聴いたときはそれほど印象は強くなかったのですが、現在では愛聴盤(^^)。
聴けば聴くほど深みがでるアルバムだと思います。


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