JANE SIBERRY
Anthology - Love Is Everything
(2002:CD)
In The Blue Light/Bessie/The Mystery At Ogwen's
Farm/You Don't Need/The Taxi Ride/One More
Colour
The Walking (And Constantly)/Red High Heels/The
Lobby/Bound By The Beauty/Everything Reminds
Me Of My Dog
The Life Is The Red Wagon/Calling All Angels/Love
Is Everything/Sail Across The River
Temple/Goodbye Sweet Pumpkinhead/Maria/The
Squirrel Crossed The Road/Peony/Mimi On The
Beach/Mimi Speaks
Barkis Is Willin'/Are You Burning, Little
Candle?/All Through The Night/The Water Is
Wide
Map Of The World (part I)/Map Of The World
(part II)/Map Of The World (part III : Are
You Dancing Now?)
Map Of The World (part IV : Pilgrim)
ジェーン・シベリーのベストアルバムです。初期のアルバムから最近作まで比較的まんべんなく選曲されていて
まず無難なところでしょうか。映画の主題歌にもなったCalling All Angelsももちろん収録されています。
このアルバム用に録音されたのは初期のアルバムで連作されていたMap Of The Worldシリーズのパート4。
このアルバムでパート1〜4まで続けて聴けるのもうれしいところです。
When I Was A Boy
少年の日
(1993)
Temple/Calling All Angels/Love Is Everything/Sail
Across The Water/All The Candles In The World
Sweet Incarnadine/The Gospel According To
Darkness/An Angel Stepped Down/The Vigil/bells/At
The Beginning Of Time
映画「ペイ・フォワード 可能の王国」のテーマとしてCalling All Angelsが取り上げられているのをTVスポットで見て、久しぶりに聴いてみました。
8年前に聴いたときは静かでとても深く重いアルバムという印象だったのですが、
今聴くとその暗闇の中からほのかに光が感じられるところがとても魅力的に感じます。
このアルバムは数曲で共同プロデュースにブライアン・イーノ、ゲストミュージシャンにベン・ミンク(Vl)、K.D.
ラング、ホリー・コール(Cho)らを
迎えて3年の期間をかけて制作されました。
前半は比較的短い曲、後半に大作2曲(The Vigil、At The Beginning Of Time)を配し、聴き応え十分。
過去にThe Walkingというある意味プログレッシブな作品を作った彼女ですから曲のあちこちにサンプリングやシンセのギミックが
散りばめられてはいますが、より「歌」に注力した印象を受けます。
Calling All Angelsはピアノ、アコースティックギターとヴォイスとシンセパッドで作り出す静謐な空間が魅力的でときおり挿入されるヴィオラも
効果的。続くLove Is Everythingはアルバム中最も親しみやすいメロディーをもつ曲で、ジェーンの優しいヴォーカルが素敵です。
イーノプロデュースのSail Across The Waterでは淡々と流れていくメロディーを満たすサウンドがどこかU2のJoshua Tree的です。
Sweet Incarnadineはクレジットによると20分間のインプロヴィゼーションを7分にエディットしたものらしいのですが、宗教音楽に近いものがあり
ちょっととっつきにくいかも。An Angel Stepped Downはヴォーカルのコラージュ手法も取り入れた複雑な構成の曲。
ラスト2曲(間に鐘の音によるブリッジbells)は二つの物語が切々と語られていきます。
ここらへんは英語が分からないのでなかなか聴きとおすのはキツイです(^^;。
ちなみに最近このアルバム、再リリースされたようですが、私が8年前に買った日本盤のライナーノートは遊佐未森さんが書いていました(^^)。
The Walking
ザ・ウォーキング
(1988)
The White Tent The Raft/Red High Heels/Goodbye/Ingrid
(And The Footman)
Lena Is A White Table/The Walking (And Constantly)/The
Lobby/The Bird In The Gravel
カナダ出身の才女、ジェーン・シベリーの'88年作のアルバムですが、尋常じゃないテンションを持っている作品です。
まず冒頭のThe White Tent The Raftは9分を超える大作です。この曲はひとつのサビ(コーラス)に向かって
いろいろなメロディーがアプローチしていくというユニークな構成をとっています。また、歌詞は非常に難解で、
(Transparent=平明な)という解説用の詞も併記されていたりします。またサウンド面でも、
ドラムの表とウラが入れ替わっていったりして意表をつかれます。
といってもメロディーは意外と親しみやすく繊細なものが多いようです。個人的はとても好きな曲。
アルバムの中盤は比較的短い曲が多いのですが、歌詞やサウンドにひねりが効いた曲が多いです。
タイトル曲のThe Walking (And Constantly)はそんな中にあって一番シンプルな歌で、しみじみとしたメロディーが素敵です。
最後のThe Bird In The Gravelは10分半にも及ぶ曲。この曲は組曲形式で
いくつかの登場人物が各パートの主人公になっているという設定ですが、歌詞は残念ながら理解できませんです(^^;。
余談ながら、私がこのアルバムを買ったきっかけは遊佐未森さんが彼女のファンだということを雑誌で読んだことと、
マーキー(昔のね)の女性ヴォーカル紹介で彼女のこのアルバムを
「緻密さとナチュラルさはマイク・オールドフィールドの諸作に匹敵する」と評していたことです。
もちろんマイクの音楽とは全く似ていませんが、緻密さは確かにすごいと思います。
彼女はこのあとさらにディープな世界を表現したアルバムを発表したりもしましたが、
最近はアコースティック色の濃い作風になってきているようです