THE MOODY BLUES
Strange Times
ストレンジ・タイムズ
(1999)
English Sunset/Haunted/Sooner Or Later (Walkin'
On Air)/Whatever You Are/Foolish Love
Love Don't Come Easy/All That Is Real Is
You/Strange Times/Words You Say/My Little
Lovely
Forever Now/The One/The Swallow/Nothing Changes
超ベテラン英国ロックバンド、ムーディー・ブルースの新作です。
オリジナルアルバムとしては8年ぶりになるようです。
バンドとしてはキーボード不在の4人組で、サポートとしてDanilo
Madoniaという人がキーボード、プログラミングを担当しています。
この人の名前で分かるようにこのアルバム、イタリアでレコーディングされています。
曲はジャスティン・ヘイワード作が5曲、ジョン・ロッジ作が4曲、ジャスティンとジョンの共作が3曲、
レイ・トーマス、グレアム・エッジ作が各1曲とほぼいつもの通りですが、今回はジョンの作品に光るものがあると思いました。
特に名曲Isn't Life Strangeを彷彿させるストリングスが絡む曲Words You Sayが印象に残ります。
(Isn't Life Strangeはメロトロンのストリングスでしたね)
あと、最後の曲(グレアム作)はグレアムの詩の朗読(これはデイズ・オブ・フューチャー・パストを思い出しました)で
世紀が変わってもNothing Changesだよと歌っています。彼等らしい!
というわけでこのアルバム、多分にミレニアムを意識しているようですね。
Long Distance Voyager
魂の叫び
(1981)
LPの見開きジャケットです
The Voice/Talking Out Of Turn/Gemini Dream/In
My World
Meanwhile/22,000Days/Nervous/Printed Smile/Reflective
Smile/Veteran Cosmic Rocker
70年代初期にメロトロンを駆使した独創的なサウンドでヒット作を連発したムーディー・ブルースが
3年のブランクを置いて発表した復帰作です。かつてメロトロンを操っていたMike
Pinderは脱退し、その代役として
イエスにも一時期参加していたテクニシャン、Patric
Morazがキーボードを担当しています。
そのせいか、このアルバムのサウンドはかつての彼らには見られなかった切れ味、ダイナミック感が感じられます。
曲自体は彼ららしいポップなメロディーでコーラスワークも従来どおりなんですが、Morazのアナログシンセによる
オーケストレーションは彼らの曲に厚みとスピード感を与えています。
このアルバムは全米チャートのNo.1を獲得し大ヒットしました。
個人的にもシングルとなったThe Voice、Gemini Dream、それとELO風でもあるバラードNervousなどは好きな曲です。
また、当時アメリカの惑星探査機VOYAGERの木星接近が話題となった時期でもあり、
アルバムタイトルとジャケットにさりげなく描かれた人工衛星の絵がそれを表しています。
Seventh Sojourn
セブンス・ソジャーン
(1972)
Lost In A Lost World/New Horizons/For My
Lady/Isn't Life Strange
You And Me/The Land Of Make-Believe/When
You're A Free Man/I'm Just A Singer (In A
Rock And Roll Band)
メロトロンを取り入れた幻想的な音楽性と、哲学的歌詞で人気を博した初期ムーディー・ブルースの到達点ともいえる7枚目のアルバムです。
現在も活動はしていますが、バンドとしてのまとまりが強かったのはこの頃だと思います。
曲はジャスティン・ヘイワードが3曲(内、グレアム・エッジとの共作が1曲)、ジョン・ロッジが2曲、マイク・ピンダーが2曲、レイ・トーマスが1曲と
バランスがとれています。特にキーボード奏者のマイク・ピンダーのカラーが色濃くでているように思われます。(Lost In A Lost World、When You're A Free Man)
ジャスティンとジョンの2人が書くポップソングとは一味違う実に渋いメロディーを書いています。
個人的に好きなのはIsn't Life Strange。静かなバラードからドラマティックに盛り上がる曲です。メロトロンとフルートの響きもイイ味を出しています。
後半3曲はどれも名曲といって良いと思います。ジャスティン作でフォーク色の強いThe Land Of Make-Believe、R&Bの雰囲気もあるWhen You're A Free Man、
そしてこの時点でのムーディーズの出した結論ともいえるI'm Just A Singer。この曲は彼らには珍しいシンプルなロックンロールですが、
メロトロンが入ってくるとムーディー・ブルースの色となってしまいます(^^)。