PENDRAGON


Believe
(2005:CD)

Believe/No Place For The Innocent/Wisdom Of Solomon
The Wishing Well - i) For Your Journey/ii) Sou' By Sou'west/iii) We Talked/iv) Two Roads
Learning Curve/The Edge Of The World


'80年代初頭から活動を続けるベテランシンフォロックバンド、ペンドラゴンの新譜。
この作品、従来とちょっとイメージが異なります。まずはジャケット、絵は同じサイモン・ウィリアムズなのですが、これまでの隠し絵なども使った
ファンタジックなものと違い、少し暗いイメージのイラストが使用されています。男の背に描かれたタトゥーが何を意味しているかはよく分かりませんが
多くの絵柄が埋め込まれているところはサイモン・ウィリアムズらしいといえばらしいかも。
で、本題の音楽ですが、前作Not Of This Worldで聴くことができたギターとキーボードの競演によるきらびやかな分厚いサウンドが
影をひそめ、ギター主体のサウンドになっています。特にアコースティックギターのフィーチャー度が高いのが特徴。
作詞作曲は全曲ギター&ヴォーカルのニック・バレットによるもので、彼のソロアルバム的印象がより強まっていると思います。
これまでサウンドの双璧をなしてきたクライヴ・ノーランのキーボードはほとんどバッキングに徹していて若干さびしい気はしますが、
いい意味で「枯れて」きたのかなあと解釈しています。
曲自体はこのバンド(というかニック・バレット)の持ち味である親しみやすいメロディは顕在で、
若干賛否両論があると思いますが、個人的は彼らの音楽の魅力は少しも薄れていないと思います。
ギターエッジの効いたポップなナンバーNo Place For The Innocent、アコースティックギターの弾き語りで始まるThe Edge Of The World
などが彼らの新たなサウンドをよく表しています。


Not Of This World
(2001:CD)

If I Were The Wind [And You Were The Rain]
Dance Of The Seven Veils
part 1. Faithless
part 2. All Over Now
Not Of This World
part 1. Not Of This World
part 2. Give It To Me
part 3. Green Eyed Angel
A Man Of Nomadic Traits
World's End
part 1. The Lost Children
part 2. and Finally ...

They're flesh and blood they were human beings...


ペンドラゴンの5年ぶりのアルバムがリリースされました。
今回はソングライター兼ヴォーカル兼ギタリストのニック・バレットの個人的な感情が昇華された形で「魂の救済」を歌った
私小説的な色合いを持つ曲になっています。心なしかニックのヴォーカルにも熱がこもっているような気がします。

「肉と血、彼らは人間・・・」このフレーズは
タイトル曲Not Of This Worldと最後の曲World's Endで出てくるのですが、
これがこのアルバムのテーマになっているのでしょう。

サイモン・ウィリアムスによるジャケットイラストはいつもどおり多くの情景が一つのキャンバスに詰め込まれた
見ごたえのあるものになっています。
一番手前に描かれている男女、手は繋いでいますが彼らの前には「Betrayed(裏切られた)」と
書かれた旗が置かれており、男の手にはかじられた林檎が。・・・・
これを見ているだけでも様々な想像を働かすことができます。

サウンドは前作「The Masquerade Overture」と同傾向で、特に目新しいことをしているわけではありません。
キーになるのはニック・バレットのギターサウンド(キャメルのような「泣き」のギター)と
クライヴ・ノーランのシンセによる音の壁の構築になるわけで、ロック的スピード感よりも空間が重視されたサウンドです。
全5曲のほとんどが10分以上の大作であり、トータルアルバム的な色合いが強いので
1曲ごとに解説するのは避けますが、
とにかくこのアルバムは全曲を通しで聴いてもらうことをお奨めします。
魅力的なメロディーが満載で、個人的には約70分間があっという間に過ぎてしまいます。

日本盤にはキャメルFCの和田有紀さんによる懇切丁寧な「解説付」歌詞訳が入っており
これも読み応え抜群ですので、英語の歌詞が分からない人は是非日本盤を入手してください。


The Masquerade Overture
仮面舞踏への序曲
(1996)

The Masquerade Overture/As Good As Gold/Paintbox/The Pursuit Of Excellence
Guardian Of My Soul/The Shadow/Masters Of Illusion


英国のベテランポンプロックバンドの現在のところの最新作。このバンドの音楽性はリーダーであり
作詞、作曲、ヴォーカルとギターを担当するニック・バレットによるものが大きく、その特徴は
「メロディー最優先」と言えると思えます。とにかく特徴的な甘目のメロディーが前面に出ており、
シンフォニックなサウンドがそれをバックアップするというスタイルをとっています。
このアルバムでも10分以上の曲が2曲もあるのですが、即興に走ることなく(もっともできる演奏力も無いという
話もありますが)、メロディーに寄り添った形での演奏になっています。
硬派なシンフォロックファンにはそっぽを向かれそうなサウンドなんですが、私、こんなの好きなんです。


LIVE IN POLAND
(1996:VHS)
March Of The Torreodores (intro)/Nostradamus/As Good As Gold/Paintbox
Breaking The Spell/Guardian Of My Soul/Back In The Spotlight/The Last Man On Earth
Tha Shadow/Leviathan/Masters Of Illusion/The Last Waltz (Queen Of Hearts part 3)


ブリティッシュシンフォニックロックのベテランPendragonのライブビデオです。
演奏されている曲の殆どが最近3作The Masquerade OvertureWindows Of LifeThe Worldから
選曲されており、現在の彼らの音楽スタイルがよく分かる構成となっています。
一部、テープを使用しているみたいですが彼らのパフォーマンス自体見たことがなかったので楽しめました。
映像を見るとこのバンドの核はギター・ヴォーカルのNick Barrettであるということが再認識できます。
しかしBarrett自身のルックスは不精ヒゲのようなヒゲ面で、こりゃ日本では人気出ないなー、という印象が強いです。
来日してライブして欲しいんですけどね。


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