Peter Hammill


Out Of Water
(1990)


Evidently Goldfish/Not The Man/No Moon In The Water/Our Oyster/Something About Ysabel's Dance
Green Fingers/On The Surface/A Way Out


元ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターの孤高のシンガーソングライター、ピーター・ハミルの'90年作品です。
重厚で荘厳なイメージの曲を朗々と歌い上げるスタイルはかなり個性的で、好き嫌いは分かれると思いますが、
'80年代中頃から'90年代初期にかけてはMIDIを使った比較的ポップな音作りをしていました。
(実は最近作は全然聴いていないのでよく知らないんですが・・・)
ここではそのポップな面も覗かせながらも実に渋い楽曲が落ち着いた雰囲気を漂わせています。
一部の曲でゲストミュージシャンとしてジョン・エリス(G)、デヴィッド・ジャクソン(Sax)、ニック・ポッター(B)、スチュワート・ゴードン(Vn)
というVDGG時代からの仲間が参加していますが、基本的にハミルがほとんどの楽器を操作しており、
ドラムはおそらく打ちこみと思いますが、そのようなディジタル音を感じさせないような圧倒的なハミルの肉声が迫ります。
ラストのA Way Outは私が知っているハミルの作品でも名曲のひとつじゃないかと思います。
"Out of ・・・・"というフレーズをひたすら連ねた歌詞は最後に"I wish I said I love you"というコトバに集約されるのですが、
意味ははっきり分からなくともスゴイ説得力を感じます。
また Our Oysterでは'89年に起きた中国の天安門事件を取り上げています。


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