吉岡忍


BREITH
パイオニアLDC PICL-1106 (1995)

竹田の子守唄/春の風/翼があるなら/この胸でおやすみ/遠い空/2つの願いが叶うなら/Time to go Sleeping/たからもの

えっと、これは「3拍子濃度検査」のコーナーでもとりあげていますが、ここで改めて。
元コーザ・ノストラ、ICE BOXの吉岡忍さんのデビュー作です。タイトルは「ブレア」と読むそうです。
トラッドの香りをたたえたアコースティックな歌を取り揃えたラインナップ。
竹田の子守唄は言わずと知れた日本のトラッド。春の風はザバダックの吉良知彦作曲。ミディアムテンポでいかにも
吉良さんらしいメロディーもった歌です。この胸でおやすみは英国トラッド(Rock-A-Bye Baby)、2つの願いが叶うならはロシアのトラッド
(Cossak's Cradle Songとクレジットされています)、遠い空は元たまの柳原幼一郎の作詞作曲。マンドリン、ハーモニカ、アコーディオンを
フィーチャーしたカントリータッチのアレンジになっています。最後のたからものはブラームスの曲をアレンジしたものです。
全曲アレンジは矢野誠が担当、アコースティック楽器にシンセ類を程よくブレンドした聞きやすいサウンドを作りあげています。
ギターは全曲吉川忠英。曲毎にマンドリン、バンジョー、ウクレレなどに持ち替えてアルバムに色づけをほどこしています。
吉岡さんのヴォーカルは上手いとは言えないのですが、素朴な歌い方がこういったシンプルな歌たちとあいまって子守唄のような
効果を出しいるように思います。5曲も3拍子系であるのも一因でしょうか(^^)。


WATER THE FLOWER
PIONEER LDC PICL-1123
(1996)

Day by Day/FLOWER/NO NO NO.../月夜のカメラ/いつか逢いたい
海から来た/星の奇跡/愛しても大丈夫ですか?/カステラ/宝島/パレード/IS THIS LOVE?


ソロデビュー2作目となるアルバム。前作BREITHのトラッド指向を引き継ぎつつ、
よりポップになった印象があります。このへんはほとんどの曲のアレンジを手がけている成田忍氏のカラーかも知れませんが。
いつか逢いたいは上野洋子の作品でもろトラッド風です。個人的なベストトラックは
海から来たで、ゲール語のコーラスとメカニカルなリズムとアンビエントなSEが不思議な世界を形作っています。
次作Stray Catではロックっぽいサウンド、そして最新作ではピチカートファイブの小西康陽の
プロデュースになるとのことで、どんどんイメージチェンジをしていくのですが、どうなることやら。


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